第78話 面接Ⅳ
「質問も終わったみたいですし、面接はそろそろ終わりでしょうか?日吉を1人にさせ過ぎるのもアレなので……。」
「ヒッヒッ。そうさねぇ。長々と悪かったねぇ。」
「フォッフォッ。
ただ1つ、おまえさん達に忠告をしておくのぅ。
『絶対に悪意を持って人を殺すな。』
これだけは守り、ワシら年長者の経験談として忘れないで欲しいのぅ。」
このジジイ。何を言ってるんだ?
人殺しなんて犯罪じゃねぇか。
する訳が無いのに……とち狂ったのか?
もしや、ここはそういった法すらも無いのか?
街を歩いていた感じ、そんな雰囲気じゃなかったはずなんだがな。
「うん?ああ。当たり前の事じゃないですか。ですが、分かりました。
では、私からも最後に1つお願いがあります。」
「あー。何よ?」
ガイ部長やディアナさん達の事を聞いて、思っていた事。
「ミラ様。ロン様。貴族位をはく奪出来る程の権力をお持ちなのであれば、ガイ部長とハーシャ奥様の仲を取り持ってくれませんか?」
「カゲイ!何を馬鹿な事を……」
俺の発言にガイ部長は立ち上がり反論しようとする。そんなことは分かりきっていたので、遮って続ける。
「……と、まぁこんな感じでガイ部長をどうこうして欲しいとは思っていません。貴族の位が誰にどのように付くのか俺には想像も出来ません。
ただ、ガイ部長が貴族じゃなくなった原因で、ハーシャ奥様との許嫁の関係も解消されてしまいました。それをどうにか出来ませんか?
ハーシャ奥様は何の関係も無いはずです。どうか宜しくお願いします。」
ガイ部長の家はどうにもならないだろう。
しかし、ハーシャ奥様の家にロン様とミラ様が協力すればどうにかなるのでは?と思っていた。その意図はロン様もミラ様も気づいた。そして、ハーシャ奥様も期待いっぱいの目で2人を見つめていた。
「フォッフォッ。いいじゃろう。
ワシらが驕っておった罪滅ぼしという訳じゃな。」
「ヒッヒッ。それだけでいいのかね?
おぬし達の想いを協力させようとは思わんのかねぇ。」
「貴族という位が関わると奴隷の俺達ではどうしようも無いですからね。
俺達の問題は俺達で解決しますよ。寧ろ、そんな事をしたら認めてくれないんじゃないですか?ねぇ。ディアナさん。」
権力を使って恋を成就。そんな事が通用するはずがない。特に目の前に居る人には、そんな感じがアリアリとしていた。
「あー。そうね。その通りだわ。」
「私はもう認めているの!だから頑張ってなの!」
「ちょっと!キエナ。1人だけズルいわよ?」
「アハハッ。ディア、意地っ張りなの。」
キエナさんは応援してくれるらしい。
その事でディアナさんとキエナさんがイチャイチャしだした。
女性2人の揉み合う素晴らしい光景を眺めつつ、しかしどちらも人妻と、息子が立ち上がらないように自制し、椅子から立ち上がる。
「では、日吉も待っているので、俺は仕事に戻ります。後の事はどうか宜しくお願いします。」
丁寧に頭を下げ、俺は職場へと戻った。




