第77話 面接Ⅲ
「あー。ひとつ良いかしら?貴方、確かミイネにシュンと呼ばれていなかったかしら?
でもココではカゲイと呼ばれているわ。まさか偽名を名乗っているんじゃないでしょうね?」
ディアナさんから責めるように言われた。
「ああ。それは俺達の元居た世界かつ、俺達の国では、ココと逆なんだよ。
俺のフルネームは、影井俊介だ。シュンスケが名前で、カゲイが家名みたいなものさ。仕事上は大体カゲイで呼ばれるが、親しい人にはシュンスケやシュンと呼んで欲しいから、ミイネにはそう呼んでもらっている。先程のもう1人の日吉も同じだ。更に言えば明彦君だって、前の世界では伊吹君と呼ばれる事の方が多かっただろうさ。」
「あー。そういう事なのね。
それと、仕事を見させて貰ったわ。それで貴方がやっていた事は、もしかして……?」
「ご想像通りだよ。ディアナさん。ただ、まだまだ形になってないから特訓中だ。ミイネには内緒にしておいてくれよ?」
「フフフッ。少しだけ貴方を認めてあげるわ。だから頑張って。そうすればミイネと一緒に買い物が出来るようになるのね。」
「ありがとう。ディアナさん。
でもミイネが恥ずかしがって断られたら無駄になるから、その時は一緒に説得してくださいよ?」
「あー。そうね。分かったわ。任せなさい。」
少しだけディアナさんに認められ、仲良くなった気がした。ミイネの為に頑張っていた甲斐があったな。
「貴方達は奴隷から解放されたいとは思わないの?」
そんな時にキエナさんから、先程と似たような事を聞かれた。先程答えたばかりなので、疑問に思って首を傾げたら、言い直してきた。
「違うの。その首輪……私も付けられた事があるの。とっても邪魔だったの。貴方達は平気なの?」
ああ。首輪のことか。
てか、キエナさんも1度奴隷になった事があるのか。さぞ苦労したのだろう。今ですら、フードを深々と被っているから、顔に傷でもあるのだろうか?可哀想に。
「コレですか?ここに居る時や仕事している時は付いてた方が不便じゃないし、怒られないので付けてますよ。というか、流石に寝る時は外してますね。」
そう言って、パカッと首輪をズラして外してみせた。
「え?」
何か変だったのだろうか?
「え?」
「……。」
「……。」
「「「ええーー!?」」」
長い沈黙の後、ディアナさん達はとても驚いていた。
「何故?どうして?
赤く光ったままなのに……効果が壊れているの?」
「カゲイ!無闇に外すなとあれほど言っただろう!外せば、こうやって皆が混乱するんだ。」
「すみません!ガイ部長。」
「ヒッヒッ。ガイよ。どういう事かのぅ?」
「カゲイもヒヨシも、ある時期に首輪が弾け飛んだのです。今は周りの混乱を防ぐ為に赤く光らせるだけの効果しかない、ただの首輪です。
ロン様、ミラ様。仕事を見てもらったので分かると思いますが、彼らを縛ることは出来ますか?」
「フォッフォッ。無理じゃのぅ。」
「そういう事です。あくまで内々の事ですから外に漏らさないでください。お願いします。」
ガイ部長がディアナさん達に頭を下げるので、合わせて俺も一緒に下げておく。こうした方がガイ部長から後で怒られる度合いも小さくなるはずだ。




