表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
67/345

第66話 キャッツアイⅡ

この混沌とした中で1番年長であり、1番話が分かりそうな老婆から話しかけられた。


「ヒッヒッ。おまえさん。一体何処の奴隷だい?」


何処?ああ。奴隷なら誰かの所有という意味で聞いたのか。


「いえ、俺は誰の奴隷でも無いです。」


年長者を敬う気持ちを持って、丁寧な言葉で返す。


「貴方!この後に及んで、まだそんな事を……!」


「ディアナ!違うの。シュンは違うのよ!」


俺の答えにディアナさんはまた怒り出してしまったが、それをミイネは否定する。

ハーシャ奥様はしっかり事情を話してくれたようだ。ミイネだけは知っていた。しかし、この3人には伝えてないのか。まぁそんなにベラベラ喋る事でもないか。


ガイ部長から止められているが、こうでもしないと誰も納得しないか……仕方がない。


「そうですね。説明しますが、騒がないでくださいよ?

俺はちゃんと外出の許可を貰ってここに居ます。いいですか?正式に許可されているんです。絶対に騒がないでください。」


そう念押しして、マントと服をめくり、肩にある入館許可証を見せる。


「ウソッ!?終身奴隷!?」


「どうして!?」


「なんと!?」


「シュン。あの方の言っていた事はホントだったのね。」


全員が俺の肩の焼印を見て驚いていた。


「な?だから俺は誰の奴隷でも無いのです。強いて言えば国の奴隷ですかね。その意味は俺よりも皆さんの方が詳しいんじゃないですか?」


「ヒッヒッ。そんなおまえさんが、どうしてこんな所に居るんだい?」


またもや、いち早く復帰した老婆は質問する。


「俺の仕事上、布の消費が激しくて、足りなくなったから買いに来てるだけですよ。勿論、ミイネさんにも会いに来てますがね。」


「シュン。……後半部分は今は余計よ。話がややこしくなるわ。」


「しかし、『ついで』みたいには言いたく無かったんだ。」


「もう。馬鹿ね。」


ミイネは呆れてしまった。でも笑ってもいたから、悪い感情では無いのだろう。


「あー。そういう事。なら、この店以外の布屋に行けばいいじゃない!

大体、この店だと貴方が利用するような布は少ないでしょ?」


「ディアナ。それはあんまりだわ。

私の店の中で他の店を勧めないでよ?」


「あー。ごめんね。ミイネ。

だって、しょうがないじゃない。」


なんとなく色々と理解したディアナさんからそういう提案があった。

確かに女性向け主体の布を売っているミイネの店には俺が買うような布は少ない。

最もな提案だった。


「そうかもしれないですが、俺はこの店しか知らないのですよ。

というより、ココを紹介してくれた明彦君もココしか知らないようでしたし。」


「え?アキヒコ君?

どうして奴隷の貴方がアキヒコ君を知っているのよ?」


うん?

意味が分からなくなってきたぞ?


「明彦君を知っているのですか?15歳ぐらいの男の子でちょっとオドオドした感じの……」


「あー。同じアキヒコ君だわ。よく知ってるわよ。なにせ、ウチで暮らしているからね。」


「ヒッヒッ。繋がってきたねぇ。

なるほどねぇ。だから、この店を紹介されたんだねぇ。」


おお!確かに繋がったな。

明彦君を預かっている場所にディアナさんが居て、だから明彦君はディアナさんの友人のミイネの店を俺に紹介したのか。


「なるほど。ディアナさんでしたね?

色々とお世話になって、どうもありがとうございます。」


要するにディアナさんが居たお陰で、明彦君は救われ、そして俺にミイネを会わせてくれた。

その為、俺は丁寧に頭をさげる。


「それはどういたしまして……って、そういうのじゃないのよ!

だから、なんでアキヒコ君を知っているのよ!?」


ディアナさんは、ノリツッコミが上手いな。

何処かにボケ担当でも居るのか?鍛えているのかもしれない。


「うん?寧ろ、明彦君から何も聞いていないですか?

昨日も俺の後輩と一緒にこの店へ来たみたいなんだけど……?」


そう聞いてみたのだが、3人共知らない様子だった。

明彦君はまだ子供か。色んな場所へ遊びに行っていて、ココもその1つぐらいなのかもしれない。

子供の遊びを全て伝えるには時間が足りないか。もしくは、聞かなくてもいい程、お互いに信頼しているのかもしれない。


「そうですか。

あまり大っぴらに話す事じゃないんだけど……、皆さんは明彦君の事情を知っていますか?」


と、聞いてみたらミイネ以外の3人はしっかり頷いていた。

お世話になっている人達だもんな。その辺はちゃんと伝えているか。


「なら、俺も明彦君と同じ時期、同じ場所からやって来た。そう言えば分かるんじゃないかな?」


「「「!!!」」」


3人とも酷く驚いていた。

ミイネも話は聞いていたと思うが、実際に俺の口から言われて、「やっぱり……。」と呟いていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ