第65話 キャッツアイ
酷い目にあったが、シアラちゃんを見る事が出来たし、まだそんなに時間は経って無い。
これからミイネに会いにいっても、色々話す時間は十分あるだろう。確か、先週あたりにハーシャ奥様が事情説明に行ってくれたみたいだし、もしかしたら日吉みたいにゆっくりイチャイチャ出来るかもしれない。
気分を切り替え、ウキウキでミイネの店へ着いた。
お店に着いたらミイネ以外にもお客が3人居た。その3人のウチ、中心にいた女性から絡まれた。
「あー。やっと来た。ミイネ。この奴隷ね?貴方に付き纏っているのは?」
すげぇ睨んできたが、付き纏った覚えはない。
俺じゃないな。と確信し、後ろを振り返ってみたが、他の奴隷は誰も居なかった。
やはり俺じゃないな。と再度思って、その女性をスルーして、ミイネに挨拶する。
「やあ。ミイネさん。おはよう!
昨日はごめんね?俺の後輩から変な事言われなかった?」
「え?ええ。シュン……。おはよう。
それよりも……貴方のことよ?」
チラチラと先程の女性を見るミイネ。
「そうなのか?今日会ってまだ3回目。それに月に1回毎だぞ?これで付き纏うなんて言われたら、世界中の男は全員ストーカーになるんじゃないか?」
「フフッ。何よそれ。でもそうね。
ただ貴方は強烈で強引過ぎるから、今日で3回目な気がしないわ。」
「なるほど。恋の……」
「予感じゃないわ。フフッ。」
「ハハハッ。」
2人で良い感じに笑い合っていたら、外野がしゃしゃり出てきた。
「ちょっと!私達を無視しないでちょうだい!
ミイネまで、何を楽しそうに喋ってるのよ?最初に困ってると言ってきたのはミイネよ?だから私達が来たのに……。」
「違うのよ!ディアナ。シュンは……」
「あー。ミイネ。前から思ってたけど、貴方は優しすぎよ?だから奴隷も付け上がるのよ。」
「酷い言われようだな。
俺はまあ奴隷だから良いとして、ミイネさんは何も悪くないだろ?」
振り返って反論してみたが、あまり意味は無かった。
「喋らないで!
私は友人のミイネを心配しているの。付き纏ってる人から友人の名前すらも聞きたくないわ。」
ピシャリと吐き捨てるディアナと呼ばれた女性。有無を言わさず、俺は肩をすくめるしか無い。チラリと後ろを見ればミイネもどうしたら良いのか分からないと言った困惑の表情だった。
「な?奴隷なんてこんな風に扱うのが手本だよ?」
と、ボソッとミイネにだけ伝えると、ミイネは吹き出してしまった。
「ミイネ!ちゃんと話を聞いてよ!」
それで、ディアナさんを怒らせてしまった。
怒ったディアナさんは俺を睨んで、どうにかしようと思ったのかもしれない。よく分からないが、前回ミイネが持っていたステッキを取り出した。
おお!ってことは、ミイネに男避けのアレを貸したのはディアナさんなのか。
これは悪い事をした。もっとちゃんとお礼を言っておけば良かったな。
そんな事を考えていたら、ディアナさんはそのステッキを光らせようとし、何故かフードを深々と被ったフォルム的には女性?の連れから止められた。
「ディア!ダメなの!」
「ちょっと!キエナ?」
更には残ったもう1人の老婆も間に入る。
「ヒッヒッ。ディアナ。少しは落ち着くといいねぇ。おまえさんは突っ走りすぎだねぇ。」
「ミラさんまで……。もうなんなのよ?」
俺もなんだか良く分からないが、ディアナさんはキエナという女性?とミラという老婆に止められて、落ち着いていった。




