第62話 シアラ
日吉を極刑に処した翌日。
俺の休日。
日吉を生贄にして、ガイ部長&ハーシャ奥様を召喚!
ガイ部長&ハーシャ奥様が日吉を攻撃!
ああ!日吉のライフが残り少なくなってしまった!危ない!
なんて妄想を抱きつつ、仕事は3人に任せて王城を出る。
そういえば、結局シアラちゃんを見たことが無いと気づいた。
日吉もミイネを見に行ったことだし、俺もチラッと見ておくか。
そうして以前ガイ部長に教えてもらった食堂付近まで歩いた。
汚料理は勘弁!と、なるべくコソコソと人目を気にしながら歩いていたんだ。
しかし、この見た目ではどうしても目立ってしまったらしい。
そろそろ食堂だと思っていたら、やたらと後ろが五月蠅い。
「おーい!ヨージ君!ヨージ君?今回は連休なの?ねぇ。ヨージ君?」
女性の声で誰か呼んでいるようだった。
朝から元気だなぁと思っていたら、その声の主が俺の目の前に飛び出してきた。
「ヨージ君!無視しないでよ!?」
「ん?俺のことか?」
「当たり前じゃない。そんな見た目、ヨージ君以外居ないでしょ?」
ああ。日吉陽司だから、日吉の事か!
ということは、この女性がシアラちゃんか。
明るく元気で可愛らしい女性だな。
っと、そんなことより、あいつ!
俺のことを散々「シュン先輩!」「シュン先輩!」と煽っておいて、てめぇも名前で呼ばせてるじゃねぇか!
ちくしょう。
今は愚痴るタイミングじゃないな。
目の前でシアラちゃんがプンプンしているしな。
「すまんな。俺は日よ……いや、ヨージじゃないんだ。
影井……いや、あいつのことだ。恐らく先輩と呼んでいなかったか?」
「え?ヨージ君……じゃない?あっ!センパイさん?
ヨージ君から聞いています!そういえばちょっと声が違うような……?」
「ああ。見た目はほとんど一緒だもんな。仕方がないか。
ホラ。これならヨージと違うだろ?」
そういって、ボサボサの前髪をかき上げ、目や鼻が見えるようにしてあげた。
「えっと……私、ヨージ君の顔、ちゃんと見たことないんです……。」
あいつ!何やってんだ?
想い人に顔すら見せていないとは……。
あ、待てよ?俺もミイネに見せてないな。
ついでに昨日、日吉がミイネに会いに行ったな……。
ってことは、あいつも今の俺と同じことをしてる可能性があるのか!
やべぇ。ミイネに怒られる。っていうか呆れられそうだ。
失態だな。過ぎた事は仕方がないか。
気を取り直して、シアラちゃんに意識を戻す。
「そうなのか?なら来月にでも見せてもらうといいさ。
とりあえず、俺がヨージの先輩である影井だ。慣れているならセンパイさんでもいいや。よろしく。」
「あ、はい!いつもヨージ君とお話してます。シアラです!
こちらこそ。これからよろしくです!」
シアラちゃんの明るく元気な笑顔に、日吉には勿体ないな。と思った。




