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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第4話 俺達の1日

【俺達の1日】


朝は多分早い。

地下室だから相変わらず時間がわからん。なんとなく夜明け前だとは思う。


日吉と2人で起きてストレッチを始める。トイレなんかもこの時済ませておく。


あ、そういえば、俺達の部屋などは無い。

円柱が鎮座する空間が奴隷全員の部屋だ。地下室だから石畳の上にボロボロの布を敷いた場所で雑魚寝だ。しかしトイレは意外にもちゃんとしたのがあった。地下水を組み上げている影響なのか、水洗だった。汚物にまみれなくて本当に良かった。水も飲み放題である。



仕事が始まる30分ぐらい前に朝食が配られる。

カチカチのパンと全ての具材が溶けた何味か分からない冷めきったスープ。昨日の残りか何かかな?


それでも始発電車に乗って、社内でカロリーメイトを齧る朝食よりも心と体に染み渡った。


そして、仕事が始まる。

ただただひたすら棒を押すだけ。


押してる時は、俺も日吉も自分達の服をちぎった布を耳に押し込み耳栓している。円柱からの『ゴゴゴゴッ』て音がうるさ過ぎて耳がイカレかねないと保護している。だから仕事中の会話は無し。前の仕事中も私語厳禁だったしな。2人とも慣れている。


押す速度が遅いと見張りのイカつい監視員から、物理的な愛の鞭や激励が飛んでくる。

ちなみに、速度が速くても飛んできた。これにはびっくりしたな。


だが、トイレに行きたい時は右手を上げれば、鞭もセットになるが行かせてくれるし、喉が乾いた時は左手を上げれば、桶に掬った水を顔にぶちまけてもくれる。


なんとも至れり尽くせりの仕事環境だった。


昼飯は無しだ。

これも前の会社では電話が鳴ったりで食べる余裕は無かったし、何も変わらない。


多分、日が暮れる時間を少し過ぎた辺りまで働いて、作業終了だ。

その後、夕食。朝と同じようなメニューだが、たまにスープの具材が溶けきらず残っていたりする。それに冷めていないのもいい。俺達にご褒美なのだろう。


カップラーメンよりも断然良かった。


むしろ、前の会社ならまだ会議中の可能性が高い。確か、いちおー規定は18時迄の勤務時間だった気がしたが、20時から会議なんて良くあったな。


多少勤務時間は長いが、この仕事には残業が無いんだ。

ビックリだろ?

ゼロだぜ!ZERO!

寧ろ、残業すると怒られるんだ。

更にビックリだろ?どこのホワイト企業だ?


しかも、夕食後は自由時間だ。

やばくね?

奴隷なのに自由時間があるんだぜ?


まぁ明かりも消されて、出入口はがっつり外側から鍵までされるから、あまりやる事も無いんだけどな。


それでも水は使いたい放題だ。

俺と日吉は水浴びして、仕事終わりのストレッチやマッサージを、暗闇の中キャッキャッする。


そして、皆で雑魚寝。

これが俺達の1日だった。

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