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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第37話 不穏Ⅱ

ガイ部長の案内で、食堂と練兵所、双方通る道である程度進んだが、結局日吉と鉢合わせることは無かった。


それならばと、まず練兵所まで最短で突き進む。


何故こんな事になってしまったのか?

焦りが顔に出ていたのだろう。ガイ部長から謝られた。


「すまん。俺のせいだ。

言っただろ。俺は左遷された身だ。そして俺自身が言うのもなんだが、その前まではエリート街道をひた走っていた。

だから、他の奴らにとって俺は、さぞからかい甲斐のある標的なんだ。

俺1人なら、どうとでもなるが……よもや、お前らにまで被害が及ぶとはな。」


「いえ。ガイ部長のせいではありません。

俺達が休日に浮かれてしまってガイ部長を疲れさせたのが悪いんです。

ですが、どうして日吉が?俺達はほとんどあの仕事場から出てませんよ。」


「昨日、練兵所での弱点検証を見られていたんだろう。お前らはどうにかしようと必死だったから気づいていなかったがな。だが、何度も転ぶお前らの姿は周りの者達には滑稽だったんだ。酷く笑われていたぞ。」


ああ。なるほど。

ってことはやっぱり俺達のせいじゃないか。


「すみません。ガイ部長。」


「いや、いい。気にするな。それよりもヒヨシだ。むしろ、ヒヨシに絡んだ奴らが心配だ。

カゲイ。助かった。そろそろ走れそうだ。先に行くぞ?」


貸していた肩からガイ部長は離れ、まだフラ付きながらも先へ走っていった。

なるべくガイ部長から離れないように、足が絡まない程度に早歩きで追いかける。

ここで俺まで誰かに絡まれたら洒落にならん。


しかし、仕事終わりの裸に紐パンのみでは、どうしても目立ってしまう。すれ違う人から奇異の視線を浴びてしまう。これはマズいかもしれない。


ならば!

両手の人差し指だけをピンと伸ばして、両胸の乳首を隠す。


うん。やはり嘘みたいに視線が減った。

目立つなら更に目立てば良い作戦は成功だな。

誰もがこんな変態に関わり合いたくないはずだ。


そんな風に思っていたら、もっと目立つ出来事のお陰で皆の注意が完全に逸れた。


「やめろーー!ハーシャ!剣を引けー!」


遠くから、ガイ部長が声を荒げて叫んでいた。


遅れて練兵所に着くと、間抜けな奴隷はやはり日吉だった。


亀のように縮こまってうずくまる日吉。袋叩きにでもあったのだろうか?

しかし、様子がおかしい。

袋叩きをしているはずの騎士達も、日吉の周りで腕や足を抑え、転げまわっていた。

そして、ただ1人立っている女性騎士が興奮しながら日吉に剣を構えていた。その女性騎士に対してガイ部長は駆け寄り、止めていた。


いまいち状況が理解できない。


女性騎士はガイ部長に任せて、日吉まで歩み寄る。


「日吉!無事だったか?」


「ヒィ!……って、アレ?その声は先輩?」


ひょっこりと顔を出した日吉は辺りを見渡し、俺を発見すると抱き着いてきた。

俺にそんな趣味は無い。

でも、怖かったんだろう。よく分かる。俺も、つい昨日のことだしな。


「もう大丈夫だ。日吉。帰ろうな。」


震えて抱き着く日吉を優しく撫でて落ち着かせてやる。

もう一度言うが、俺にそんな趣味は無い。

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