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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第36話 不穏

2回目の休日が決まった。


ガイ部長にクギを刺され、なんとか普段通りに仕事をこなしたが、溢れ出る嬉しさから、ケツバットの刑は年末の笑ってはいけない級の回数になっていた。


身体中が痛い。

ケツバットとは呼んでいるが、ガイ部長はケツ以外にも打ち込んでくるんだ。


ただ、俺と日吉の2人が受けるのに、お仕置き隊は1人だけ。

どちらかというとガイ部長の方がキツそうだった。


「はぁはぁ。クソッ。騎士団の訓練よりもキツいな。腕がもう上がらん。」


仕事が終わるタイミングでガイ部長はその場に倒れこんでしまっていた。


「ガイ部長。お手数をおかけして申し訳ありませんでした。

更にご迷惑をおかけしますが、俺達の夕食を頂けないでしょうか?」


「チッ。あー、クソが。ソレが残っていたか。ちょっと待ってろ。」


プラスチック製の模造刀を支えに立ち上がろうとするも、腕がプルプル震えて剣すらしっかり握れなさそうだった。


「ガイ部長!1人で無理しちゃダメですよ?

先輩。ガイ部長の介抱をお願いします。

昨日行ったばかりですからね。自分が取りに行ってきます!」


「おぅ。日吉、頼んだ!」


「待て!ヒヨシ!馬鹿。ちょっと待て!」


俺の返事で日吉は頷き、食堂へと向かう。

ガイ部長が必死で止めていたが、生まれたての小鹿状態のガイ部長を想えば止まるはずもなく、一瞥して扉を開け放ち、颯爽と出て行った。


「大丈夫ですよ。ああ見えて日吉は方向音痴じゃありませんから。

この程度のお遣い楽勝ですよ!」


「違う……そうじゃないんだ。カゲイ。

頼む。肩を貸してくれ。ヒヨシに追いつかないと……。」


疲れとは違う、切羽詰まったガイ部長の様子に何か不安な気持ちが湧き上がってくる。そこまで言うならとガイ部長に肩を貸し立ち上がらせ日吉を追いかける。


ガイ部長の足取りが重い為、追いつくどころか、順調に行けばそろそろ夕食を持った日吉の帰りと鉢合わせるかなと思っていた。


しかし、一向に日吉と会う事は無かった。

それどころか、不穏な声の響きと鉢合わせることになった。


「おぃ!どっかの間抜けな奴隷が、騎士様達にケンカを売られたらしいぞ!

会場は練兵所だ。急げ!見世物だぞ。」


俺とガイ部長はその声に顔を向き合わせる。

まさか……日吉か?


「カゲイ。急げ!取り返しのつかなくなる前に!」


「わかりました。でも俺は走れないから、なるべく体を俺に預けて下さい。

その間、ガイ部長は体力回復に努めて下さい。走れるようになったら、後はお願いします。」


「ああ。わかった。」

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