第24話 お料理
大隊長が連れてきた視察メンバーの中に、ガイ部長の後任も含まれていたようで、ガイ部長の休日は先延ばしになった。
代わりの人が逃げ出したらしい。
「お前らのせいだ!
そこは要領良く出来なかったのか?」
「ガイ部長だって!
もっと!もっとだ!とか言って自分達を煽ったじゃないですか?」
「そうだ!そうだ!俺達は悪くない!
いつも通りやっただけですよ!」
「クソッ!確かにその通りだ。
あぁ……俺の休みが……。」
がっつり反論したら、ガイ部長はいじけてしまった。
そんな日々が続いたある日の朝。
ガイ部長がいつも通りの時間になっても来なかった。
「先輩。部長……遅刻ですかね?」
「今まで無遅刻のあの人が?俺は病気になったんじゃないかと思うが?」
「うーん。なんか病気になる雰囲気も無さそうじゃないですか?
1番ありそうなのが嫌気がさしてバックレたとか?」
「ああ。でもそれならもっと初めからバックレてるだろ?」
「ですよねー。
でも、先輩。どうします?」
「……仕事するか。
昔の部長なら、『俺がいないと仕事を進めることすら出来んのか?』と怒鳴り散らされるだろ。今の部長もそんな感じじゃね?」
「うっす!やりますか。」
そうして、日吉と先に仕事をしておくと、かなり遅れて俺達の朝食を持った部長がやっと来た。
仕事は既に始めているので、日吉とアイコンタクトをして相談しながら、交互に朝食を食べることになった。
先に後輩である日吉から。
日吉は、動きが若干硬いガイ部長に駆け寄り、朝食を受け取りいつものスープを1口食べる。
途端に苦しみだす……こともなく、寧ろ逆にすげぇ喜びだした。
お?ご馳走を用意してくれたから、ガイ部長は遅くなったのかな?
でも多分、日も登ってない朝だろ?そんな時間にご馳走なんて用意出来るのだろうか?
遠目で見た感じいつものスープと変わらなさそうに見えるし。
そんな疑問を感じていたら、顔に出ていたようで、日吉は俺の所まで寄ってきた。
そして、俺の耳元まで口を寄せ、大声でこう言った。
「先輩!とても懐かしい味がしますよ!!
これは、アレです。
課長の奥様の『おりょうり』ですよ!!」
棒を押す力が一気抜けた。
止まりそうになったので、慌てて押し返し、普段通りの速度へ戻す。
マジかよ。
てことは、課長達もこっちに来ているのか?
いや、それは無いと思いたい。
ならば、一体どういうことなんだろう?




