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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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◆第22話◆ 申請Ⅲ

「そうか……人は見かけによらないものだな。

あんな奴らが休日か……。

ん?待てよ?ガイ。お前は昨日、休日と外出と言ってなかったか?」


流石、大隊長。目ざとく気づいた。


「ええ。彼らはこの世界の常識をまるで知りません。

ですので、外の空気を肌で感じて欲しいと思いました。」


「馬鹿な?あんな化け物だぞ?

この王都の街に解き放つというのか!!?

それに、常識を知ってしまったら、どうなる?

この境遇を奴らが知り、逃げ出したり、こちらに敵対してくるかもしれんだぞ?

危険じゃないか!」


「大隊長。その認識は少し違います。

大隊長のおっしゃる通り、彼らは既に化け物なのです。

逃げたり、敵対したり……そんなことは今すぐにでも可能で、そしてそれを止める術を誰も持ち合わせておりません。」


「っ!しかし!……いや、そうか!

だから今のうちに恩を売っておくのだな?」


「ええ。その通りです。

たった2人だけで驚異的な労働力を発揮し続けています。それは私達にとっても、彼らにとっても、あの仕事は適任だと思いました。」


「だが、あの力だ。もっと活躍出来る場が……」


「ありますか?大隊長。

彼らに護衛されたいですか?騎士団に組み込んでみたいですか?魔物を倒すよう仕向けたいですか?」


「……なるほどな。強すぎる力は味方をも殺すか。」


「ええ。私も考えました。

ですが、護衛対象を庇った拍子に握り潰し、騎士団を踏み殺し、魔物も森や山と一緒に爆散させる未来しか見えませんでした。

勿論、経験や訓練をすれば、ある程度使い物になるかもしれませんが、それまでに数多の犠牲が出るでしょうね。」


「……自身を、常識を、知れば知るほど、あの場所へ戻ってくるのか。」


「そうです。大隊長。

だからこそ、彼らが自ら出て行くのか?私達で出すのか?その違いはとても重要です。

そして、既に彼らは出たがっています。なるべく早急に検討お願いします。」


「分かった。事が事だからな。更に上に話を持っていく必要があるな。」


「もし必要ならいつでも視察してくださって構いません。見せた方が早いこともあると思います。」


俺の言葉に大隊長は、その通りだと言わんばかりに頷く。

話が一区切りついたので、丁度良いタイミングだ。ここで決める!


「あ!それと、大隊長。私の後任はいつ頃来るでしょうか?」


「は?」


「大隊長の事ですから、昨日すでに人選は終えたのではないかと思っておりまして。

気づくのが遅れて恥ずかしいのですが、彼らの休日以前に、私も休んでいませんでした。

ですので、私も休日を取ろうかと思っております!」


「おまっ!ちょっ、ちょっと待て!」


「大隊長。もし私が働きづめで倒れたら、現状、私の代わりを大隊長がやるのではないでしょうか?

一日中、彼らと一緒です。楽しいとは思いませんか?」


ニヤァと笑いながらそんな事を言ってみる。

記憶から消していた先程の恐怖映像がフラッシュバックでもしたのか、大隊長は身震いした。


「わ、分かった!そっちは直ぐにでも手配しておく!」


よし!大本命の交渉が大成功した!

俺はこっちの才能もあるかもしれんな。

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