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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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◆第20話◆ 呪いの人形

翌朝、カゲイとヒヨシに朝食を渡して、ヒューメル大隊長が本日視察に来ることを伝える。


当然、休日の件についてだ。カゲイもヒヨシも昨日今日話し合ったことであり、すぐに察して喜んでいた。


「カゲイ、ヒヨシ。喜ぶのはまだ早いぞ?

まだ視察段階だ。お前達のことがちゃんと安心出来るかどうかを見に来るんだ。

分かってるな?」


「勿論ですよ!ガイ部長。」


「ああ。任せてください!」


馬鹿共の満面の笑みで絶対に何かやらかすと思った。



……事実、その気持ちは間違いじゃなかった。


ヒューメル大隊長がここに来たのは夕暮れ時だった。

忙しい方だ。この時間になっても仕方がない。寧ろちゃんと昨日の約束を守ってくれたことに感謝すべきだった。


ヒューメル大隊長が出入口の扉を開けて……いや、すぐ閉めた。


さっそく混乱しているのだろう。

大隊長には申し訳ないが、出入口前で立ち尽くし、その表情すらも鮮明に目に浮かんでいた。


意を決したのか、再びヒューメル大隊長が入場する。


やはり変わらぬ普段の光景に大きく口を開け、目は見開き、驚愕の表情をした。

暫くして、やっと思考が復帰したのか、こちらに駆け寄りカゲイ達を指差しながら、怒鳴ってきた。

相変わらずココはうるさくて何を言ってるのか分からない。適当に笑顔で頷いておくと、ラチがあかないと思ったのだろう。カゲイ達の所へ向かっていった。


動き的に、他の奴隷でも探していたのかもしれない。透明人間が押してるとでも思ったのかもしれない。そんな確認は全て徒労に終わっていた。



そして、そんなヒューメル大隊長とは別に、カゲイ達は?というと……。



精一杯の笑顔を顔に貼り付けて、首と視線は周りながらもヒューメル大隊長にひたすら向けていた。

笑顔のままでまったく顔色を変えずに……2人は黙々と棒を押しながらだ。



コレが本当に安全アピールのつもりなんだろうか?

俺にとっては、恐怖しか湧いてこない。

そういえば昔流行った、何処から見てもこちらを向いている呪われた人形を思い起こされる。


本当に人なのか?疑わしいが、魔物と思って切りかかっても傷ひとつ負わせることは出来ないからあまり意味は無い。

本当に人なのか?本当に疑わしい。


当然ながら、そんな馬鹿共の傍にずっと居たヒューメル大隊長は次第に顔が青ざめていき、震えだしてしまった。


こんなところで失神でもされたら、こっちも面倒だし、大隊長の沽券にも関わってくる。

優しく肩を抱きながら、ご退場をお願いした。



こうして、ヒューメル大隊長の視察は大失敗した。

俺としては大成功だった。

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