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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第1話 社畜でGO

夢を見ていた。

とてもくだらなくて、どうしようもない夢だったと思う。


それも仕方がない。


月曜日の始発電車で会社に向かっている。

昨日からの出張でクタクタだ。それもそのはず、休日出勤かつ出張先での泊まり込み作業0泊2日の愉快な仕事だった。そして、そのまま今週が始まってしまった。


くだらない夢の1つや2つ見るのも仕方がないだろ?


俺は、影井俊介(カゲイシュンスケ)。26歳。

普通に大学を出て、今の会社に就職した。入社4年目。何処にでもいる普通のサラリーマンだ。

コンピュータ関係の仕事だから、忙しい時は地獄だ。天国を経験した事は1度も無いから、ずっと地獄だ。寧ろこのまま天国に逝きそうだ。

しかし、似たような職種はどこも一緒らしいし、「ブラックだ!」「社畜だ!」と言われているが、生きる為には仕事は必要。仕事を選べる程、優れた才能も無いからどうしようも無い。


そして、俺の隣には同じ会社の後輩。

日吉陽司(ヒヨシヨウジ)、24歳。

こいつも俺と同じように、日々無難に過ごして、2年目の社会人生活を満喫している。


そんな日吉から起こされた。


「先輩。起きてください。

それに、ココ、何処ですかね?」


「……んぁ?んー……。

俺達が寝ていた電車内でも駅のホームでも無いな。」


日吉に起こされて、辺りを見渡すと、同じ電車内にいた数名の人達。そして、俺達を取り囲むように、ローブを纏った魔法使いや全身甲冑鎧の騎士、更には煌びやかな衣装を纏ったお偉いさん。

え?魔法使い?騎士?

コスプレ会場に来たのか?


意味も分からず腕時計を見ると、もうそろそろ出社予定時間だった。


「ヤバっ!遅刻確定じゃねぇか?

日吉。とりあえず遅延証明書を貰うぞ!」


「え?自分ら始発に乗ったんですよ?

定時迄には全然時間ありませんか?

部長はいつも重役出勤だから大丈夫なんじゃないですか?」


「馬鹿。昨日の連絡時に言ってただろ?

課長は会社に泊まり込みだから、到着予定遅れるとすぐバレるぞ。」


「あ、そうでしたね。

自分は課長に気に入ってもらえるから、もみ消せますけどね。」


「ふーん。なら俺から部長に報告しておこうか?」


「うっす!分かりました!

遅延証明書を貰いに行ってきます!」


二手に別れ行動を開始する。

慌てながら携帯で会社に電話しようとするも圏外で使い物にならない。とにかく周りのコスプレさん達は事情を知ってそうだから話しかけてみた。


しかし、取り付く島も無し。というか、言語がそもそも違い、意味が通じないし、向こうの言葉も何言ってるのか分からなかった。


日吉も同じ経験をしたのか、コスプレさん達に聞くのは諦め、電車内に居た人達に話を聞いていた。そんな日吉から衝撃的な言葉が帰ってきた。


「先輩!どうやら、ココ。ファンタジーらしいですよ!!」


ファンタジー?

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