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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第111話 帰還

2人を変則お姫様抱っこのまま、職場の前に着いた。


途中、すれ違う男共から、羨望や嫉妬の眼差しを向けられたが、この変則お姫様抱っこを代わりに出来るのは日吉かガイ部長ぐらいだろう。王城内に居る男はそれなりに頭が回るようで、自分には無理だと、すぐに気づき視線も霧散した。


まだ昼を少し過ぎたぐらいで、仕事が終わっている事も無い。

シアラちゃんを抱っこしたままで、職場に行くと日吉が暴走して仕事にならないだろう。


シアラちゃんには日吉を呼んでくるから、扉前で隠れて待ってもらう事にした。2人の話し合いの場はガイ部長達の部屋を使わせてもらおう。


考えながら、ミイネだけは抱っこしたまま扉を開けて、職場へと帰還する。


日吉は1人で頑張って仕事をしていた。

ガイ部長が手伝うこともなく、ハーシャ奥様と2人でその仕事振りを見ていた。ガルフはガッツリ寝ていた。


うん。大丈夫そうだな。


俺がミイネを抱っこしつつ、更に早い帰還に3人は驚いていたが、ガイ部長だけはミイネと面識が無いので誰なのか不思議そうな顔をしていた。


その顔をハーシャ奥様が察知して、一言二言、ガイ部長に説明すると納得したのか、普段通りの顔に戻っていた。


日吉は、ニヤニヤしつつも、寂しそうな顔をしていた。

安心しろ。お前の相手も連れてきたんだ。


ガイ部長とハーシャ奥様が俺達に駆け寄ってきた。


「カゲイ。その人がミイネさんだな?何故ここへ連れてきた?」


「ガイ部長。1度見てみたいと言われたので連れてきました。

それよりも、ガイ部長達の部屋をお借り出来ませんか?」


「何故だ?お前!まさか……2人で!?」


「ち、違います!そんな事をしたらミイネを壊してしまう。俺がどんな存在なのかを理解出来ましたから。」


「……そうか。では何故だ?」


仕事中の日吉に聞かれないように声を落として伝える。


「そこの扉前までシアラちゃんも連れてきました。

日吉と仲直りする為にも話し合う場所を借りたいのです。」


「本当ですの?カゲイ、ミイネ?」


ハーシャ奥様は俺だけでは信用出来ないと思ったのかミイネにも聞いた。


「はい。ハーシャ様。シアラも来ています。

ただ2人だけにすると不安がありますので、私も一緒に居ようと思っています。」


「あら?そういう事なら私が付き添うわ。もしもの時、ミイネじゃどうにもならないでしょ?

私達の部下であり、私達の部屋でもありますもの。」


「すみません。ハーシャ奥様。

俺が今から日吉の代わりに仕事しますので、後の事は、宜しくお願いします。

ガイ部長はミイネを頼みます。」


ガイ部長の隣にミイネを降ろし、剥ぎ取った衣類の荷物もその場へ置いた。ハーシャ奥様はシアラちゃんと合流し、部屋を貸せるように準備する為、職場を出て行った。


俺は日吉と代わる為に服を脱ぎさり、いつものTバック1枚のみで日吉に合流する。


「先輩。ミイネさんとの話は良かったのですか?

見学といっても、自分が仕事してれば大体分かりますよね?わざわざ仕事する必要は無いと思いますが?」


「そうだな。日吉と一緒に仕事する為に戻っては来ないさ。

なら、なんだと思う?」


「うん?先輩。どういう事ですか??」


「素晴らしい先輩である俺からのサプライズだ!

職場の扉前でお前を待っている人が居る。仕事を代わるから、お前は行ってこい!」


「え!?それって……。」


「だけど、傷つけるなよ?いや、お前達はお互いにもう傷付いたんだ。これ以上、傷つけるなよ!

優しくするんだ。よし!行ってこい!」


「うっす!先輩!ありがとうございます!

自分、先輩の後輩で良かったと今までで1番思います!」


「バカ後輩が!いつもだろ?常に思っておけ!」


「うっす!では、仕事はお願いします。

自分はシアラちゃんと話してきます!」


「ああ。頑張れ!」


仕事を引き継ぎ、こうなる前の日吉本来の笑顔を見送り、俺は棒を押す。


後は2人の話し合い次第だが、あの感じなら上手く行く気しかしない。その後の未来を想像しながら、可愛い後輩の役に立ててホッと一息、心のわだかまりが1つ無くなった気がした。

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