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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第101話 美女と野獣Ⅱ

「ミイネ。ありがとう。こんな俺で本当に良いのか?」


「フフッ。一体何を言っているのかしら?」


「ちょっ!?ミイネ!!」


「フフッ。一度シュンを振り回してみたかったのよ。いつものお返しよ。」


「悪かったよ。ごめん。」


両手を上げて降参する仕草をすると、ミイネは満足そうに満面の笑みをしていた。

その後、すぐに思慮深い顔をする。

ただでさえ魅力的な顔立ちなのに、相変わらず表情がコロコロと変わって、そのどれもがドキッと心を奪われる。

見惚れていると、ミイネから無茶な提案をされた。


「でもそうね。シアラさんが心配だわ。私が行くしか無さそうね。

シュン達と付き合いが深い者同士でお話が必要ね。

ねぇ。シュン。シアラさんの食堂まで私を連れて行ってくれないかしら?」


「ミイネ!?いや、食堂まで結構な距離はあるぞ?歩けるのか?」


「ディアナから少しだけ聞いたわ。シュンが私の移動の為に何か努力しているそうね。それじゃダメかしら?」


「良いのか!?」


「こういう時の為に頑張っていたのではないの?」


その通りなのだが、本当に良いのだろうか?

俺が思いつき、変則とは言え、お姫様抱っこには変わりない。

多分、いや、かなり恥ずかしい思いをする事になる。

説明すると、案の定ミイネは顔を赤らめていた。


「流石にそのままだと、ちょっと恥ずかしいわね。フードを被れる服に着替えてくるから、ちょっと待ってて。」


ミイネは恥ずかしがった割には、行かないということもなく、行く気満々だった。

俺にはご褒美でしかない。ウッキウキで待っていたら、暫くしてフードを深々と被ったミイネが戻ってきた。


「じゃあ、シュン。お願い。」


「ああ。俺の腕に座ったら体ごと胸の方に寄りかかると安定しやすいはずだ。」


少し屈んで座りやすいようにすると、ミイネは俺の指示通りにしてくれた。そのまま立ち上がり、ミイネの顔を見ると大丈夫そうだったので、念願の変則お姫様抱っこをして、シアラちゃんの食堂へと向かう。


ミイネは痩せている為か、ガルフとあまり変わらなかった。これなら半日ぐらいは余裕だと思った。

ただ安定感はまだ完璧じゃないので、気を付けながら歩いた……はずなのに、ミイネからクレームがきた。


「シュン。貴方、一体どれ程努力したのよ?」


「むぅ。すまん。こんなに早く出来るとは思ってもみなくて、まだ完璧じゃないんだ。」


「いいえ。あまりにも揺れないから逆に気持ちが悪いわ。」


「そうなのか!?でも揺れたら揺れたでずっと座ってられないだろ?」


「そうね。慣れるしか無さそうね。」


「すまん。」


「違うわ。シュン。私の為に、本当にありがとう。」


深々と被ったフードで口元しか見えなかったが、ミイネは笑って感謝までしてくれて、俺の胸に頭を寄りかかってきた。


シアラちゃんの食堂へ向かわないといけないのだが、俺はこの時間がずっと続けばいいと不謹慎な事を思っていた。

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