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異世界に行っても、社畜。  作者: 小雅 たかみ
1工程目
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第100話 美女と野獣

翌日、俺の休日にはせず、俺と日吉の2人で仕事をした。


日吉自身は大丈夫と豪語していたが、あまり信用できなかった。

立ち直ったとはいえ、まだまだ精神的にダメージは負ったままだ。

それに3日間だけだが、今まで3日間も俺達は休んだ事が無いのもあった。

俺が休日で外出して、やっぱり日吉1人じゃ無理でした……とはならないように保険的な意味合いで2人で仕事をした。


それも杞憂だったかもしれない。

この出来事が起こる前のいつもの光景がココにあった。


今まで日吉に付きっきりだったガルフも、魔物とは思えない程にだらけきって寝ていた。


これなら大丈夫そうだと、ガイ部長からお墨付きを貰って、次の日。



4日遅れになったが、俺の休日がもらえた。


まず向かうのはシアラちゃんの食堂だ。

彼女が復活しているなら、話がしてみたかった。

しかし、食堂に着いてもシアラちゃんの姿は見えなかった。


シアラちゃんの両親に挨拶すると、まだシアラちゃんは以前の日吉みたいに引き篭ったままで、復活していなかった。

ガイ部長が事前に事情説明してくれたお陰もあり、俺は両親から暖かく迎えられた。


「娘の気持ちは分かりませんが、私達はヨージ君との仲を今でも応援しています。

勿論、ヨージ君の手伝いがあって、あわよくば娘がちゃんとした料理を作れるようになるのでは?と打算的な意味合いも含んでいますがね。ハハハッ。」


「そうですね。俺も一緒に応援しますよ。

ヨージが休みの時に、迷惑でなければまた来させるように伝えておきますね。」


「頼みます。センパイさん。」


シアラちゃんの両親と約束し、見送られ、食堂を後にした。



本来の予定では、これからミイネに会いに行く。

でも、行って良いのだろうか?本気で迷った。


日吉のように経験してないから実感は今でもないが、俺は化け物だとは理解した。

ミイネは体が弱い。だから、他の人よりも簡単に壊れてしまうのではないか?

俺のような危険人物が近くに居ない方が良いのではないか?

でも、だからこそ、無性に会いたくなる。

迷った末、最後の挨拶ぐらいはしてからにしようとミイネの店へ向かった。


店に着いた時、ミイネは1人でカウンターの椅子に座っていた。


「あら。シュン。今回は遅かったじゃない。」


「ミイネ。遅れてすまない。更にごめん。

俺達はもう会わない方が良いのかもしれない。だから今日が最後のつもりで来た。」


「急にどうしたのよ?

勝手に来て、勝手に気持ちを押し付けて、今度は勝手に消えていくの?

シュン。もう少しちゃんと話してくれないと私には分からないわ?」


会って笑顔を向けてきたミイネは俺の返事で眉間に皺を寄せ、不機嫌になってしまった。

それも仕方が無い。


本当は黙って消えた方が良いのかもしれない。

こうして挨拶だけ言って何も説明せずに去った方が良いのかもしれない。

しかし、結局は彼女を悲しませたくなかった。いや、悲しむかどうかは俺には分からないから、本当の所は彼女に嫌われたくなかった。


だから、渋々事情を説明した。


俺達は化け物だ。

日吉とシアラちゃんの事件がきっかけで俺達は真実を知った。

だから恐れるんだ。俺達が俺達の力で大切な人を傷つけてしまわないかと。


ミイネは真剣に聞いてくれたが、最後に笑った。


「フフッ。馬鹿ね。知っていたわよ。

前にハーシャ様が来たと言ったわよね?その時に教えてもらっていたわ。」


「だったら!ミイネ。分かるだろ?俺は君を傷つけたくないんだ!

体が弱い君なら、他の人よりもっと危険なんだぞ?」


「シュン。貴方は分かっていないわ。

私は体が弱い。私にとっては誰もが危険なのよ。別にシュンに限ったことじゃないわ?」


「いや……しかし!」


「ねぇ。シュン。聞いて?

今日でまだ4回目ね。本当にいつもシュンに振り回されっぱなしだったわ。

最初は迷惑だったわね。でも2回目は面白くて久しぶりに笑ってしまったわ。3回目はディアナと鉢合わせちゃって疲れたけれど、本当に楽しかったのよ。

月に1度だけの変な奴隷のお客さん。そんなシュンをこうして待っているのも良いものねと先程まで思っていたのよ?」


「……ミイネ。」


「あら?以前のシュンなら、ここぞとばかりに『恋の予感』と言わないの?

フフッ。恋の予感かもしれないわよ?逆にシュンの恋の予感はその程度だったの?」


「違う!俺は君を一目見た時から、ずっと!……だけど!」


「なら、遠慮なんて良いじゃない。シュンは今まで全然してなかったもの。

もしかして気を使ってたの?私はもう貴方に対して使ってないわよ?

それじゃ本当にお互いが馬鹿みたいじゃない。

だから、良いのよ。私は大丈夫。これからも毎月待ってるわ。」

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