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タイムマシンに愛を乗せて  作者: をかめ だいきち
家族とタイムマシン
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私が生み出される500年くらい前から人類は家族をもたなくなった。




 温暖化や人口爆発による食糧難に陥った地球で人類が生存できないことが危惧されたためだ。



 この問題を解決すべく人口増加を抑えるよう『国際人口増加抑制条約』が国際的に締結され、各国政府は優秀な遺伝子のみをかけ合わせて優秀な人間だけを“製造”した。


 さらには遺伝子操作で食欲は世界共通の値にし、性欲や恋愛感情に至っては根こそぎ取り除いた。


 結果として現在生活している全人類は家族をもたず、各国政府が管理している状態になっている。


 私の住む日本ではアルファベットを含んだ数字で管理されている。

 そして10才までは国が定めた施設で育てられ、10才以降は一人ひとりに住まいが与えられて13年間の義務教育を受けながら一人で生活するよう憲法で定められている。






「過去用タイムマシン完成!?」


「しーっ!声が大きいです...」


「あ、ごめん、感情が高ぶっちゃって」




 私は管理番号I(アイ)1210、国家総合研究所に勤めている。

 この国家総合研究所には動植物、医学、機械、音楽、海外など実に様々な研究部署が存在している。義務教育後、国によって優秀な者が選抜され、難関試験・適正検査に合格しなければ入所が許されない。




 つまり私は一応エリートといわれる人間なのだ。




 「で?いつ公式発表なの?」



 注意されたので小声で質問を続けるが、どうやら私の興奮が冷めないらしく声が大きいらしい。

 再度人差し指を口に当てる、あの定番のポーズをしながら彼女は仏頂面でささやいた。



 「まだ仮決定のようですが早くても1年後に公式発表・一般運用開始みたいです。」


 「へぇーありがとね、期待の新人天才ちゃん!」


 「もぉ~・・・その呼び方やめてくださいよ~」




 彼女は医学研究部に所属する15才。

 入所試験では歴代最高得点を叩き出し研究所内どころか日本中で一番の有名人になった。


 つまり真のエリートなのである。


 そんな彼女とひょんなことで仲良くなった私との話はまた別の話。




 「というか、何で『歴史研究部』なのに過去用タイムマシンの情報が挙がってないんですか?タイムマシンがあれば所内で一番研究が捗る部署なのに...」




そう、私が所属している部署は歴史研究部。日本に限らず世界の歴史も研究しているのだが最近は政府の方針で日本史の真実追及、未解決事件の解明などに注力している。




「あー...そういう情報流してくれないのは私のせい」



いつものようにヘラっとして笑うと彼女の顔はますます「?」という顔つきになった



「え?それってどういう…?」


「あ、もう仕事に戻らないと。ほんとありがとう助かったよ。」




天才ちゃんの頭を雑に撫でると私は自身の研究室へ走った。


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