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やっぱり増えないよ? もしかして通信障害?

 毎日掲載を目標にしていますが、私の力では最終確認が完ぺきではありません。ですので、誤字脱字や文法がおかしかったり、焦ったように話が飛ぶ場合があります。言い訳にしか過ぎませんが、ご了承願います。

 二人に相談してから二日が経った。

 ヒーの言う通り、日にちを置くたびに閲覧者数は増え、現在では三十件を超えていた。しかし、色々と調べていくうち、アクセス解析のPVとユニークの違いが分かると肩を落とした。

 PVアクセスは閲覧した回数で、十分おきにカウントされ、同じ人が何度閲覧しても増えるらしい。それに対してユニークアクセスは、閲覧してくれた人数で、同じ人が何度閲覧しても、一カウントにしかならない。つまり、いくらPVアクセス数が増えてもユニークアクセスが上がらなければ、その作品はただ同じ人が何度も見ているだけに過ぎない。これでは俺の目指す、沢山の人からアドバイスを貰う、という目的が果たせないわけだ。

 ちなみに、現在の俺の作品のユニークアクセス数は十。どんだけ気に入ってくれたのかは分からないが、同じ人が最低三回は読んでくれている。さらにもう一つ気になったのが、これはあくまで過程の話だが、俺が自分の作品を閲覧している数までカウントされている気がする。俺はすでに十回以上は自分で見ている。この仮説が正しければ、この三十というPVアクセスの大半は、俺が稼いだことになる。これはあくまで仮説だが……違うよね!?

 そんな馬鹿な話は無いはずだ。それだと、PVアクセスを自分で増やし、いくらでも人気作品に見せる事が出来る。そんなはずはない! だってそれだと、俺が一番の自分のファンになってしまう! それに、ユニークアクセス数、十とあるうち、俺、リリア、ヒー、の三人を除けば、正規のアクセス人数はたった七人。いや、七人も読んでくれたと喜ぶべきだろうが、よくよく考えると、間違えてアクセスしてもカウントされるから……下手をすれば、間違えましたで素通りした人間の数だけかもしれない。そうなると……やっぱりウンコのせい? と思いたくなる。

 ここはやはりリリア達を頼るしかない! そう思っていた俺に、嬉しい出来事が起きた。それは、待ちに待った感想が来た事だ! 

 リリア達に相談した晩、これとは別に初めて投稿が来た。その時は今回以上に喜んだ。しかし、送り主の名前に ”リリア“ を見つけて「お、お前かよ!」と叫んでしまうほどショックを受けた。だが今回は違う。正真正銘、本物の投稿者だ!

 自分のページに入った瞬間、感想が来ていますという文字を見つけ、心の中の風船が膨らむような感覚を覚えた。もしかしたらとんでもなく嫌な事が書かれているかもしれない。それでも見ない選択肢はない。

 そんな思いを抱え、恐る恐る感想を見ると、俺の不安はあっという間に吹き飛んだ。

 そこには、まさかの誉め言葉が書いてあった。そして、投稿時のジャンル選択の重要性、閲覧者数を増やし、感想を貰うためのアドバイス、注意事項など、こんなウンコの話を書いた俺に対して、親切丁寧な助言が書かれていた。

 こんなに嬉しいことは無い。俺は早速感謝の返信をして、アドバイス通りジャンルをエッセイからギャグに変えた。

 その感想を貰った次の日には、まるでその投稿者が幸運でも運んできたかのように閲覧者数が増え、ユニークアクセス数は十九人になった。


 このまま一気に閲覧者が増える! 


 閲覧者数も増え、創作意欲も一気に上がった俺は、前以上に無駄になろうにログインするようになり、次作そっちのけでアクセス解析ばかり見る様になった。だが、その追い風は長くは続かず、次の日の夜には、PVアクセスが突然一になった。

 何かがおかしい。PVアクセスが無いという事は、誰も俺の作品を見ていないという事だ。もしかしたら通信障害? 

 この事態に、再び俺はリリア達の元を訪れた。

 

 仕事が終わり、夕食と風呂を済ませた後、リリア達に連絡し、お菓子片手にリリアの家を訪れた。

「……というわけ。ヒーの言う通り、徐々に読んでくれる人の数は増えたのに、何でいきなり誰も読まなくなったの?」

 リリア達に訊いても、分かるはずは無いのは分かっているが、それでも、もしかしたらという思いがあった。本心を言えば、ただの愚痴だが……

「え? そんなの、面白くないからに決まってるじゃないですか?」

 そんな事、認めたくないけど、自分でも分かっている。しかしリリアに言われると、余計に傷つく。

「確かに、それはあるかもしれません」

 あぁ、やっぱりそうなんだ。ヒーが言うと、もう確定的だ。

「いや、それは確かに認めるけど、でも、誰もアクセスしないっていうのはおかしくね? 昨日までは普通に増えてたのに、何で急にこうなるの? やっぱり下品だから削除されたのかな?」

 本当は苦虫を噛んだような心境だが、男として平然を取り繕った。

「警告のようなものは来ましたか?」

「いや……それとも俺が気付かなかっただけかな?」

「それは無いと思いますよ? 重要な知らせは、素人でも分かる様に来るはずなので、リーパーが見逃すほどなら、来ていないと思いますよ?」

 ヒーほど品行方正なら、警告を受けた経験はないだろう。それでもヒーの言う事には説得力があった。

「ああそうか。そうだよな。警告だもんな?」

「そうですよ。もし警告が来たのなら、スマホの画面一杯にドクロのマークが出ますよ」

「そうなの!? 警告こぇ~」

 流石リリア。警告を受けた経験があるようだ。

「それはウィスルですよ。そこまで悪質な警告があるのなら、誰もそのサイトは利用しませんよ」

 リリアには本当にビックリしちゃう。平然と嘘をつきやがった。ヒーがいなかったら、俺は今すぐにでもなろうをやめて、スマホの契約を解除してしまうところだった。

 チラッと見たリリアと目が合うと、リリアはひょっとこのように唇を尖らせ、あっちへ向けた。クソ餓鬼め!

「じゃあ、何でいきなり誰も読まなくなったと思う?」

 俺の質問に、ヒーは目線を上げ、少し考え口を開いた。

「おそらく、新たに投稿されてくる作品に、リーパーの作品が埋もれてしまっているのかもしれません」

「どういう事?」

「毎日沢山の作品が投稿されれば、当然先にあった作品は下へ下へと押しやられます。そうなると、相当なユーザーでなければ、わざわざそこまで検索せず、上にある新着の物から読むはずです。分かりますよね?」

「あぁ、よく分かった……」

 なるほど。確かに俺も、すぐそこにある物から調べる。そして下へ行くほど面倒臭くなり、途中で止めてしまう。ヒーは本当に良く気が付く。

「じゃあ、どうすればいいと思う?」

「またですか!? 人にばかり聞かないで、たまには自分で考えてみればいいじゃないですか?」

 くそったれ! 自分で考えて駄目だから相談に来ているのに、どうしてリリアはこうも俺に厳しいのだろう。

「リリア。リーパーはこうしてお菓子を持って来てくれてるんですよ。もう少しくらい手助けしてあげても、罰は当たりませんよ?」

 ヒーは本当に良い子。リリアには、半分ヒーかバファリンを混ぜた方がいい。

「仕方ないですね。では、私が教えて差し上げましょう」

 オ、オメーかよ! 空気を読めよ! とは、教えを乞う方としては言えない。

「あ、うん。お、お願い……」

「いいでしょう」

 くそ! 憎たらしいけど、俺が頼むと言うと、嬉しそうに鼻息を荒げる。純粋って怖い。

「埋もれてしまうのなら、更新すればいいんですよ」

「更新?」

「そうです。編集で一文字変えて、それで上書きすれば、多分上の方に行きますよ」

 え? この子何言ってんの? 

「もしくは……」

 もしくは? 

「今あるやつを一回削除して、また新しく書き直して新着として載せれば、あら不思議。古いやつなのに新着になってしまう。魔法のようでしょう」

 魔法のよう? え? それってありなの? ケツ拭いた紙を一回洗えば、また使えるの?

 リリアの自信満々の態度に、一瞬そんな裏技があるのかと感心してしまった自分がいたが、ヒーの声に、魔境の一歩手前で踏みとどまることが出来た。

「リリア。それは恐らく外法です。リーパー、今のは真似してはいけませんよ」

 外法なの? リリアは俺に、外の道を教えようとしてたの? この子マジでヤバいんですけど。 

「リーパー。一度埋もれてしまった作品は、何かの切っ掛けで人気が出るとか、懸命に宣伝して強引に人気を浮上させる以外方法はありませんよ」

「そうなの?」

「はい。埋もれてしまう、という事は、その作品に魅力がないのか、タイトルを読んだ時点で、読むに値しないと思われている可能性があります。その他にも、間違ったジャンルで投稿しているという可能性もあります」

 そういえば、俺に感想をくれた人も、ジャンル選択は重要だと教えてくれていた。俺自身はそれほどだとは思ってはいなかったが、やはりそこは気を付けなければならないようだ。

「例えば、洗濯機だと思って買った電化製品が乾燥機だったら、リーパーはどう思います?」

「どうって……そりゃ、腹立つな」

「そうでしょう。小説のジャンルもそれと同じです。無料だからとか、趣味だからと言ってしまえばそこまでかもしれません。ですが、それを読んだ読者にしてみれば、貴重な時間を無駄に浪費したという事実には変わりありません。ですから、ほとんどの人はあらすじを読み、そこで読むか読まないかを選択するはずなので、違うジャンルにしているという可能性はありませんか?」

「あぁ、大丈夫。そこは直した」

 感想をくれた人ありがとう。もしエッセイのままにしていれば、俺は赤っ恥をかいていた。特にリリアの前で。

「そうですか。では、作品自体に問題がなければ、やはり宣伝が足りないのかもしれません」

「ちょっと待ってください! ウンコですよ! 作品に問題アリじゃないですか!」

「いや、もうそこはいいだろ! もうあれは無かった事でいいよ! 新しいの書くから、その為のアドバイスくれよ!」

 もう本当に勘弁してもらいたい。あんな話載せなければよかった。もうあれはトイレに流そう。ウンコだけに。

「え~! だってあれ面白いじゃないですか。あの続き書いてくださいよ」

「オメーはどっちなんだよ!」

 リリアが意外と気に入ってくれていたことは、正直嬉しい。だが、今は次だ! リリアなどに構っていられん! 

「そうですか。では、次は連載などどうですか?」

「連載?」

「はい。連載なら、次の話を載せるたびに新着として更新されるはずです。これなら連載を続ける限り埋もれることは無いはずです」

「なるほど」

 ヒーは本当に賢い。これだけ次々戦略が出てくるのなら、ヒーがやればあっという間に有名になりそうだ。あれ? 俺いらなくね?

「でも、連載書けって言われても、そんなにすぐ思いつかねぇよ?」

「だったら、私たちも一緒に考えますよ! ねぇヒー? 一緒にやりましょうよ!」

 俺は余計な事を言った。こんな事を言えば、当然リリアは食いつく。失策だ!

「え、いや……だって、小説って難しいよ?」

「大丈夫ですよ! 三人そろえば文殊の何とかって言うでしょう?」

「三人寄れば文殊の知恵です」

「そう、それですよ! ねぇ~やりましょうよ~」

 リリアのおねだりが出た以上、これを断ればヒーの助言がもらえなくなる。そうなるとかなり苦しい。

「わ、分かったよ。じゃあ、どんな話にするか、考えようぜ?」

 飽きっぽいリリアならすぐに諦めると思い、渋々承諾した。

「では、先ずは主人公を決めましょう!」

 こうして俺は連載を目指し、リリアという爆弾を抱えたまま共同作品を作る羽目になってしまった。

 

      

  

 

 

 

 自分で書いておいてなんですが、リリア達が羨ましいです。正直こっちは、仕事終わってから書いて、すぐ確認して掲載しているんだから、代わりにリリア達が書いておいてよ! と思います。そんな愚痴を彼女たちに言ったら、「え? じゃあ辞めればいいじゃないですか? 私は別に構いませんよ? 怒られるのは貴方だし」とリリアに言われました。リリアは私にも厳しいです。しかしヒーは「疲れたときは無理せず、自分のペースでやるのが一番です。不完全なものを人様に見せるというのは、侮辱ですよ。ですから、焦らず正確さを求めましょう」と本当に良い子です。それに比べてリーパーは、自分の部屋で好き勝手やっています。リリアがリーパーに厳しく当たるのは、当然かもしれません。

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