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第九章-体の傷、心の傷

前書き異世界トーク

タナオウ「俺様覚醒したみたいだぜ!」


ヒカル「何で他人事なんだよ」


タナオウ「ウェノンも元に戻って一安心だったな!」


ヒカル「完全にとはいかないと思うけどな…」


タナオウ「第九章!」


ヒカル「体の傷、心の傷」


ヒカル「はぁ…会話したいな」

一連の騒動も終わりやっと落ち着いて休める、タナオウ達は各々割り当てられた部屋で休む、するとタナオウがノックも無しにヒカルの部屋へ入って来た!

バンッ!

「おいヒカル!俺様言いたい事があるぜ!」

ノックしないだけでも失礼なのにタナオウは大声でそう言った

「この馬鹿!静かにしろっ!それとノック位しろよ」

何度言ってもいうことを聞かない…いつもいつも決まりや約束を【()(カイ)】してばかりである

「どうして俺様を置いてったんだよ!トイレから帰って来たら誰も居ないし寂しかったぜ!」

「はぁっ!?………」

その言葉を聞いた瞬間背筋が凍りつき【(ユウ)()】した…

「まっ…まて、もう一度確認するがタナオウ…お前はずっと村に居たんだな?」

タナオウがずっと村に居たのだとしたら…あのついて来ていたタナオウは一体…

「そうだぜ、俺様置いていかれたからずっと保育園を眺めてたぜ!」

うん、後ろの情報は要らない

「…あいつ〔偽?タナオウ〕は味方なのか?それとも…」

タナオウにはもう休むように言って、ヒカルは村を出る前の状況を思い出す

「………」

心配なのです…どちらがとは言いませんが

「………っ!?」

ふと近くで聞こえた謎の声を思い出す、愛らしい少女の声だった

「いや…そんな馬鹿な事があるはずが…」

ここは異世界、何度も言うが元の世界の常識は通じない

「明日、皆に話すべきだな」

そう言ってヒカルは眠りについた

ーーーーーーーーーーーーーーー

【ロゼットの部屋】

「すみません…私の部屋まで取って頂いて」

この部屋に居るのは、ロゼット・リアン・ウェノンの三人

「当たり前だよ…僕のせいで…本当にごめん…」

ウェノンは涙を流しながらずっと謝っている

「ウェノンさん…今回はワイもウェノンさんが悪いと思うで…今ならリゼルもこんな事望んでへんかったって分かるやろ?」

無言で頷くウェノン、するとロゼットが

「ウェノン君、確かにあなたは道を間違えたわ…でも、まだ戻れるはずよ…リゼルの憧れたあなたなら」

今のウェノンの目には確かな覚悟が映っている、以前の【(エン)()】は微塵(みじん)も感じられない

ーーーーーーーーーーーー

翌朝ヒカルは昨日の偽物のタナオウの事を皆に話す、するとリアンがプルプルと震え出す

「あんの…やろぉ!そう言う事かいオオッ!!」

何故かリアンが【(フン)()】する…

「おかしいと思ったんや!いつも以上にワイをおちょくってくるし、殴りかかっても軽く避けられるし」

どうやら見てない所で散々やられていたらしい…

「わざとワイをキレさせようとしとるようにも見えたで!」

リアンがそう言うとふと反乱軍の拠点で聞いた女性の声を思い出す…

「………惜しいな、もう少しで狂気の力を得られたと言うのに…」

「狂気…怨嗟…憤怒…好ましくない気持ち…衝動…行動…」

ヒカルがぶつぶつと独り言を呟いていると親衛隊長がやって来た

「イパラカディゾイ様、リルミス王国との同盟の件なのですが…」

恐らく反乱軍の件も国王の耳に入っているだろう…

何をするか分からないウェノンと同盟を組むとは思えない

「分かってる…ダメだったんだよね」

自分のせいで全てダメになった…

苦虫を噛んだような顔でウェノンはそう言ったが親衛隊長は

「いえ…それが、同盟を組むことは出来ないがイパラカディゾイ様を含め我々をリルミス王国の新しい部隊として迎え入れたいと仰られまして…」

どうやら同盟を組む事は出来ない、だが戦力としては欲しいと言う事のようだ、親衛隊長は続けてこう話す

「イパラカディゾイ様にはリルミス王国六騎将の一枠に就いて頂きたいとの事です」

【リルミス王国六騎将】

リルミス王国が誇る六人の精鋭に贈られる勲章である

【ショウマ】【ナナナ】【マツリ】【アタランテ】【シナノ】【グレゴル】

の六人が現六騎将、しかし1ヶ月程前にグレゴルが謎の死を迎え現在まで枠が空いていた

「僕を精鋭に…か………最初は耳としっぽが生えただけだと思ってたんだけど、どんどん人間離れしていくなぁ…」

国王はウェノンのその戦闘力に尊敬と畏怖を込めて六騎将の枠に入れたいという事らしい

「イパラカディゾイ様…どうなさいますか?どちらであろうと我々はイパラカディゾイ様についていきます!」

親衛隊長はウェノンに問う

「これからはイパラカディゾイじゃない、君達もウェノンと呼んで欲しい、僕はリルミス王国に行く!」

ウェノンはリルミス王国六騎将として国を町を村を守ると決めた

「ウェノンさん!ウェノンさんが行くならワイも行くで!」

リアンはウェノンについていくと言うが、ウェノンはそれを制止した

「いや、リアンはタナオウ達を頼むよ、僕は大丈夫だから二人を助けてあげて」

そう言うとウェノンと親衛隊長は塔へと戻り支度を始めた

「俺様達も頑張らないとな!」

一番頑張っていないやつが何か言っている

「とりあえず私達は色々な所を周り元の世界に戻る為の情報を集めるべきだな」

「せやな!」

タナオウ達は元の世界に戻る為の情報を、ウェノンと親衛隊は国の平和を守る為にリルミス王国へそれぞれ歩みを進める、その先にあるのは希望か絶望か


第十章-動き出す影の毒牙


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