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第八章-者失う者と者失い得る者

前書き異世界トーク

リアン「えらいこっちゃで囲まれとるやんけ」


ヒカル「一体これからどうなるんだ…」


リアン「とにかくここをしのがなどうにもならんで」


ヒカル「分かってる、何か策がある筈だ!」


リアン「第八章!」


ヒカル「者失う者と者失い得る者!」


反乱軍の拠点付近まで来たタナオウ達、しかし魔物の群れに囲まれてしまった!

何か打開出来る策はあるのか!?

するとタナオウが一歩前に出た

「俺様の最強技を出す時が来たようだな!」

タナオウは剣を二本構える、いつの間にもう一本買っていたのだろうか?

「おい馬鹿!今はふざけてる場合じゃないって言っただろ!!」

タナオウが一人だけ離れた為か魔物達はタナオウに狙いを定めたようだ…

「おい!戻れタナオウ!!」

「グルルルル…ガァア!!」

魔物が一斉にタナオウに襲いかかる!

「いくぜ!俺様の必殺技!!」

タナオウが持っている剣の刀身が燃え始める

業火剣乱(ごうかけんらん)!!」

炎を纏った双剣で魔物達を一閃した!

吹き飛ばされた魔物達は一ヶ所に纏められて落下する、そこに

落焔(らくえん)!」

タナオウがそう言うと魔物達の頭上に巨大な火の玉が落ちる

「グギャアァァァァァ!!………」

あれだけいた魔物が跡形もなく消えた…

「俺様!覚醒した!!キュピーン!!!」

ヒカル達は目の前で起こった事が理解出来ず呆然と立ち尽くす

「おい…タナオウ?お前何を…」

いままでのタナオウでは考えられない動きに困惑しつつヒカルが問う

「なんかキュピーンってなって力がブワーーーって出てシュオーーーンてした!」

全く分からないがヒカルが今までの出来事から推測する

「あくまで可能性だがRPGで言うレベルアップしてスキルを覚えた…という事か?」

ここは異世界…何が起こるか分からない、ヒカル自身も魔法が使えるようになっている為あり得ない話では無い

「多分そうだと思うぜ!こうキュピー〔以下略〕」

そうこう話してる間に反乱軍の拠点に着いたようだ

「着いたずら、ここが恐らく反乱軍の拠点ずら」

しかし、反乱軍の拠点からは物音一つしない…

「やけに静かだな…」

ヒカルがぼそりと呟き拠点に入った

「うー…流石にこれはキツいずらー……」

(オビタダ)しい程の死体の山…道中とは比べ物にならない

「ワイは平気やけど…タナオウとヒカルそれにモケミは大丈夫か?」

皆を気遣いリアンがそう言うと

「俺様は我慢出来るぜ!」

「正直参ってるが…そうも言ってられないだろ」

「おらも戦士ずら!なんてこと…ないずら!」

一歩ずつ一歩ずつ進んで行くと入り口からは聞こえなかった小さな音が聞こえてきた

「待て!…何か聞こえるぞ」

全員が耳を澄ませると…

ミチッ…ミチッ…ミチッ…グシャ…

「…何かを潰してる音…か?」

音のする方に恐る恐る近づくとそこには…

「アヤマレ…アヤマレ…リゼルニ…アヤマレ…」

もう死んでいる反乱兵を延々と殴り潰しているウェノンの姿があった…

「あっ…あああ…嘘ずら…こんなの…」

変わり果てたウェノンを見て泣き崩れるモケミ

「ウェノン…もうやめるんだ!もう…そいつは…」

こんな友をもう見たくない、一刻も早く止めるべくヒカルはそう言った…が

「…何で?コイツらまだリゼルに謝ってないよ?」

死んでしまっては謝ることは出来ない…

「ウェノン!そんな事をしてリゼルが喜ぶと思ってるのか!?」

「うん」

「…っ!?」

ウェノンはヒカルの問いかけに即答した

「だってリゼルは強いやつが好きなんだ、だから僕は仇を討ったんだリゼルの為に…リゼルのお兄ちゃんは強いんだって分からせる為に」

全てはリゼルの為、そう言ってウェノンは間違った道に進んでしまった…

「…ウェノン、これ…見てみろよ」

ヒカルはリゼルの形見である折れた木の剣を渡す

「目指せ強くて優しい騎士…なりたかったよね…リゼル…」

ウェノンは受け取った折れた木の剣に穴を空け針金を通し直した

「…リゼルも…反乱兵を倒したかったよね…」

そう言うとウェノンは直した木の剣で反乱兵の死体を突き刺そうとする

「ダメーーー!!!」

グサッ…

「うっ…あっ…」

反乱兵の死体を庇うように間に入ったのはリゼルの姉のロゼットだった…

「何で!何で邪魔するの!リゼルの仇なんだよ!?」

剣はロゼットの腹部を貫いていた…ロゼットは力なく口を動かす

「ウェノン…君、これ以上…リゼルの憧れの人を…汚さないで………」

リアンが急いで止血し手当てをする

「リゼルは…今のあなたを見たら悲しむわ…今のあなた…鬼の様よ………」

「あかん!安静にしとかんとあんたまで死んでまうで!!」

「ウェノン君…お願いだから、リゼルの憧れの優しくて強い…あなたに…戻…って………」

ロゼットはそう言うと意識を失った………

「くそっ!!!ワイにも!ワイにも力をくれ!助けられる力をくれぇ!!!」

リアンの願いに呼応した様にリアンの腕に光が集まってきた

「これは!?やれるか分からんけど…やらなあかん!」

リアンは目を閉じ感覚を研ぎ澄ませる

「………っ!?見えたで!」

リアンの腕に集まった光が強くなりロゼットを包みこむ

「ホーリーブレス!!」

光が傷口に集まりロゼットの傷が徐々に塞がっていく

「よかっ…た………」

ウェノンは安堵して腰を落とした

「………惜しいな、もう少しで狂気の力を得られたと言うのに…」

不意に入り口側から声がした

「誰だ!?姿を見せろ!」

ヒカルが後ろを振り返りそう言うが…

「見せる必要もないのに姿を見せる程、私は馬鹿ではないのでな失礼するよ」

何者なのかは分からないが若い女性の声のようだその後反乱軍の拠点を少し見て回ったがそれらしい人は居なかった、ウェノンも正気に戻ったようなので村に戻る事にした

「ウェノンさん…大変やったな」

ウェノンを気遣うリアン、しかしウェノンはずっと黙ってしまっている…

「イパラカディゾイ様!ご無事でしたか!」

村の近くで親衛隊が出迎えてくれた

「全員分の宿は取ってあります、もうすぐ日が暮れますのでお休み下さい」

正直かなり疲れているのでありがたい、皆別々の部屋でゆっくりと休んだ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【???の拠点】

青髪の女性「今回は惜しかったな、もう少しだったのだが…」


桃髪の少女「じょぶじょぶ大丈ー夫♪何とかなるなる!」


丸坊主の巨漢「なぁにワシらがおる限り力が集まるのも時間の問題じゃ!」


白髪の少女「今回は退屈だったのですよー、もっと手応えが欲しいのです」


貫禄のある老人「皆揃ったな」


老人以外「ハッ!我らネガティオン四名揃いました!」


貫禄のある老人「では、始める」


反乱軍の拠点に着いたタナオウ達、しかし待っていたのは狂気に駆られ死した反乱兵を殴り続けるウェノンの姿だった…

暴走を止めるためロゼットがウェノンと反乱兵の間に入り負傷、リゼルの憧れの人に戻ってというロゼットの言葉で(ヨウヤ)く我に返る

丸くとはいかないが何とか収まった

しかし、タナオウ達のまだ知らぬ所で別の影が動き出す…


第九章-体の傷、心の傷


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