第六章-白≒黒
前書き異世界トーク
タナオウ「前回は俺様の大活躍で全員揃ったな!」
ヒカル「さて、全員揃ったところで改めて身体の変化を纏めるぞ」
タナオウ「俺様はこうだ!身長160㎝体重98㎏のイケメン!(中年顔)➡身長170㎝体重60㎏顔が更にイケメンに!」
ヒカル「私は、身長168㎝体重66㎏➡身長180㎝体重65㎏身長が10㎝以上高くなり1㎏痩せた」
リアン「ワイは…身長205㎝体重113㎏➡身長135㎝体重30㎏性別まで変わってしもうた…」
ウェノン「僕は変わらず身長151㎝体重44㎏だけど獣耳としっぽが生えたよ」
リアン「しゃあっ次は第六章や!」
ウェノン「白≒黒!」
ヒカル「因みに≒はニアリーイコールと読む」
前回ウェノンと和解し塔の中で話すことにしたタナオウ達、大広間へと案内されて各々席につく
「すげぇな俺様もこんな家が欲しいぜ!」
「僕の親衛隊達が一日で作ってくれたんだよ、名付けて一夜塔!」
「マジかよやべぇな!マジやばくね!?」
と特に内容の無い会話を従兄弟同士でしていると
「ウェノン、私達に異世界に来てすぐの話をしてくれないか?」
ウェノンだけが二ヶ月も早く異世界に着いたのに何か理由があるのではと思いヒカルが話題を変える
「僕が初めて異世界に来たときの話?いいよちゃんと聞いててね」
………来たときの状況はタナオウ達と同じだった、話題はクィモン村の話になる
「お金も持っていない僕に一組の家族がとても優しくしてくれてね、確かアルフィン家って言ってお父さんとお母さんは共働きで遅くまで帰って来なくてお姉さんのロゼットさんが家事を全部やっててね、僕はまだ小さい弟のリゼルくんの子守りをしながら居候させて貰ってたんだ」
ウェノンは事細かに状況を話す、次は弟のリゼルの話に
「リゼルくんね強くなってお姉ちゃんを守る騎士になるんだ!って張りきっててね、お姉さん思いのいい弟だなって思って気が付いたら木で出来た剣を作ってあげちゃったよ勿論切れはしないけどそれプレゼントしたら「すごーい、リゼルはレベルが上がったー!」ってまだまだ子どもだよね」
まるで本当の家族の事のように楽しそうに話をするウェノン、するとヒカルが
「成る程、つまり国を作った事も同盟を組もうとしている事も全てはクィモン村の為か」
皆納得したようだ、ウェノン曰くこの事以外にもいくら返しても返しきれない程クィモン村にはお世話になったらしい
「ウェノンさんの恩人はワシらの恩人やからな、まだ簡単な事しか出来へんけどワイも出来る事はやるで!」
その他にも色々と情報交換をしていると、慌てた様子で親衛隊が入って来た
「イパラカディゾイ様!大変でございます!クィモン村が反乱軍と思わしき者達に襲われております!私はこの事をイパラカディゾイ様とその友の者へ伝えるべく参りました!私の隊以外の親衛隊は皆クィモン村付近にて応戦中でございます!」
反乱軍が動き出した…それを聞いた瞬間ウェノンから笑みが消えた…
「分かった、君も急いで向かってくれ僕もすぐに向かう」
ウェノンはそう言うと席を立つが親衛隊が
「しかし、私の隊がここを離れては塔の警備は…先ほども言ったように私の隊以外今塔には…」
「行け、塔と恩人…秤にかけるまでもない!」
「ハッ!失礼しました我々親衛隊!この命に換えてでも村を守ります!」
「…簡単に命に換えるなんて言うな、助ける事生き残る事これが最優先だこれ以上話す事は無い僕はもう行く」
話終えるとウェノンは消えるように早くクィモン村に向かった、それを追うように親衛隊も塔を出る
「私達はどうすれば…」
ヒカルがぼそりとそう呟く
「ワイは行くで、さっき出来る事はやるって言うたばかりやからな」
リアンはキリン砲に乗りクィモン村へ向かった
「…俺様達どうする?ヤバめだからやめとく?」
なぜこの状況でタナオウは行かないという選択肢が出てくるのか…
「正直少し悩んでしまった自分が恥ずかしい…私は行く、タナオウお前は好きにしろ」
ヒカルも遅れて塔を出る、タナオウは………
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【クィモン村付近】
キィン…ガギィン…シュピン…ドスッ…
激しい戦闘音が鳴り響いている、そんな中…
「どけや!クソ反乱軍共ガァ!!村には絶対入れへんぞぉ!」
リアンが砲撃で応戦している
「グアッ…小娘!何故我々が反乱軍だと知っている!?」
倒し損ねた反乱兵がリアンの砲撃を掻い潜り接近してきた
「食らえ小娘が!」
接近されてしまっては砲撃出来ない…反乱兵の剣がリアンを襲う
シュンッ…ズバッ…
「グアァァァァアー!」
親衛隊がリアンの身代わりになり斬撃を受けた、その後遅れてヒカルの魔法で反乱兵を倒すが…
「…ご無事ですか…?リアン…様…」
「アホォ!何でワイを庇ったんや!」
「イパラカディゾイ様の…大切な友…ですから………」
「もうええ…喋んな、ヒカル!ワイはここに残ってこの人を治療する、お前は先に行きや!」
ヒカルは無言で頷きクィモン村へ走る、既に反乱軍の一部が村を襲っている急がなければ
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【クィモン村公園内】
「ぼっぼくは強いんだぞ!お兄ちゃんに剣も貰ったんだ!」
「へへへっそうか、剣を構えられちゃ俺も構えねぇとなぁ、覚悟しろガキがっ!」
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【クィモン村入口】
ウェノンが到着するが、もうずいぶん攻め込まれているようだ
「戦況は?村人は無事か?」
すると親衛隊の一人が
「イパラカディゾイ様!報告致します!現在村人の三割が避難残りは救出部隊が捜索中です!」
まだ七割が村に取り残されている…ウェノンも反乱軍と応戦しつつ村人を探すが
「うわーーー!!!」
公園の方から少年の高い声が響く…
「まさか!?リゼル!!」
ウェノンは急いで公園の方へ向かう、そこには………
「はははっガキの癖に生意気なんだよ!このっ!」
グサッ…!
そこには既に息絶えたリゼルの背中に剣を突き刺す反乱兵の姿があった………
「リゼル………うっ…ウガアァァァァァァァア!!!!!」
激昂するウェノン、その目には反乱兵への殺意が鮮明に映っていた
「うるせぇよ吠える事しか出来ない獣風情…」
グシャッ…
鈍い音が鳴り反乱兵の頭が一瞬で潰れた…ウェノンが本気で殴り殺した…
「全部…殺す…全部…壊す…ウガアァァァァァァァア!!!!!」
ウェノンの怒りの雄叫びが村全体に響き渡る、遅れてタナオウも含めた全員が村に到着した
「うわっ…耳が…今の雄叫びは?」
親衛隊がタナオウ達に駆け寄る
「大変でございます!イパラカディゾイ様が!」
ただ事ではない様子の親衛隊に現在の戦況を聞く
「反乱軍はほぼ壊滅、だがウェノンが暴走していると…」
反乱軍は奇襲が失敗し勝ち目が無いと踏んで撤退したようだがウェノンがその後を追っているらしい
「おい、こっちに折れた木の剣があるぜ………これは俺様が預かる」
恐れていた事が起きてしまった…クィモン村を反乱軍が奇襲したのである、ウェノン率いる親衛隊が迅速に応戦したため殆ど犠牲者は出なかった、ウェノンの弟分であるリゼルを除いて…
リゼルを失い暴走したウェノンは撤退する反乱軍を追撃、タナオウは恐らくリゼルの物であろう折れてしまった木の剣を預かる
これから一体どうなってしまうのか…
第七章-悲しみの果てに