表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出会いは殺されかけました  作者: unknown
第1章
8/17

それぞれの思いと思いやり

アイツが出てから、俺はすることがなくソファーに座っている。


外の雨もやんで、今は時計のカチカチと鳴る音がやけに大きく聞こえる。


アイツは勝手にしていいと言ったけど、観たいテレビも本もなく、ぼーっとすることしかなかった。


何でここまで構うんだ...


俺は殺そうとしたんだぞ。

なのになんで助けたんだ。

なんで俺は



助けてもらって嬉しいと思ったんだ。



ずっと、ただずっと死にたいと思って、でもいざ死のうと思っても怖くて、あいつとあってそれから倒れた時「あぁ...死ぬんだな」って恐れた。


死にたいのに、死にたくない。


もう、自分がどう思っているのかすらも分からない。


でも、あいつだけは、少しなら信じてもいいと思った。


広い家の中、この静かな空間が何処よりも安心できる。


空間に身を任せ、目を閉じ、感覚に溺れていく。

不思議と恐怖は感じない。

感じるのは、ただ暖かい幸せな気持ちだけ。


ーーーーー


家にカズキを置いて、本日2回目の外出。

コンビニまでは3分くらいで着くので僕には有難い。


家に今日あったばかりの子だけを残して外出なんて何考えてんだか


かと言って外に連れ出すのも気が引ける。



コンビニに入り、弁当などがあるコーナーへ向かう。


そういえば、食べれないものとか、嫌いなものとか聞いてなかったな


アレルギーなどがあるかを聞くのを忘れていて、コーナーの前で立ち止まる。


卵とか、小麦粉とかがあるから サンドイッチはやめておいたほうがいいかな。

無難におにぎりでいいか、あと飲み物...


次々にカズキが食べれそうなものと自分の分をカゴに入れて、レジへ向かう...途中であるものに目が止まった。


アレルギーがあったら僕が食べればいいし、これも買っておくか。


と言ってプリンをカゴに入れる。

昔、よく母と一緒に食べたものだ。


レジへ向かい、会計を済ませる。


袋の中にあるプリンを少し気遣いながら、コンビニに行く時よりも少し早めのスピードで家に向かった。



喜んでくれたらいいな


そんな淡い期待を込めながらまだ水たまりのある道を歩く。


雨上がりの夕焼けはいつもより綺麗に見えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ