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出会いは殺されかけました  作者: unknown
第1章
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悪夢物語ー3ー

こちらに向かってくる先生から逃げようとすると腕に鋭い痛みが走った。


「うぁ...!」


恐る恐る腕を見ると

左の二の腕に深くまで刺さったカッターナイフ。


「大丈夫、抵抗しなかったらこれ以上傷つけることはないわ。早くこっちへおいで?」


捕まるくらいなら、いくら傷ついてでも逃げてやる。


先生に背を向け、走り出す


「あら、交渉決裂ね...私のモノにならないなら、アンタなんか要らない。」


殺される...!


震える体を押さえつけながら自分の身を守れそうなものを探す。


これなら...


そう言って手に取ったものは



蛍光灯だった。


蛍光灯を両手でしっかりと握ると声が聞こえた。

僕は蛍光灯を相手から見えないようにすぐ後ろにある壁に立て掛ける。



「あら?もう諦めたの?...それなら、もう1度聞いてあげる。最後のチャンスよ。...私のモノにならない?」


そう言ってぎりぎりまで近づいくる。


「...わかりました。」


そう言うと、先生はすぐ笑顔になった。


「そう!それなら早く帰りましょう!貴方のために色々準備していたの。」


そう言って僕の手を握り、引きずるようにして窓へ向かった。

どうやら、窓から外へ出ようとしているようだ。


先生は何も知らずに笑顔のまま僕の手を引く。



僕が反対の手に蛍光灯を持っていると知らずに。


僕は先生が止まったタイミングとほぼ同時に蛍光灯を持った腕を振り上げ、叩きつけた。


「うっ...!」


先生はそのまま前へ倒れた。頭を見ると蛍光灯の破れた破片が少し刺さっていたりして、血が出ている。

頭をおもいきり殴ったので脳震盪を起こしたのだろう。気絶している。



ふと横を見ると鏡があった。そこにうつっていたのは


異様に真っ赤な目に微かに震える右手だった。


窓から差し込む夕日を浴びていて、いつもより赤く、何か狂気じみていた。


それから、先生達と警察がかけつけ、倒れた先生を連れて行く。



父と母があまりにも帰りが遅いと学校に連絡を入れ、たまたま用具室前を通りかかった先生が声が聞こえることに気付き、僕達の会話を最初だけ聞こえたようで警察を呼んだらしい。


それから先生は捕まり、数日後殺人未遂、それに他にも罪を重ねていたようで懲役20年をかせられた。が、先生は何かブツブツを言ったあと牢屋で自分の舌を噛みきったそうだ。



このことがあってから、僕は他人が怖くなった。というより人間不信に近いのだろう。


小学校は登校せず、卒業を迎え、

それからは中学、高校両方ともインターネットで講師についてもらい卒業した。



ある程度の学力と経験を積んだ僕は一人暮らしを初め、今はWebデザインや広告デザインなどを職につき、生活する事はできるくらいのお金をもらってひっそりと暮らした。




これが僕の過去であり、悪夢でもあった。

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