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出会いは殺されかけました  作者: unknown
第1章
16/17

おでかけ-3-

2人で手を繋ぎながら服を探しに歩いていると隣から「ぐう」と腹の虫の声が聞こえた。

横を見るとカヅキがお腹を抑えている。


「腹、空いた?それとも腹痛とか?」


そう聞くとカヅキは「痛くない」と答えるだけだった。


「それじゃあ、何か食べに行こうか」


「別にいい」


ぐう...


本人はいいと言っているが、彼の腹の虫は限界のようだ。


「でも、腹鳴ってるよ?」


「別に大丈夫」


「そっか」といって足を進めて行くもの、カヅキの腹の虫はおさまる気配もない。


「あーあ、お腹すいたなー。でも食べたいものが決まらないなー...カヅキは何がいいと思う?」


わざとらしく少し大きな声でそう言うと隣からぼそぼそと聞こえてきた。


「何がいいと思う?」


「...サンマの塩焼き」


「ふっ...それじゃあ定食屋に行こうか」


子供らしくハンバーグやオムライスと言うのかと思いきや、家でも簡単に作ることの出来るものを言われ少し鼻で笑ってしまった。



ショッピングモールの1階へ行き、フードコートを目指す。

フードコートには昼前だからか人が少ない。

ここのフードコートは店が集まった形になっている。


和食店に入ると「いらっしゃいませ」と元気な声が聞こえた。


店内はテーブルとイスのセットが5セット。


適当に空いている席に2人で座ると、すぐに定員さんが水を持ってきてくれた。仕事が早い。


「ほら、これメニュー。これから選びなよ。」


「これ」


メニューを開いた瞬間にサンマの塩焼き定食をさしてこちらをじっと見る。やはりサンマ以外興味ないようだ。


「すいませーん、注文いいですか?」


ーーーーー


「さて、ご飯食べたし服買いに行こうか」


「わかった」


そう言ってカズキは自分から僕の手を掴んだ。

僕はそれが嬉しくて嬉しくてたまらない。


いつも僕が着ている服の店に付き、子供服売り場へと向かう。


子供服は派手なものばかりで、カヅキはこれも嫌、あれも嫌と言ってばかりだった。


僕個人は子供は派手な服を着ていた方がいざと言った時に見つかりやすくていいのにな…


そんなことを思いながら、子供服の中でもシンプルなものを探していく。

その中で黒一色のワイシャツを見つけた。カヅキのサイズもあり、これなら大丈夫だろうと思い振り向くと


カヅキがいなかった。


少し離れた場所に居るのであればまだいいのだが、店内にいなかった。


ぶわっと冷や汗が出てくる感じがした。


手に持っていたワイシャツを叩きつけるように元あった場所におき、店を急いででる。


もう昼になり人も増えてきた。


カヅキッ、無事でいてくれ...


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