1日目の終了
それからは少しずつ話を交わしながら時を過ごした。
向かい側のソファーを見るとカズキがこくりこくりと船をこいでいる。
時計を見ると短針が9を指していた。
きっと、疲れたんだろうな
ソファーから立ち上がり、隣の部屋へ向かう。
変哲もないただの和室。カズキが身体を拭くのに使った部屋だ。
部屋に入り、押し入れから布団を出す。
つい最近干したものだから埃臭かったりはしてない。
布団を敷き終わって、リビングに戻るとカズキはもう限界と言ったように、やじろべえのように体をふらふらとソファーの上で揺らしていた。
「おーい...」
声を掛けてみると半目の状態でこちらを見る。
「今いいところなんだよ。寝かせろ」と訴えかけている。
「隣の部屋に布団しいたから、寝ていいよ?」
「...わかった」
少し呂律の回ってない声で不機嫌そうに返事をして、立ち上がる。
右へ左へとふらふらしながら隣の部屋に入っていった。
正直、ぶつかるんじゃないかとひやひやした。
カズキは眠ったし、僕は仕事の続きするか...
今日はコンビニからすぐ帰って、仕事を再開するつもりだったが、思わぬ出会いがあったからコンビニに行く前の状態から進んでいない。
自室に戻りメガネをかけ、パソコンを起動させ、USBに保存しているデータを立ちあげる。
今回の仕事はとあるファッション雑誌のデザインだ。
しかも、今回は4ページほど担当することになった。
今ながら思うと随分と見栄を張ったな...
そんなことを思いながら、提供された写真やオブジェクトをあれやこれやと組み合わせながら画面とにらめっこ。
静かすぎる部屋で身を潜めるようにして夜の時間を過ごす。