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灰色の町  作者: 緑茶
3/5

灰色

私はこの町で生まれたわけではないらしい。

私の生まれは東京だ。5歳までは東京に暮らしていた。はっきりと覚えている。


人が多い、縦に長い建物、いつも聞こえるクラクション、走り続ける電車。

私は大人たちを、よく見ていた。

私は街の真ん中で一人、いつも母を待っていた。


母は夜逃げの天才だった。

同じ区内でもあちこちを転々とした。

区内に住み続けるという、その神経が信じられないが。


そんな母が東京から出るきっかけになったのは、母の父、つまり私のおじいちゃんの家が母のものになったからだ。

私はおじいちゃんにも、おばあちゃんにも、会ったことがなかった。


いつも困窮していた母は、家賃を払わなくても済むと、その話に飛びついた。

私が5歳になって少しした冬、私たちは引っ越した。


あの日は雪が降っていた。

東京の雪とは違って、決して簡単には溶けてやらない、そう決意してきたかのような、雪だった。

私はその時初めて溶けない雪を見た。

その雪は、強かった。

空は灰色だった。

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