第七章 好感度アップ大作戦!
最近ネイリスさんの機嫌がすこぶる悪い。
「あ、お嬢さ」
―――ゴスッ
「あ、すまん!ジョフィの顔みたら、つい…」
ついってあんた。オレ一体何をそこまで怒らすことしたっけ?
「お前いったい何やらかしたんだ?お嬢様があそこまで怒るなんて尋常じゃねえぞ」
こっちが聞きたいですよ?
回復魔法掛けてるときですら目も合わせてくれない。
今日の朝食なんて、オレが席に座ると食事を持って部屋から出て行く始末。
「あれじゃねえか?こないだのダンジョンのボス、お嬢様誘わなかったのが原因なんじゃ?」
「そうかな?いやしかし、ゲームのイベントじゃ死人が出るし、やっぱ危険だろ?」
「あんな雑魚誰でもたおせるだろ?」
「…お前、さんざんぶるっときながら、どっからそのセリフが出てくるんだ?」
しかし、なんとかお嬢様の機嫌をとらねば。そうだ!
◇◆◇◆◇◆◇◆
「好感度アップ大作戦?なんだそりゃ」
「この際、せっかくの乙女ゲー、それに則って好感度アップのイベントをこなしたいと思う」
ヒロインが王子などの攻略キャラの好感度を上げるイベントを、逆にオレがネイリスさんの好感度アップに用いようということだ。
「まず好感度アップ大、それは『冒険に誘う』だ」
「ふむふむ、なるほど」
そのなるほどは分からないときのなるほどだな。
ゲーム中では『冒険に誘う』は最も有効な手段となっていた。基本誘ったら断られることがない。そしてヒロインは唯一の回復魔法使い。
「くっ、やられた!」
「まかせて!『ヒール!』」
「ありがとう、君のおかげで助かった」
これでぐっと好感度は大上昇。
攻略対象をどんどん危険なエリアに放り込み、じゃんじゃん怪我させて、さくさく回復してやればたいがいOK。ひどいなこのヒロイン。
しかし、オレは毎日ネイリスさんの怪我を治しているのだが、好感度がアップしてるどころが逆に悪化してるような気がする。
ここんとこ、公爵様の剣心さんにも揉まれており生傷が絶えない。
「お嬢様今すぐ回復しますね」
「うむ、頼んだ」(目を合わせてくれない)
「お嬢様どんな感触ですか?」
「………………」(そして無言)
なぜだろうか?
ここで冒険に誘って、もし断られたらオレは立ち直れないような気がする。
「次に好感度アップ中『デートに誘う』だ」
「ふむふむ、なるほど」
まあ、どこにでもあるオーソドックスな方法だな。
ヒロインが攻略対象にデートを申し込む。相手が了承すればデートイベント。
街の行きたい場所を指定し、攻略対象の行きたいとことマッチすれば上昇。逆に場所によっては下降したりもするが。
わざと下降する場所行って、非攻略対象の好感度を下げるのも有りだ。ほんとヒロイン鬼畜である。
もちろんこれは却下だ。今のネイリスさんを誘って応じてくれるとはとても思えない。
「そして最後、好感度アップ小、ものによっては特大、OKURIMONOそう『プレゼント』だ」
「ふむふむ、それなら分かるぞ」
いつでもどこでも、何回でも使えるコマンド。財力が続く限り行える。
今回はこれを採用しようと思う。
だが、これには唯一の欠点がある。それは…
「フェン介様、お金貸してください」
そう財力だ。お金がなければ何も買えないっすよ?
「…なんでお前は俺が金持ってると思ったんだ?」
「ないのか?」
「ある訳ねえだろ?自慢じゃないが貰ったその日に使い切ってるぜ」
ほんとに自慢にならねえな。とても2児の父親とは思えない発言だ。
こいつには蓄財についてきちんと話しとかないといかんな。子供の為にも。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ハッ、しまった。こんなとこで、蓄財について説明してるどころじゃなかった」
「ううむ、シュルクとミーシアの為にもか。…学費、…養育費、…うむ、よく分かん。もう一回頼む」
「後はセバスチャンにでも確認しとけ」
オレもいくらかは蓄えてはいるのだが。
セバスチャンにリサーチしたお嬢様の喜びそうな物、これだって言うのが一個だけあった。
だが、その物にはあと少しだけ資金が足りない。
こうなったらどっかアルバイトでも捜すか。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「アルバイトを捜している?あなたが?」
「はい、どっか楽にぱぱっと稼げるとこは無いものでしょうか?」
お金のことはお金のあるとこに聞けばいい。そう思ってティア様に聞きに行った。
「ふむ、そうね…」
そう言って考え込むティア嬢。
「家庭教師…はどうかしらね?」
「それは無理じゃないかな?オレが教えれることって偏ってるからなあ。家庭教師だと広く一般的な知識も必要じゃない?あとすぐ金にならない」
「これはいいわね…わたくしからのと言うことにしておけば…ネイリスさんの部下なら裏切りなんてないでしょうし…」
「ちょっとちょっと、聞いてます?」
これはまずったのではなかろうか?
◇◆◇◆◇◆◇◆
近頃の私はどうかしている。
どうもジョフィの顔をまともに見ていられない。
ジョフィのことを考えると…こうなんて言うか、気持ちがざわざわしてじっとしてられなくなる。
寝付けない私は、今日も真夜中に素振りを行う。
「おい、ちょっと見てみろよ。あの小娘、またやってるぞ」
「いったいどういう体をしておるのだ?つい数時間前までぼろぼろだったろうに」
「…いくらなんでもオーバーワークだ。少したしなめてくる」
今日はいつもより長くジョフィに触れていてもらえた。どうやら腕の骨にひびが入っていたらしい。
未だにジョフィに触れられていた場所が熱を持っているようだ。
なんせ、今日は公爵様の剣心3人がかりで鍛錬して頂けたからな。
うむ、明日はもっと厳しくならないだろうか。
しかし…私は宝か…私はジョフィの宝…フフフ。
「いったいどんな思いつめた顔をしてるかと思えば…ずい分楽しそうにしてる」
「はっ、これはセイジョウ殿。もしかして起こしてしまったですか?」
このような所でこんな時間に出て来ていれば、護衛の方も起きてしまうか。
いや、ほんと私はどうかしている。
「何故そんなに楽しそうにしておられるのですかな?」
「楽しそうではない、楽しいのだ!私は今、最高に充実している日々を送れていると思う」
「ほう…」
私のすぐそばでジョフィが居てくれる。私が困っていればすぐに手を差し伸べてくれるジョフィが居る。私のことを大切だと言ってくれるジョフィが居る。
なぜかそう思うといてもたってもいられなくなる。そして、とても嬉しく思えてくる。
「拙僧もご一緒してよろしいですかな?」
「もちろんです!」
私は再び素振りに戻る。とても幸せそうな顔をして。
「おい、あいつまで素振り始めたぞ?」
「…俺達も行くか」
「ハハッ、そうだな。なんか楽しそうだ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「は?ジョフィが家庭教師ですか?」
「そう、それであなたの了承を取りに来たのですけど、どうですか?相手は…ジョフィにとって後々のためになると思いますの」
翌日、ティア様が私に、ジョフィに家庭教師の仕事を斡旋したいと言って来られた。
「時間はあなた達が鍛錬している間ぐらいでどうでしょう。それなら、従者の仕事の邪魔になりませんでしょう?」
「ハッ、そうでありますね。しかし一体どうしてそんなことに?」
「なんでもお金が欲しいとか言ってましたわね。まあ、わたくしが差し上げてもいいのですが…それぐらいジョフィには世話になっていますしね。ただ、本人は働いて稼ぎたいらしいのですの」
むむ、私が出している給金では不満だったのだろうか…
「ティア様、もし、ジョフィほどの従者の場合、一般的にはどれぐらいの給金で雇われるものでしょうか?」
「そうね、わたくしならこれくらいかしら」
そう言って、紙に金額を書いて見せてくれる。
…私はそれを見て真っ青になってティア様に問いかける。
「あのう、実は…」
「えっ、1桁違う?ああ、いえ、わたくしもほら、ちょっと金銭感覚が…庶民と違うようですし、ほら、泣かないの」
「どどど、どうしましょう…もし、ジョフィが従者を辞めたい、なななんて言い出したら」
明日からジョフィが居なくなる。そう思ったら胸がはりさけそうだった。
どどど、どうしたら…そうだ、私がジョフィの従者になればいいのだ!それならずっと一緒に居られる!うむ、名案だな!
「ちょっと落ち着きなさい。その様子だとフェン介もセバスチャンも…羨ましいですわね」
「え、なぜですか?」
「それがあなた達の絆だからです。たとえそれが2桁であろうと、10桁であろうと、あなたの前からジョフィが居なくなることはないでしょ?」
「そ、そうでしょうか?」
ティア様は私の手を取って話を続けてくる。
「だってそうでしょ。お金だけの問題なら彼らはとっくにどっか行ってますわ。その件でジョフィ達があなたに不満を言って来たことはありますか?」
「ありません…」
「ほらみなさい」
そうなのだろうか。この先もずっと一緒にいてくれるのだろうか。
私が年をとって、おばあちゃんになって…その傍らでジョフィが一緒になって笑っていて…でへ、でへへぇ。
「き、気持ちが悪いわね…」
「ん?しかし、今回のお金の話、ティア様に言って来たのですよね?」
「………………」
ティア様が気まずそうにそっぽを向く。
私の胸がチクリと痛む。もしかしたらもう…ジョフィは…ティア様に…
「もう、少しはジョフィを信じてあげなさい!ほら、涙を拭きなさい。ほんと…泣いたり、笑ったり、忙しいですわねぇ」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「お嬢様、今日はいつにもまして怪我が多いですね」
「ああ、ちょっと考え事をしてしまってな。ん、ジョフィお前も顔色が悪いぞ。そういえば今日からだったか家庭教師」
「ハハハ…」
ジョフィが力なく笑う。家庭教師先で何かあったのだろうか。
しかし、私はあと何回こうしてジョフィに回復してもらえるのだろうか。
この安らかな一時がずっと続けばいいのに…おっとまた余計なことを考えるとこだった。先ほどセイジョウ殿にも注意されたばかりなのにな。気合をいれねば!
「…お嬢様、なんか悩み事でもありません?」
「ななな、悩み事なぞぉお、ななな、何もないぞ!?」
「………………」
聞いてみようか…いやしかし!だが、…うむ、うじうじするのは私らしくないな!
「ジョフィ、お前は私の従者として不満はないのか?そ、その、ティア様と、その…」
「…お嬢様、この後ちょっとお時間あります?オレと一緒に…デートとかどうですか?」
「えっ!?」
そう言うとジョフィは私の返事を聞かず、手を引いて私を街に誘う。
あそこの何々がおいしいとか、この公園では面白い芸人がどうとか、この本屋はどうやら他国のスパイが開いてるとか、私に話しかけてくる。
だが、私は繋がれた手に気をとられてて、夢見心地で聞き流してしまう。
そして最後に、ある一軒のアクセサリー屋で足を止める。
「お嬢様ちょっとだけ、目を瞑ってて頂けますか」
「は、はい。わかりましたわ」
「なぜにお嬢様語?」
私が暫く椅子に座って待っていると、
「お嬢様もう目を開けていいですよ」
そうジョフィが言ってきた。
そして、目を開けた私の前には一枚の鏡が。そこには…いつもと変わらない私が写っていた。
もしかしてジョフィが私に何かをって期待していたのだけど…ちょっとがっかりしていると、
「お嬢様、最近鍛錬中に髪がじゃまなので切ってしまおうとか言われてたそうですね」
「ああ、少しばかり伸びすぎたと思ってな」
「綺麗な髪なのに勿体ないですよ。ですからこれを」
そう言って、美しく輝く鳥の羽をデザインした髪飾りを頭に掛けてきた。
「ミスリルでできてます。オレが神聖魔法の『リジェネイト』を付与してます。多少の怪我ならじっとしてれば治りますよ。だからといって無茶しちゃ駄目ですけどね」
ミスリルだって?そんなの私が与えてる給金では…そうか!だから家庭教師など…まさか私の為に!?
振り返った私はジョフィの顔を見て思わず―――その唇に口づけをしてしまうのだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「どどど、どうしよう!?私はいったいなぜあんなことを!?」
あの後思わず逃げ出してしまったのだが…明日からどんな顔をしてジョフィに会えばいいのだろうか?
◇◆◇◆◇◆◇◆
オレは今駆け出して行ったネイリスさんを呆然と見送っていた。
えっ!?今キスされた?えっ、マジで!?なぜ?なんで!?
落ち着けオレ。確かキスシーンはゲームじゃほぼ攻略目前ではなかったか?
えっ!?あれだけ好感度マイナスからOKURIMONO一個で?
いやまて、これはゲームじゃない、ゲームじゃないが…
「ジョフィ、お前は私の従者として不満はないのか?そ、その、ティア様と、その…」
これはヤヴァイ、もしかしてオレ、クビにされかかってる!?
回復魔法を掛けているときにネイリスさんが言ってきた言葉をそう受け取ったオレは、その場で好感度アップ中『デートに誘う』を選択してしまった。
しまった!了解がある訳ないだろオレ!こうなったら強行突破だと、そのままノープランでネイリスさんを連れ出す。
しかしてノープラン。どこ行ってもネイリスさんは上の空。
オレは最後の切り札を切るしかなかった。
できれば前金を返上して断りたかったのだが…
アクセサリー屋についたオレは急いで目的の物を捜す。しかして、
「ああ、あれ売り切れちったわ」
非情なる店員の天の声。
お嬢様が欲しがっていた物。フェン介を殴りすぎて駄目になりそうな代わりの武器。前にここのアクセサリー屋でお嬢様が欲しそうにしてたって言う、羽飾りの短剣。
「店主、この店で一番いいものを頼む!」
てんぱってたオレは思わずそう言ってしまった。
そしたら出てきたミスリルの髪飾り。微妙に欲しかった短剣と意匠が似ている。
「店主、これでなんとか足りないか?」
全財産を突き出すオレ。
「ああ、んーちと足りないが…ん、あれか?あれなんだろ?仕方ねーなあ。恩に着ろよぼうず」
「店主、オレはこれからお前を神様としてあがめよう!」
そうして目を瞑っているネイリスさんに近寄る。ほんとは目を開けたらテーブルに短剣がってしたかったんだが。
お、まてよ、確かゲーム中にミスリルは魔法を付与できたな。その中でも重宝した魔法が、防具に自動回復の魔法。よし、試してみよう。
そうしてネイリスさんを起こし、頭に魔法の掛かった髪飾りを掛ける。そうしたら…
「おお、ぼうずいいもの見せてもらったぜ。これはおまけだ」
そう言って店主が小さな箱を投げてくる。
ん?これは!?こんどうさん?いらねーよ!
オレは思わず投げ返してしまった。貰っとけば良かったかな?
◇◆◇◆◇◆◇◆
「ねえジョフィ、別に断ってくれてもいいのですよ。わたくしも、姫様があんなだとは思ってもみな…」
それがそうもいかんのですよぉ。なんせ前金、全部使っちゃいましたから!
ティア嬢に紹介された家庭教師先、なんと!王家の姫君、あのキラッ歯王子の妹さんだった。
公爵家と王家のパイプつなぎの為、オレをティア嬢が王家の姫君へと家庭教師として紹介してくれたとのこと。
なんでも、学年1位・2位を育てた優秀な家庭教師だとかの触れこみで。
どうしてそうなったのか、胃が痛かったが、まあ、身元不明の従者が王家の家庭教師なんて断られるに決まってるだろう。と軽い気持ちでついて行った。
しかして、
「ハハハ、ジョフィなら僕も身元保障するよ。彼は僕が知る限り最も優秀な従者だからね」
などと、含み笑いを込めた王子の一言で採用が決まった。こいつなんか企んでねーか?
そうして出会った妹さん、第一声が、
「オーホッホッホぉ、全ての愚民はわらわの元に跪くべくして生まれたのよぉ!」
だった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「さあ見てみなさい愚民!ここから街が一望できるでしょう!これらが全てわらわの民!わらわによる、わらわの為の世界なのじゃあ!」
「よっ大統領!その通りでございます!あんたはぁえらいっ!」
「ちょっ、ちょっとあなた!何焚きつけてますの!すぐさま姫様をあそこから降ろして!」
しかしてそこは王城の天辺。聳え立つ三角塔の屋根の上。
「さあ、愚民も登って来なさい。わらわと共にあろうとするなら!」
「えっ、やだよ。危ないじゃないか」
「えっ!?」
さっきまでさんざんよいしょしていたオレの思ってもみない反抗に姫様が目を丸くする。
「まず、そこは良く滑る。ちょっとの油断が命取りだ。そしてそこから落ちたら…そりゃもう目も当てれないくらい悲惨だ。目玉は飛び散り、骨は突き出し、見る影もなく…」
「…愚民、ちょっとこっち来て、わらわちょっとちびったの」
さっきまで威勢よく片手でポールを握り街を指差してたのが、今じゃポールに抱きついて動けない模様。
「姫様、世の中には『自己責任』って言葉がありましてね」
「ぐぐぐ、愚民!そなたはわらわの家庭教師であろう!」
「本日の授業は『自己責任』という勉強でございます」
姫様は泣きそうな顔でオレを見てくる。
と、そのとき、思わぬ突風が!
その強風に煽られ思わず目をつぶった姫様、そして握力が弱くなりポールから手を離してしまう。
こんな高いとこに、まだ小学生ぐらいの体、強風に煽られたらひとたまりもない。
「よっと、大丈夫ですか姫様」
もちろんオレはその為の準備はしていた。最近神聖魔法の『ホーリーバインド』を習得していたのだ。見えない糸で敵を縛りつける魔法ね。
その糸で姫様とポールを繋いでいた。
そして糸を辿って屋根の上で姫様を抱きとめる。
「ぐぐぐ、愚民!怖かったのだ!心臓が止まったのだ!…だからこれは仕方がないのだ」
お姫様のおまたがぐっしょり。
「姫様、しばらくここで街の見物でもしますか。大丈夫オレが付いていますから」
そう言って二人で座り込み街を見渡す。いやー絶景ですなあ。
ちなみに抱きとめたオレのおまたもぐっしょり。このままではオレまで漏らしたと思われてしまうではないか。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「おや、スフィアーネが随分懐いている。彼はあれだなあ、ほんと誰とでも仲良くなれるな。推薦して良かったよ」
「王子!早く姫様に降りるように言って下さい!」
「いいじゃないか、スフィアがあのように人にしがみつくとこなどめったに見れないよ?あの人嫌いのスフィアがね」