第四章 嫁さん怒らすと怖いですよね
「まあ、男性が多少いますが、うん、よしとしましょう」
夏休みが終わり学院の2学期が始まった。
その際、いろいろやらかして居ずらくなったので、聖教会の神徒の方に提案頂いていた、事情を知ってる人だけを集めた特別教室を作ることになった。
「しかし、女性の方がほぼ既婚者になってしまった…フェーネ嬢、そなたはどこにもいきませんよね?」
そう言って手を取ってくる聖教会の信徒の人、シノリス嬢。
正直言うとオレも既婚者になるのだがな。シノさんはそのへんの事情を知ってるはずだが?
しかしお相手のいない女性か…生徒に絞ると、あちらのふくよかなお方しか…
「フィーネ嬢!もっと女生徒を増やして頂きたい!あだだだ・」
「シノ様、あまり我が教会の品位を落とすようなことは言わないで下さいね」
またもやシノさんは従者の方に抓られている。
「彼女もやせれば可愛いんじゃないかなぁと思うんですが」
シノさんは王家のふくよかな姫様に目を向ける。そしてそっとため息をつく。
「そなたからもなんとか言ってくれぬか。太りすぎは健康に良くないと懇々と諭してはいるのだが…」
「マリアージュ様は暖簾に腕押しの状態ですねぇ」
確かに肥満は万病の元だ。特に若いうちの肥満は病気になる確立を数倍上げるといわれている。
とはいえ…言って聞くようなお方じゃないしなあ。
まずは本人がその気にならないことにはどうしようもない。
「マリア様はやせたい、とかは思われないので?」
「思わぬのう。太っておっても支障はないぞよ」
いや、ありまくりじゃない?
まともに一人で立ち上がることすら苦労してるじゃ。
「よいよい、わらちを担ぐ者の仕事を奪う必要もないぞよ」
「マリアージュ様、あなたはいい加減人生に対して真剣に生きるべきだ!」
シノさんが立ち上がり、マリア嬢へ詰め寄る。
色々と苦言を呈してはいるが、マリア嬢は「そうかえ」と言って受け流すだけだ。
これはあれだな、もしかして意図的に?
「まったく、こんな無駄な贅肉をつけて!そうこんな…こんな…なんだこの感触?もちもちでふにふにな…新・触・感!」
「こそばゆいぇ」
シノさんはマリア嬢のお腹のお肉をぐにぐにと掴んでおられる。なんだか楽しそうだなあ。
「私も触っても?」
「よいぞえ」
…うぉっ、きづけば5分位揉んでた。これがロイヤルな贅肉か、癖になりそうな触感だなぁ。
お肉というよりマシュマロに近い。弾力がぱねぇっす。
「これはあれなのニャ!回復魔法の副作用で細胞はいつも新品なのニャ!」
猫耳娘がマリア嬢のおなかに埋もれながらそんなことを言ってくる。
つーかおい、クラスの全員がぐにぐにしてっぞ。
「じい、わらちのお肉も棄てたものではないのぉ」
「そうでありますなぁ…」
じいはどこか遠い目で見つめておられる。
それでいいのかマリア嬢?
◇◆◇◆◇◆◇◆
「マリアージュ様、やはりこのままではならんと思うのです」
「こそばゆいぇ」
今日もシノさんはマリア嬢のお肉をぐにぐにしながら苦言を呈する。
というかシノさん、あれもう癖になってないか?
ここのとこ毎日マリア嬢のお肉をぐにぐにされている。
「おい、ブ・じゃない、マリア、私の紹介をせぬか」
今動物の名前で呼びそうにならなかったかコイツ?
「この失礼なお方はどなたですか?」
シノさんがマリア嬢に問いかける。
マリア嬢は今日、従者の方が一名増えていた。
オレ達は全員、なるべくそのお方を見ないようにしていた。
なんていうか、顔つきはまあいいほうだと思うのだが、出で立ちがいただけない。
どこぞの王様かってぐらい派手な衣装に、体中に宝石を纏っている。
とてもお関わりになりたいとは思えない姿だ。
まあ、なんとなく想像は付く。
「わらちの兄様ぞよ。父様の命令で今日からわらちの従者をすることになりもうした。みなよろしくぞよ」
「フォンヘルケンと申す。神代の王国の第一王子である。控えおろう」
なんだよ神代の王国って?
なに?一部の王族は神様の子孫だから自分達でそう言ってる?
これは禄でもないほうの王族の予感。
「兄様、わらち達はここに居る限り王国の冠はつけぬようになっておるぞよ」
「それはお前だけだ。私は国の第一王子としてここに居る、フィーネとやらを連れ帰る必要があるからな。キサマ、まさか本気で私を従者などと思っておらんだろうな?」
あんなこと言ってますが、いいんですか王子?
「良くないよねえ、とはいっても聞くようなお方じゃなさそうだしねぇ。ほんと王国の連中は人の忠告を聞かない。ま、いざとなったら実力行使でいいんじゃないかな」
誰が実力行使すんだよ?
「クルーカでもクロエでも。彼らから君を連れて行ける人物がいるなら見てみたいものだ」
「「うんうん」」
リンとビッツもそろって頷いている。
確かにこの二人を出し抜ける奴なんてこの世界にいないかもしれない。
トイレだろうとお風呂だろうと気が抜けない。どこに潜んでいるやら…
と、オレの前にその王国の王子様が立ち塞がる。
「お前がフィーネか、ふむ、まあいいだろう、妾ぐらいにはしてやる。ついて来るがいい」
そう言って強引にオレの手をと…手がとれた?えっ!?
オレの手を取ろうとした王子様の手首がことんと外れて落ちた。
「は!?え…?…うぅぅうッぎゃぁあああ!」
あわわわ、『リバイブ!』
急いで拾ってくっつけるオレ。
そしてネイリスさんへ振り向く。
「あっ、スマン。つい」
ついってあんた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
あれだ、クルーカやクロエよりネイリスさんの方が危険な感じ?
「ネイリス…」
「剣は抜いておりません!」
「じゃあどうやって?」
「こう手刀で必殺技をちょちょっと」
「…ネイリスは学院で必殺技禁止ね」
しかし、とれた手首から血が一滴もでなかったんだが、いったいどんな原理?
「とんでもないことをしてくれたな!次期国王たるこの俺に刃を向けるとは!そこへなおれ!そっ首たたっ斬ってやる!」
そう言って腰の剣を抜く、随分興奮されております。まあ、手首をおとされりゃ誰でも興奮するか。
「フォンヘルケン殿、彼女は我が国の公爵奥方となる。手打ちにするというならそれなりの手順を踏んでもらわないとならない」
「コイツは俺の手首を切り落としたのだぞ!庇うというのなら…戦争だ!こんな小国一瞬で消滅させてやる!」
なんてこと言ってますが、いいんですか王子?
「いいわけないだろ?しかし、こんなのが第一王子とは…王国の先も知れているな…さっさと潰した方がいいかな?」
なんでオレに問いかけてくるの?ダメですよ戦争は。
「じい、止めてくりゃ」
「無理ですな」
じい、諦めが早すぎるぞ。
「フィーネ様、姫様は今や王国となんの関係もありません。なにとぞ良しなに」
じい…もしかして王国転覆とか狙ってないよね?
「そうですか、戦争ですか…クルーカ、このお方を拘束しなさい。王子、次期国王が我が国に宣戦布告を宣言しました、至急皇帝にお知らせください」
「なっ!?」
「ティア、その戦争にはもちろん彼も手を貸してくれるんだろうね?」
「ええ、1時間もあれば王国の王城は粉々ですわ」
「ま、待てっ!」
ティア嬢の言葉に王国の王子様は顔を真っ青にして慌て出す。
さすがティア嬢、こういったときは頼りになります。
ティア嬢はそんな王子様を見つめ諭すように言う。
「フォンヘルケン様、あなたは次期国王なのですよ、その言葉の重さを理解しなさい。その一言で国の民が、王家の一族が、命運をかけることになるのですよ」
「くっ、…そうだな、ふむ、お前なかなか良い顔立ちをしているではないか。いいだろう、戦争はなしにしてやる、そのかわりお前を頂くことにしよう」
「わたくしはすでに嫁いだ身ですので」
「はっはっは、例の空に映ったまぬけそうな男であろう?あんなものと俺を比べるまでもな・」
「プチッ」
―――ガッシャーン!
その瞬間、教室の窓ガラスが全て弾けとんだ!王国の王子様と一緒に…
『グラビティ・プレス!』
3階から吹っ飛んで校庭に転がった王子様に向けて重力プレスを見舞うティアラース様。王子様がどんどん地面にめり込んでいく。
やりすぎ!やりすぎですよ!死んじゃったんじゃ…
「ちゃんと回復魔法を併用して死なないようにしてますわ」
幽鬼のような表情で言う。
コワイ、うちの嫁さん達コワイヨ!
お前は大丈夫だよな?な?
オレと猫耳娘は互いに抱き合って震えている。
「ティアとネイリスは怒らせちゃダメなのニャ!あちきも気をつけるニャ!」
「でも半分以上お前のせいだよね?」
こいつが二人に力を与えすぎたのが原因だと思うのだが。
「もう、そのあたりで許してたもれ。兄様はあくまでわらちの従者としてこの国に入国しておる。ただの従者が王国の王子を騙っておるだけぞよ」
「そ、そうですよティア様。ほらもう、十分反省しているようですし!」
「そうですか?あまりそのようには見えませんが」
そりゃ蛙のようにつぶれてりゃどうすることもできませんがな。
「反省してないようなら、反省させますんで、今日のとこはこのへんで!」
なんでオレがあの王子様の弁護をせにゃあならんのだ。
世の中は不条理でいっぱいだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「姫、本当に一人で大丈夫でしょうか」
「ちょっと二人でお話するだけですから」
オレの為に怒ってくれるのは嬉しいけど、君たちいるとお話できないからね。
さすが王国の王子様、あれだけやられても心は折れていないらしく、未だ暴言がやまない。
仕方ないので学院の用具室に閉じ込めているところだ。
「それじゃ王子頼みましたよ」
「まあ、任せてくれ、とは言えないが、努力はしよう」
オレは王子にティア嬢たちのことを任せたあと、一人で用具室に入っていく。
「おい、この俺を閉じ込めるなど、どういうことか分かっているのか!」
あれだけやられてもまだそんなこと言えるなんて、ある意味尊敬するわ。
オレはパチンと指を鳴らす。
その瞬間用具室の景色が一変した。その景色は帝都の遥か上空、下に城下町を見下ろす形となっていた。
イリュージョンの魔法で以前アッコさんに連れられて見た景色を映し出してみた。いわゆる演出効果という奴です。
「な!ななな…これはいったい!?」
「私を妾にしてやろう、とかおっしゃっていましたね。それでは、これくらいはできますよね?なにせ神の末裔なんですから」
なんて挑発してみた。
この手のタイプは自分に出来ること出来ないことをまずは自認させることから始めるべきだ。
「さあ、どうなのですか?」
「で、出来るはずがなかろう!」
「そうですか、ならばこれならどうですか?」
またもパチンと指を鳴らす。
すると今度は以前フェン介が森でインフェルノの魔法を発動させた場面に切り替えた。
オレ達の周りに地獄の業火が轟々と燃え盛る。
「地獄の業火の炎は冷たいのですよ?」
「ひ、ひぃい!」
「あまり動かないほうがいいですよ?一瞬で燃え尽きたくなければね」
そう動かないでね。動くとばれるから。
王子様は足を小鹿のようにガクガクさせながら震えている。
オレはパチンと指をならし、元の景色に戻す。
「王子様、実力の伴わない自賛ほど、軽い言葉はありませんよ」
「ぐっ、煩い、うるさい!お前に俺の気持ちが分かるか?次は俺こそが神徒だと言われながら、末の妹に持っていかれた俺の気持ちが!」
王子様の話では、王家の神聖魔法の使い手は、当代が亡くなられたときに次代の王位継承者に受け継がれるんだと。
基本的に長男・長女が受け継ぐはずが、今回にかぎり末の妹が受け継いでしまったとか。
一時は王位継承権はその妹に移そうという話まであったとか。
まあ、あのような成りでその話は立ち消えにはなったらしいが。
ふむ、要は神聖魔法の使える妹に嫉妬していると。その所為でずいぶん歪んだ性格になられたということかね。
「そうですか…ならば、私があなたに神聖魔法を授けましょうか?」
◇◆◇◆◇◆◇◆
「そうですか…ならば、私があなたに神聖魔法を授けましょうか?」
目の前の小娘がそう言う。
神聖魔法を授ける…だと!?
バカな!そんなことができるはずが…
「情報が伝わっていないのか…情報を聞き逃しているのか…は分かりませんが、この帝国ではすでに、2名の者が後天的に神聖魔法を授かっています」
「ほ、本当なのか!俺が神徒に…そうなれば…いいだろう、神聖魔法を授けることを許してやる!」
「あなたを神徒とする訳ではないですよ。私が授ける神聖魔法は初歩の初歩、そこから先はあなた次第」
そう言って目の前に小娘が寄って来る。
なんだ抱きしめて欲しいのか?ハハハ、いいだろう光栄に思うが良い!
ぐぅ、なんだ?両手を広げた俺の胸に指を突きつけてくる。
「神聖魔法が使えるようになった、だが、その魔法は微々たる性能だった?さて、神聖魔法が使えない場合とどちらが良かったかという感じになるかもしれません」
「ど、どういうことだ?」
「神聖魔法は神に授けられし魔法、その上達には清き心が求められます。あなたにそれがおありと?」
き、清き心だと?は、ハハ、私は神の末裔だぞ、その心は清きものに決まっておろう。
「心が清きお方なら、たとえ薄汚れた貧民でも抱きしめることができましょう。あなたにはできますか?」
「と、当然だ」
「心が清きお方なら、どんな場合でも怒りに身を任すことはありません。あなたにはできますか?」
「と、当然だ」
「…先ほどまでの怒鳴り声は何だったのでしょうかね?」
くっ、細かいことを、いいから俺に神聖魔法を授ければいいのだ。
そうすれば俺が心が清きものだと証明できる。はずだ!
小娘はさらに密着して指をぐっと突き立て上目遣いで見つめてくる。
「大きな力には大きな義務が発生します。妹様はその大きな義務に耐え切れなかったのかもしれませんね。あなたはどうでしょうか?」
「は、ハハッ、俺に限ってそのようなことが」
「あなたにお試しで神聖魔法を授けましょう、一ヶ月間様子を見て神徒として相応しいと思えばそのままにして、相応しくないと判断した場合は…」
お、俺を試すということか!?いいだろう、その提案、のってやる!
◇◆◇◆◇◆◇◆
「にゃ?お試しで神聖魔法を使えるようにしたい?」
「ああ、一ヶ月ぐらいあの王子様が神聖魔法を使えるように出来ないか?」
◇◆◇◆◇◆◇◆
くはっ、クハハハ!これが神聖魔法か!…………かすり傷を直すのに1時間、バカな!
あのフィーネという小娘、落とされた俺の手首をつなげるのに1秒とかかっておらぬ!
く、くそっ、清き心か…
「兄様、そろそろ学院に行く時間ぞえ。どうされますかの」
「おい、そこの雑兵代われ、今日はこの俺がマリアの御輿を担いで行くぞ」
「…正気ですかや?」
ふっ、ふぐうぅうう、なんという重労働。
あの雑兵は毎日このような苦行を?
そ、そうか、仮にもこやつは王族の姫君、きっとあの雑兵は名のある人物に違いない。
「大丈夫かえ?」
「大丈夫だ、問題ない」
―――カクッ
「はわわわ…」 ――ゴロゴロゴロ
おお、マリアが転がっていった。なんという転がりよう、もう転がって学院いけばいいんじゃないか?
うぬ、足が引きつっておる、くっ、清き心とはなんとも体力が要る物だ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
うむ、清き心とはやはりここだな。
俺は下町の孤児院に出向いていた。
「ちょっとそれは…おおくね?」
「なあに、マリアの御輿に比べればこれくらい」
大量の食料を抱えて。
ふっふっふ、フィーネとやらも俺を尊敬の眼差しで見つめておる。
宝石の数個も売り払えばこれくらいは容易い事だ。
む、子供達が俺の服を掴んできたぞ。なっ、服が泥だらけに。オノレ!
「ヘルケン様」
おっと、清き心、清き心、うむ、問題ない。
この後も下町巡りが続くのだ、これしきのことで…
む、こ、こら、服の装飾を盗っていくでない。
それはそこらの宝石より高価なんだぞ!
「下町に行くのにそんな高価な服装で来るから…」
寮に戻る頃には装飾がまったく無い状態に。
まったく、王国に戻ったらまた飾り付けなければ。
「む、この服、飾りが必要なのか?」
まじまじと見返した服は、俺が飾り付けていた頃より立派に見えた。
そういえばこの服は、俺が元服のときに父上から貰い受けたのだったか。
もしかして俺は、無駄な飾りをつけて品位をおとしていたのか?
◇◆◇◆◇◆◇◆
「フィーネ様、どうか兄様をこのまま神徒にしてくだされや」
まもなく約束の一月の半分が過ぎようとしてた。
俺の神聖魔法は上達することなく未だかすり傷ぐらいしか癒す事ができない。
焦っていろいろ試してみたのだが、手ごたえがまったく感じられない。
清き心とは何なのだ?もしかして俺にはそんな心がないのだろうか?
いったいどうすれば清き心を手に入れられるのだ?
そんな行き詰っていたある日、妹の部屋から声が聞こえてきた。
「しかしマリアージュ様、兄君の行いはどう見ても、打算あり気の偽善ではありませぬか?」
その声は、聖教会の…シノリスか。
俺の行動が偽善?
「かのお方の行動は、神徒になりたいが為の行い。相手を想ってのことではありますまい。あれでは清き心など程遠い」
「それでも兄様は変わろうとしておる。たとえ偽善であっても、その行為自体は善行であろう」
確かに、俺が今善行を行っているのはシノリスの言うとおり、神徒になりたいが為だ。
だがどうなのだ?たとえ神徒となっても、神聖魔法がこの程度では…俺もマリアと同じく役立たずと言われるのか?
神徒になれば…義務が発生する。それは回復魔法で人を癒すこと。だが、俺が神徒となってそれができるのか?清き心の分からない俺に?
神聖魔法が使えるのにそれを思う存分行使できなければ、それは落ちコボレだ。もはや王位など…
神聖魔法が最初から使えないのであれば、俺はこのまま…
「マリア様、そこまで言われるのなら、あなたにも試練を受けてもらっていいですか?」
「わらちの試練とな?ふむ、よいぞえ、何をすればいいのかえ」
「痩せてもらいましょう」
「それは名案だな!」
マリアが痩せる!?いくらなんでもそれは無理だろう!
あやつは子供の頃からずっと何かを口に入れて…いやまてよ、昔は痩せてがりがりだったような気も?




