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吾輩はねこである。えっ、マジで!?  作者: ぬこぬっくぬこ
第三部 なんだかカオスな感じになってきました。あ、最初からか。
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第五章 下手の考え休むに似たり

「あれ?どうされたのですか、そんな部屋の隅っこで」


 私が部屋に戻ると、女神様が部屋の隅っこで膝を抱えて座り込んでいた。


「あちきは今、猛烈に落ち込んでいるにゃ…」

「何があったのですか?」

「あちきは愛の女神にゃ。その愛の女神が本気を出したのにもかかわらず、ダーリンの好感度が上がらないのにゃ。むしろ駄々下がりなのにゃ!」


 まあ、フォークを頬に突き刺せば誰でも怒るかと思われる。


「そこでこの愛の女神!今一番の出世株、ネイリスに教えを請いにこうして来てやったのにゃ!」


 突然立ち上がり指を突きつけてる。と思ったら、


「どうかあちきにダーリンの好感度アップの方法を教えてくださいにゃ」


 そう言って土下座して来た。

 高飛車なんだか卑屈なんだか。

 しかし、すっかり土下座が様になって…ジョフィの教育の賜物なんだろうか。


「お顔を上げてください。私など、特別なことは何もしておりません。お教えすることなど…」

「今日だってダーリンにあーんをしてたにゃ!お箸で間接キスだにゃ!うらやましいにゃ!」


 えっ、間接…キス…だと!ななな、なんてことだ!そ、そうか同じ箸で私は…うわっ、なんだか顔から火がでそうだ!


「まるで長年付き添った夫婦のようだったにゃ。あちきもそれやりたいにゃ!」


 そ、そんな夫婦だなどとぉ!

 私は思わずベッドに向かってダイブし、布団を被って身悶えする。

 と、女神様も同じようにダイブして来て布団に潜り込んで来る。


「こうかにゃ?こうだにゃ!?」

「あ、いや、これは好感度アップとは何も関係は無いです」


 女神さまはがっかりした顔で私を見てくる。

 しかし、急に好感度アップと言われても…


「ネイリスは要所要所で決めてくるのにゃ!ダーリンの好感度もぐっぐっとアップしてるのにゃ!」

「ほんとですか!…いやしかし、思い当たる節はありませんが」


 私がジョフィに喜ばれるようなことをしただろうか?むしろ私はジョフィからもらってばかりのような気がする。


「よく思い出すのにゃ。きっと日常に秘密が隠されているのにゃ」

「そうですか…そう言うことでしたら、女神様、一度私に変身して一日過ごしてみますか?」

「にゃ?」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「いだいのニャー!きついのニャー!あのおっさんども加減をしらんのニャァア!」

「何お前、なんでネイリスさんに化けてんの?」

「にゃ!なんであちきだとバレタにゃ?」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「えっ、好感度アップの方法?」


 わたくしが部屋に戻ると女神様が土下座して待っていました。

 詳しい話を聞くと、ジョフィの好感度アップの方法を教えて欲しいと、そう言うことでした。


「ティアはふとした瞬間に爆発的に好感度が上がるときがあるのにゃ!」

「そ、そうですか」


 ジョフィの好感度が上がっている?

 あら、なんだかちょっと顔が熱くなって来たような気がします。


「ま、まあわたくしぐらいだと、殿方を虜にするなど容易いことですわ」

「さすがティアなのにゃ!ぜひあちきにもその方法を伝授するのにゃ」


 え、えーと…突然言われましても…


「うーん、やはり殿方を虜にするには優雅な姿、そして華麗な立ち振るまい?」

「ふむふむ」

「どうですか?一度私の変わりにマナーのレッスンを受けられては?」

「にゃ?」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「ひぎぃい!」

「まあ、なんざますかその下品なお声は!背筋を伸ばす!紅茶は音を立てて飲まない!」

「もうイヤだニャ!その鞭は地味に痛いのニャ!」

「痛くないと学びません!」

「今度はティア様か…まあ、なんの遊びかしらないが、頑張れ」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「はぁ、姫の気をひく方法ですか?」

「うむ、痛くない方法で頼むのニャ!」


 女性の気を引く方法に痛い方法があるのだろうか?


「某は、気を引くつもりは毛頭ありませぬ。姫の為になるなら、ただそれだけの想いでございます」

「そんなことないにゃ!クルーカは毎日ちょっとづつ好感度が上がってるニャ!たまーにガクッと下がるときもあるにゃが…」


 姫がそれがしのことを…!?うむ、なんだが誇らしく思える。これからも誠心誠意お使えせねばな!


「やはり、いつなんときも離れず、しっかりとお守りすることが大事なのではないでしょうか」

「さすがストーカー!目の付け所が違うニャ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「…今度はクルーカか。怖いんで分身はやめてくれないかな?」

「ふっふっふ、どっちが本物か分かるかニャ!」

「お前が偽者だろ」

「ニャ!なんでバレタニャ!」


 そりゃお前、語尾ににゃんて付けてたら…


◇◆◇◆◇◆◇◆


「不束者ですが、よろしくお願いしますにゃ」


 …なんかベッドの上に三つ指を突いた猫耳娘が座っている。


「あちきは確信したにゃ!好感度ゲージなどの見た目に惑わされない、本当の愛があるということを!」


 今度は何をやらかすつもりだ?

 つーか見えてんのか好感度ゲージ。


「ダーリンはあちきがどんな姿をしていても判別ができるニャ!フェン介のような特殊能力の欠片も無いのに!」


 お前はオレを貶しにきたのか?


「きっとそれは、愛のなせる技に違いないのにゃ!」

「いやそれは・」

「皆まで言わなくても分かるにゃ!ゲージはマイナスに振り切っているというのに、きっとその心の奥底にあちきへの熱い愛を潜めているのに違いにゃい!あっ、またゲージが下がったにゃ?」


 こいつはいかん。こんな場合、碌なことが起こらないのは身をもって知っている。

 今すぐ逃亡を。


「あちきとしたことがただのゲージにこだわりすぎていたのにゃ。愛に形はないというにゃに!あっ、逃げた!」


 どこだ!どこに逃げれば!いかん、奴の方が足が速い!


「きっとダーリンはあれなのにゃ。いやよいやよも好きのうち」

「そんな好きはねぇええ!」


◇◆◇◆◇◆◇◆


「アフローティア様、今日は抱いていくと言いませんのね?」

「ふっふっふ、あちきとダーリンには目に見えない絆があるのにゃ!」


 本日は久しぶりの登校日。

 なんでも王子様がオレに聞きたいことがあるとか。

 今回も猫耳娘がオレを抱いて行くとか言い出さないか戦々恐々であったが、今日はやけに大人しい。


「だからもう努力はしなくてもいいのにゃ!」


 …ほんとダメ猫ならぬダメ女神だなぁ。まあ、その方が回りに被害が出なくていいけど。


「あ、あの、では、たまには私が抱いて行っても宜しいでしょうか!」


 そう言ってオレを抱き上げるネイリスさん。

 うぉっ、ふかふかでござる!

 やはりネイリスさんは至高の存在である。


「む、ちょっとなんかデレッっとしてません?」


 ティア嬢がオレを覗き込みながら顔を両手で挟んでくる。

 オレは一生懸命平静を装う。

 と、ティア嬢は自分の額をオレの額に当て、


「あなたはわたくしのものよ、誰にも渡しませんからね」


 そう言ってくる。破壊力はばつぐんだ。


「あっ、なんか好感度ゲージが大上昇中なのにゃ!やっぱあちきが抱いて行くのにゃ!」

「まあ少しくらいいいではないですか。女神様には無限の時があるのでしょう?」


「にゃ?確かに…女神には寿命が無い。そしてダーリンも長寿種!なにも慌てなくてもいつかはあちきと二人っきりにゃ!」

「そんなに長生きできるかねぇ、ここ数年で何回死にそうになったことやら」

「大丈夫にゃ!最悪ゾンビ化という手もあるにゃ」


 …コイツ、実は邪神本人じゃねえだろうな?


 とりあえず、授業が始まる前に王子が指定した教室に赴く。

 そこにいた王子は開口一番こう言う。


「フィーネに会いたいと言う者たちが集まっている」


 と。


「王子、フィーネに会いたいとは、女神としてでしょうか?」

「そういうことだろうね」


 なんだか投げやりに見える。


「こないだ説明に上がったときに内密になっていると言ってませんでした?」


 王子とリン、ビッツには本当はオレが女神でなく、この猫耳娘が女神だと話している。色々と便宜を図ってもらおうと。

 そのときに聞いた話では、フィーネ女神事件のことは、緘口令を敷いて秘密にするとのことだった。


「だよね、そういうことになったはずだよね…でもね、私の父上がだね」


 王子の父上、つまり皇帝陛下が、治った右目を隠そうともせず、かつ片足が無かったはずの元将軍を引き連れて各国を漫遊したらしい。


「いやー、我が国は原則宗教を認めていないだろ?ほら皇帝の上を置かないという意味で。そんなもんだから信仰も薄く、神徒が現れるなど予想もしてなかった訳だよ」

「うむ、おかげで瘴気の溜め込みに気づけなかったのにゃ」

「ハハハ、耳が痛いね。まあ、そんな訳で会合のたびにちくりちくり、言われていた訳だよ。それがどうだい、神徒どころか女神光臨と来たもんだ」


 自慢したくて仕方がなかったと。


「まあ、そういう訳なんだよ。まったくいい大人がだね」


 なるほど、それを知った各国の神徒がこぞって帝国の神徒に会いたがったと。


「欠損を補えるほどの魔法は今まで聞いたことがない。今居るどの神徒も無理な話だ。できてたらとっくに治してるよね。まあ、そんな神レベルはもしかしてとだね」

「ちゃんと否定しなかったのです?」

「緘口令、すなわちイエスともノーとも言わない。そう言うものだよ」


 居るとは言わないが、居ないとも言わなかったと。


「隠されると暴きたくなる。まあ例によって各国の神徒が会いたいとね。もちろん断ったよ。我が国に宗教的存在は原則受け入れないとね」


 それなら問題ないのでは。と、思っていたら続きがあった。

 王子が言うには、その神徒達が共和国に泣きついたらしい。

 この共和国が曲者で、我が帝国と仲が悪い。というより王政を憎んでいる。

 民主主義だなんだかといって、国民の投票により代表者を選ぶ政策を取っている。まあそれはいいことなんだが、問題は他所までそうするべきだと口を出してくる。


 特に帝国は悪だと。夜な夜なパーティを開き、奴隷を戦わせ、気に入らない召使は暴行して虐殺するとか。

 現場を見た訳でもないのに、あることないこと周辺国にまで言いふらしてるらしい。


 そんな国だから、


「我が帝国が神を捕らえ奴隷としていると言って来た」


 そんな言いがかりも平気でつけてくる。

 自分達が正しいと思っている奴らはたちが悪い。

 自分達は正義だから、自分達と違うものは悪である。いや、悪で在ってもらわねばならないと。


「前から我が国とは話が合わないが、今回は特に煩くてね。それにいつもは仲裁に回っていた王国も今回ばかりは向こうについている」


 なんでもその王国、先祖が神様とか言ってるらしい。

 なので、神か神徒かが関わっている今回のことは捨て置けないとのことだ。


「たぶんあってるにゃ。数百年前とある神様が地上に降りてうはうはしてたにゃ」

「確かお前、それを真似たんだっけ?」

「そうにゃ。あちきもうはうはしたいにゃ!」


 …お前やっぱ、オレのことはどうでも良かったろ?


「ハッ、違うにゃ!あちきはあくまでダーリンの為を思ってのことにゃ!」


 オレの冷たい視線に慌てて訂正する猫耳娘。だがその視線は宙を泳いでいる。


「とりあえずフィーネの意見を聞きたいね。つって、ちょっと!こんなとこで素っ裸はやめてくれないかな!」


 フィーネに変身したオレを見て王子が慌て出す。

 そんなこと言われても服なんて持って来てないが。


「姫、これを」


 クルーカが服を差し出してくる。


「おっ、準備がいいな」

「ハッ、常に懐で温めております故」

「………………ナマあったかいヤ」


 あっ、パンツまである。さすがにこれはアウトだと思うのだが。



◇◆◇◆◇◆◇◆


「ヒャーッハッハッハァア。悪の帝国は神に愛されていない?だから神徒など現れるはずがない?どこの誰かなあそんなこと言ってたのはぁあ?」

「っく、たまたまザンス!いえ、きっとどこからか攫って来たに違いないザンス!」

「いやー、神の血?すっかり薄くなっちったなぁ。まさかさんざんバカにしてた帝国が神に選ばれるとはねぇ」

「っく、ま、まあ、そんなこともあるだろう」


「…大将、挑発しすぎとちゃいまっか?」

「がっはっは、良い良い、今まで散々わしらをバカにしちょった報いじゃ」


 元大将軍のゲン閣下が天剣様の頭をバシバシ叩きながらそう言う。


「ほら、リンも何か言っちょれ」


 そんな無茶ぶりはやめろよ親父。場の雰囲気は最悪だ、胃がきりきり痛む。くそっ、あのときグーを出していれば…

 ここは共和国の首都官邸、現れた帝国の信徒について各国から説明を求められたので、場を用意されたとのこと。

 …本来なら外交官が出ればすむ話なのに、わざわざ皇帝が直接出向くとは。よっぽど自慢したかったのか?


「おい、証人であるお前が話をせんとすすまんぞ」


 そう言って片足を上げおもむろに靴をぬぐ。


「うむ、新しい足はほんにようできておる、傷一つないわ」


 そう、ついこないだまでは無かった足をだして。

 それを見て周りの人たちは騒ぎ出す。


「本物なのか…きゃつの足、確かなかったよな?」

「ああ、それに皇帝の右目もなかったはず…」

「部位欠損を補う?そんな奇跡、今居るどの神徒もそこまではできないぞ」


「おお、そうだった。リン、我が国に現れた神徒について話をせねばならんのだったのぉ。ん、今何人だっけか?」


 皇帝が俺に問いかけてくる。

 そんなわざわざ周りを挑発するように言わなくても…

 くっ、各国のどえらいお方に凝視されてすごいプレッシャーだ。

 なにゆえビッツがあんなに行きたがらなかったのかようやく理解できた。せめて言えよな…アイツ。


「ハッ、我が国には現在、3名の神徒が居ます」


 俺がそう言うと周りが騒ぎ出す。

 今まで、各国あわせて確認できていた神徒は4名。それに近づく数字だ。たった一国で。

 とはいえその1名、ジョフィは迷宮で行方不明となってるけどな。それに、フィーネと同一人物なので実質2名。そのことは皇帝にも言っていない。いまさら言えないわな。


「おぉっとぉ、そういえば先ほど入った情報を伝え忘れておったな」


 そのまま忘れといてくれ。


「実はだなあ先ほど4人目の信徒が確認されたんだがなあ。ネイリス・シュレーヤ・シュバルツハルト。我が国の騎士爵家のものだ」


 それを聞いた共和国の代表が立ち上がり大声を上げる。


「大嘘ザンス!貴族から神徒が現れるはずはないザンス!」


 そう、今までは貴族から神徒は現れたことはなかった。王国の王家を除き。

 共和国の連中はそれを指して、貴族階級は神に認められぬ制度だと言ってたっけ。

 しかし、とうとうネイリスまで神の加護を受けたか。俺にもくれねえかなあ…


「まあ、落ち着きたまえ。たしか帝国の騎士爵と言えば武功を上げた平民のことであろう。それなら貴族とはいえども限りなく平民に近いものだ」

「そ、そうザマスか…わたくしとしたことが取り乱したザンス」


 確かにネイリスは貴族と言えども由緒正しいとは言えないだろう、だが、


「これで二人目の貴族の神徒だな。由緒正しき我が国の公爵家の娘に続きな」

「なっ…」


 そう、神徒の一人であるティアは貴族中の貴族、王家に継ぐ由緒ある一族なのだ。


「ねえねえ、今どんな気持ち?ねぇ、どんな気持ち?」

「大将…うざキャラがすぎまっせ」


 共和国の代表はプルプル震えている。やばいんじゃねえかアレ。

 天剣様は必死で皇帝を止めている。

 と、皇帝はおもむろに後ろを向き、


「それでは報告は終わった、帰らせてもらおうか」


 そう言って場を出て行こうとする。


「ま、待つザンス!の、残りの二人は?」

「それについては伝えることは何も無い。あえて言うならば、平民でも貴族でも無い、そしてこの地上のどの国にも属していないものだ」


 もうほとんど答え行ってるジャン!


◇◆◇◆◇◆◇◆



「ま、そう言う訳なんで、一度共和国に来てその存在を証明しろとね」

「ふむ…行って無事に済むものなの?」


 オレは王子に問いかける。


「さてどうかね。最悪戦争に発展するかもね」

「えっ、なんで?」

「あっちは王政よりたちが悪かったりするからねえ」

「民主主義なのに?」


 王子は、共和国の悪い噂って奴を話してくれる。

 なんでも民主主義、ようは、多数決で代表を決めるってのが不味いらしい。

 まず金持ちが金をばら撒いて票を集める。

 その次にマルヤなお方が暴力で票を集める。


 そしてそう言ったものが力をもつと対抗勢力を粛清する。

 そして自分達のいいなりになる人間ばかりにする。

 むろんそんな人たちはノブレス・オブリージュ、すなわち貴族の誇りやら義務など持ち合わせていない。

 おや不思議、民主主義なのに帝政以上の圧制が。


 民主主義ってある意味怖いのかもな。数が多い意見が皆で幸せになりましょうって感じならいいが、数が多い意見が、数が多い方を優遇しようってなる可能性もあるんだよな。


「まあ、向こうが尾ひれ背びれをつけてこっちを悪く言うように、こっちも多少の誇張が混じっているだろうけどね」

「へえ、王子は随分客観的に物を見れるようになりましたね」

「…そりゃね、一時は后にとか思っていた人物が実は男だと言われたらね。どんなものも疑って掛かるようになるよ」


 じと目でこっちを見てくる。オレは悪くないよね?悪いのはこっちの猫耳娘ですよ?


「にゃ!?あちきも悪くないにゃ!」

「まあ、もういいけど。私が共和国に行った場所ではうまく民衆がまとまっているとこもあった。ただ地区によっては…あそこはほんと場所場所で随分違っている」


 そういやこの世界、新聞などの情報伝達能力が十分じゃないんだよな。どうやって候補者を選んでんだか、いちいち演説を聞きに集まってるのか?


「まだまだ文明は低いのにゃ。学校も普及してにゃいし。魔法があるってことが発展を妨げる原因の一つにゃ」


 ふむう、小学生に多数決で政治の方向を決めてって言ってるようなもんなのか?


「まあ、それも村や町などの狭い範囲での話。国クラスの代表となると…いい噂を流したものが勝ちとなる。そうだね、たとえば神徒を従えてるとかね」

「こえーよ!狙われるの決定じゃねーか!」

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