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記憶を失った魔術師  作者: 壱マル
2/2

ここは何処?僕は…

ーーー肌寒さを感じて目が覚めた。

 どうやら僕は森の中の大きな木の根元に何もかけずに寝ていたみたいだ。


「そりゃ、寒くなるよなぁ...。」


 空も曇っていて今にも雨が降りそうだし。


 雨具はちゃんと荷物にあるけど、降る前にどこか雨に濡れない野営地を見つけないと、この辺だと......ん?

 ここはどこ?ってか何でこんなところで寝てたんだっけ??


 あれ?見たことある気がするけどなんか違う気もするし...。

 えっ迷子?いや遭難??

 ていうか本当になんで僕こんなとこで寝てたんだっけ??

 そういえば、荷物が無くなってる!?

 あれ、本当にヤバい??


 盗賊に襲われて荷物奪われて転がされてた!?

 それとも、魔獣に襲われてーーー??......いや、とりあえず落ち着こう、1つずつ振り返るんだ。


 今日はやっと12歳になって冒険者登録ができる年になったから、サルガス村を出て冒険者ギルドがあるジバ街に向かってたはず!

 でも...ここはいつもの道とちょっと違う気がする...ジバ街には何度も行ってるから間違わないはずなのにーーー。


 本当にここどこ!?

 てか、荷物ないって本気でやばいやつじゃない??

 えっ、落ち着いてる場合じゃないのかも!?

 思い出せ僕!頑張れば思い出せるって!!


『トミーーー!!』

 

「えっ?」



 周りを見回してみても誰もいないし、不思議な頭の中に声が響いていたような??

 さっきの声は誰のだったんだろう?

 凄く必死な女の人の声…うーん、あんな声の知り合いはいない...はず...?


 はっ!っていうか、なんか薄暗くなってきてない?

 もう夕方!?

 そういえば森の中だった!!

 どんな魔獣が居るかも分からないし、盗賊が居るかもしれないし、雨降りそうだし、とにかく暗くなる前に早く森を出るか野営する場所を見つけないと!


 荷物もないし手ぶらで無暗に歩き回るのも危ないけど...うーん、このままここに居るのも危ないし......うん、とりあえず森から出よう!!

 途中で人に会うかもしれないし!


 立とうとした時、ちょうど座っていた木の根の隙間に何か挟まっているのが見えた。

 よく見てみると、木の棒の先端みたいで上の方は木の根に埋まっているようだった。

 気になったので軽く引っ張ってみると、何の抵抗もなくすぐに取り出せた。

 それは持ち手の部分に綺麗なグリーンの宝石が付いた魔法の杖だった。


 うーん、なんか手に馴染んでる?

 ん!?そういえばなんか手が大きくなってない?

 視線もいつもより高い気がするし...体つきもがっしりしてる??

 えっ?どういうこと?急な成長期?

 いや、そんなわけ無いよな??


「ーーーっ!!」

 背後に殺気を感じて咄嗟に横に飛びながら振り返ると

 さっきまで僕がいた場所に、爪を振り切った緑色の熊のような魔獣グリーマがいた。

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