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エピローグ
『私も、もうダメみたい......今から全力であいつの動きを少しだけ止めるから、その間に転移でギルドまで戻ってーーあんたなら出来るでしょ?』
ボロボロになりながら戦い続けるあいつの途切れがちな
しかし強い意思のこもった声が頭の中に響く。
でも、分かってるはずなんだ...。
今残ってる魔力じゃ自分だけしか移動できないってこと。
『俺だけ逃げろってか!?』
『今動けるのは私とあんただけ...そしてこの状況をギルドに報告することが出来るのは、長距離転移が出来るあんたしかいない!
早くギルドに知らせないと...この世界が危ないっていうのは馬鹿なあんたでも分かるでしょ?』
『でもーーっ!?』
俺が言い返そうとした時それは起こった。
決して目を離していないはずの魔人の姿が消えて、次の瞬間には目の前に立っていた。
「トミーーー!!」
反応できないでいる俺を嘲笑うかのような魔人の顔と、悲鳴のように俺の名前呼ぶあいつの声を最後に意識が暗闇に飲み込まれたーーー。