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どうにかして来た道を戻り、あの宿街への道まで着いた。そこには未だゴーレムが立ちはだかっている。
「行くか。」
頷く。
「よし、かかれぇ!」
カルルは叫んでゴーレムに向かって行く。僕は弓矢を構えた。
ジノヴィが、道中で覚えた魔法でゴーレムを眠らせた。その隙に僕たちが攻撃する。ゴーレムが目を覚ましたら、また眠らせ、攻撃。
「グゴ・・・グゴゴ・・・」
ゴーレムが唸り声を上げた。それから、何処かへと去って行く。
「大丈夫?」
戦いで傷ついた体に、ジノヴィの回復魔法が当てられる。これも道中で覚えたものだ。
「ありがとう。」
道の先を見つめる。ここを進めば、魔道士がいるという宿街に行けるんだ。
誰からともなく、行こうという声。ゆっくり歩き始めた。
街へと到着する。家々と宿屋が一緒になって連なっている。成る程、宿街と呼ばれるわけだ。
「魔道士の話を聞こうよ。」
2人は頷いた。
街の人に魔道士のことを尋ねる。だが、首を傾げられるばかりだ。
そんな中、ある人が言った。
「あぁ、それなら聞いたことあるよ。街の奥の方にあるボロの宿屋。あそこの主人が魔道士らしい人を保護したって。」
その人に詳しい場所を尋ね、僕たちはその宿屋に向かった。
話で聞いた宿屋に着く。早速主人に聞いてみる。
「この宿に、魔道士がいると聞いたんですけど・・・」
すると、主人は困った顔をした。
「いることにはいるのですが・・・」
主人はううんと少し唸り、悩み始めた。それから暫くして、僕たちを見る。
「お会いしてみますか?」
僕たちが頷くと、主人はその魔道士のいるらしい部屋に案内してくれた。
「・・・眠ってる?」
「はい。ですが、ここに運んでから、まだ一度も目を覚ましていないのです。」
その魔道士をよく見る。呼吸はしっかり行なっているので、死んでいることはなさそうだ。本当に、ただ眠っているだけらしい。
「どうして目を覚まさないんだろう・・・」
すると、主人がポツリと呟いた。
「噂に聞いた、エルフの涙があればもしかしたら・・・」
「おじさん!その、エルフの涙って何?教えて!」
「確か、いかなる病や呪いをも打ち消してしまう物だとか。」
ただ、どこにあるかは誰も知らないそうです。と主人は言った。
ならば自力で探すまでだ。僕たちは顔を見合わせた。
歩き回るうちに見つけた洞窟の中を僕たちは探索する。進めば進むほど、洞窟内は暗くなっていく。
ジメッとした空気、暑いのか寒いのかよく分からない気温、見えてこない終着点。そのせいで全員がピリピリとした空気を放っていた。誰も口を開かず生まれる沈黙や、それによりやけに大きく聞こえる、滴り落ちる水の音も不快に感じながら、ただただ進んで行った。不快感を魔物にぶつけつつ・・・
「・・・ねぇ。」
暫く進んで、沈黙を破ったのはジノヴィだった。
「あっち、見て。」
指差された方には、洞穴が見えた。
「入ってみようよ。」
頷き、進んで行く。
その中には、淡い光に照らされた台座があった。そしてそこに、小さなビンが置いてある。
「あれが、エルフの涙?」
ジノヴィが近付いた瞬間、火の玉が彼の目の前に飛んできた。
「うわっ!」
「エルフの涙は渡さないぜ!」
一匹の魔物が突然姿を現した。




