OLのハーピィさん
こんばんは、そしていらっしゃっいませ。
今日もここ、「Monster」は空いてますよ。相変わらず多くの人々?にご来店してもらってます。今日は一段と荒れている方が・・・
「マジありえないっつーの・・・なんでまたセクハラされなきゃなんないの!!!!」
カンッと強くグラスをカウンターにぶつけ、愚痴をこぼしているのはハーピィの鳥取さん。矛盾してるような名前・・・いえ、なんでもありません。
どうも聞く話だと毎日のように上司の方からセクハラをうけ、苛立っているようです。まぁ触られてうれしく思う人?はいませんからね。
「今日もまた一段と呑みますね。」
「呑まなきゃやってなられませんからねぇー!」
グラスを左右に揺らし、しばらく眺めていたらいきなりカウンターに頭ゴンしました。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃなさそー」
「大丈夫ですね。」
グラス磨きを再開すると鳥取さんはいきなり両手を羽に戻し、バサバサと振った。
「ちょっとマスター!!!!寂しくない!?
こちらと絶景の美女が上司のセクハラ堪えてぐだって悲しんでるのを「大丈夫ですね」で済ませないでよ!」
「お、落ち着いて下さい!」
ハーピィは元々、人や家畜を山の上にとさらい、食事していたそうです。中には人に化けて山に連れてって集める事もあるそうです。鳥取さんもその種類なので正直美人です。胸も大き・・・いえ、とにかく美人さんですよ。
なのでこの人間社会ではよく目をつけられるみたいですね。ちなみに今は両手を羽に戻し、バサバサするもんですから羽根がすごく舞ってますよ。これはあとでの掃除が・・・
「あーもぅ・・・最悪・・・マスター、お代わり。あといい男紹介して。」
「どちらも無理ですよ。もう飲み過ぎですよ。タクシー呼びましょうか?」
「・・・いい。一人でかえれるし。」
と言いながらもカウンターに伏せて寝てしまいました。
「そこじゃダメですよ。」
「全然寝てな...zzz」
「寝てますよ。」
「むぅ、マスター、おかわり。」
「ハァ、そっちのソファーなら使っても大丈夫ですけど?」
「大丈夫」
そういい伏せたまま、泣きはじめましたね。
「仕事変えたいよぉ。もーセクハラやだ!」
「変えられないですよね。特に会社員では。」
「本当・・・私達は学校にいけないからね。」
「学校がないんですか?」
「というよりも、人間に化けれないの。私だって今は美人だけど昔は羽ついてるわ鳥脚だったわよ。」
美人・・・あ、はぃ。
「まぁでも本当はこうゆうところより山にいた方が楽だったよ。」
「そしたらうちの自慢のお酒が飲めませんよ?」
「マスター誘惑して盗るから大丈夫」
「本当にやりそうですね。」
「冗談、大丈夫、今日はもー帰るわ。マスター、お酒も男も出してくれなさそうだもんね。」
「本当勘弁してくださいよ。男だけはさすがに無理ですよ。」
「はいはい、んじゃまた今度くるよ。そん時マスターに女の子紹介しようか?ニヤニヤ」
「大丈夫です。というよりニヤニヤしないで下さい。」
まぁ、バーは仕事での疲れ、溜め事を吐き出すところですからね。
羽は・・・まぁたまには許しますよ。
そろそろ閉店です。
掃除が・・・
また明日、来て下さい。