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只今妊娠中

妊娠した。まさかの妊娠だった。びっくりした。てゆーか、勝手に私は妊娠しないとまで思っていた。結婚して4年、避妊していたわけでもないのに子供ができなかったし、何よりとりたてて子供を望んでいなかった。母になった自分をイメージできなかったことも理由のひとつだ。今、仕事して お給料はおこづかいで 好きなもの買ってエステやネイルサロンに通いまくって、おいしいもの食べに行ったり夫婦で旅行にいったり、自由にしている自分がそれらを引き替えに母になれるとは到底思えなかった。もひとつオマケに私はぎりぎり30代だったので…40歳になる2歩手前だった。世間ではやれ不妊治療だ、代理母だと大変な思いをしている人もたくさんいるのに、そんな簡単に私が妊娠するのか?

もしかしてできたかも…とそれでも夫にいいながらフライトに出た。でもきっと生理が始まるよ ステイ先で。とも言った。行き先は数ヵ月に一度スケジュールに入るかどうかのパリ。そりゃあ 何がなんでも行きたいさ。

結局それが私のラストフライトになったのだけど…

話を戻そう。

結局妊娠が判明した。その時点でもうフライトは出来ない。産休か、または産前地上勤務かを選択できる。私ははずみで地上勤務を選んだ。フライトならたいていは、タクシーで通勤できる時代だった。が、地上勤務となると真面目に公共交通機関を使わなくてはならない。でもリムジンバスは認められない。初めての電車通勤だった。成田まで路線バスを含めて4回乗換え、二時間近くかかった。妊娠中に思い知ったのは 公共の場で席を譲ってくださるかたがほとんどいないということだ。確かに妊娠初期は妊婦であることはまずわからない。人によっては6ヶ月すぎてもわかりにくい。譲る側としては「単に太っているだけかもしれないし微妙なことだからもし妊婦でなかったらマズイ」と思うらしい。実は私もあまり気付かれなかった。冬だったのでコートを着てしまうとますますわからない。よく夫に「もっと妊婦らしく歩かないと」と言われた。どうやら私は歩く速度もかなり速く、姿勢もやたらによかったらしい。夫はペンギンのように歩くのが妊婦と思っていた。夫

いわく 妊婦らしく歩けば周囲も気付いて例えば 席だって譲ってくれるはずだ。果たしてそうか?私のお腹がかなり目立ってきてもその私を押し退けて席をとる人もたくさんいたし 目の前に妊婦の私がいても譲ってもらえることはほとんどなかった。いや皆無だった。

実際そんなに座りたいのかというと 私の場合そういうわけでもない。ただ座ったほうが安全だというだけだ。もちろん楽でもある。何より譲ろうとしてくれる気持にとてもうれしさを感じる。

でも私も妊娠するまでは妊婦には冷たかったかもしれない。電車にのって妊婦を意識したこともないし 妊婦とわかっても「病人じゃない」という認識だった。もっというと お年寄りにですら 私のほうが疲れてると思い 寝たふりしたこともある。

妊娠してみて 世間の無関心さを痛感した。以前の私を含めて健常者の傲慢さも実感した。体が普通でない大変さもわかった。優先座席なんてあってないようなものだ。駅などのエレベーターも あなたは階段使いなさい!と言いたくなるような人が先を争ってのる。

長男は今二歳だが混んでる電車では立たせるようにしている。そしてたまたま座っていても 必要とする人にはゆずらせる。もちろん私も立つ。ママとしっかり手をつなげば大丈夫、男の子は立とうねと教えている。いいか悪いかはともかく、少なくとも先を争って席をとったりする子供や、自分のおばあちゃんに立たせて平気で座る孫にはなってほしくない。

どうしても座りたいなら、ガラ空きの電車にのる。夫もそう躾られてきたそうだ。今でも夫は電車では座らない。

世の中のお父さんお母さん、 どう思いますか?


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