表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

くるみ割り人形とねずみの王様  Nußknacker und Mausekönig   ETAホフマン原作のメルヒェン。試論

作者: 舜風人

バレー、「くるみ割り人形」で有名なチャイコフスキーのバレーの原作である。

といったほうがわかりいいだろう。


原作がホフマンと知ってる人もいないかも?


ところで、、


日本に流布する原作の邦訳本の多くは、児童用に脚色されたものであり、


原作の味わいが失われているのは残念ではある。


ここでもまた、ホフマンの作品に頻出する、異界と現実界を自由に行き来し、


橋渡しする奇人役としてドロッセルマイヤーが登場する。


彼は「砂男」での、コッペリウスに相当するわけであるが、役回りは、


マリーに人形界の楽園への橋渡しという、善人役で、まさに、


「黄金宝壷」のアトランティスのサラマンデルたる、リンドホルストに相当する。


マリーはねずみの女王、マウゼリンクスののろいを解いて、


ついには、くるみ割り人形こと、若い王子、、


ドロッセルマイヤーと人形の国で結ばれるのである。


「黄金宝壷」で大学生アンゼルムスがついに緑の小蛇ことセルペンティーナと


アトランティスで幸福に暮らしたように、


マリーも、人形の国、夢の国、詩の世界で幸福に暮らすのである。


「黄金宝壷」と「くるみ割り人形」この2作品は珍しく、詩の勝利、夢の世界でのハッピイエンドにおわっている。


「砂男」での主人公ナターナエルの発狂と自殺という痛ましい、夢の崩壊という結末とは大違いだ。


さらに言うならば、


「イグナーツデンナー」のような、トラバッキオ、デンナーという、2代にわたる、


悪魔に取り付かれ、


愛妻ジオルジナはもとより、いたいけな息子まで殺されて、


アンドレス自身は、獄中で何年も拷問攻めに会い続けたという、


ひさんさにくらべれば、


「くるみ割り人形は」、なんと幸せな、展開と結末という、エンテレケイア


大団円であろうか。



さて



ところでチャイコフスキーのバレーくるみ割り人形は知ってても、


この原作の筋を知っている人はいないでしょうね。





原作はこんな風に始まるんですよ。





クリスマスの夜、、、


フリッツとマリーエは


プレゼントにくるみ割り人形をもらう。


フリッツは不細工なこの人形をバカにして、、、、


ムリに堅い胡桃を割らせて顎を壊してしまうが、、、


マリーエは壊れた顎を包帯でくるんで、、、何となくこの人形に愛着を覚えるのだった、、。


その夜、、、



えーー   ちょっとはしょって、、、



その後ねずみ軍とフリッツの兵隊人形の戦いや、、


ドロッセルマイヤー氏の枠物語「堅い胡桃の物語」が挿入されたり、、


その話を聞いたマリーエは、、今ここにあるこのくるみ割り人形こそ


その呪いをかけられた王子様だと固く信じるのだった。


夜になるとねずみの女王が現れて


マリーエを脅かすが


くるみ割り人形は剣さえ貸してくれればやっつけられると、マリーエに言う、


フリッツの兵隊人形の剣を借りたくるみ割り人形は見事

ねずみの女王をやっつける。


そして、、マリーエを

洋服ダンスの中の外套の中の梯子を伝って


人形の国へ案内してくれるのである。


そこにはジュースの川が流れていて、、


お菓子の町があり


氷砂糖の都もある。


と、、、マリーエは目を覚ます、、。


なあんだ夢だったのか?



しかし、、

ある日


ドロッセルマイヤーの甥と名乗る青年が訪ねてきて、、


マリーーエに「私こそあのくるみ割り人形です」といって



求婚してマリーエと


結婚するのだった。


おしまい。



こんな原作なのだが、、


さてあなたの知っていた?胡桃割り人形のお話は


こうでしたか?


それとも児童用に翻案されたバージョンでしたか?



































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 作品への愛情と、原作の良さです。 [気になる点] 一行ごとに空行が開けられているのが読みづらかったです。 これにはなにか意味があるのかと思いましたが、やっぱり見づらいですね。 [一言] 童…
2014/02/09 15:51 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ