1. Ihr Kampf (3)
Vierte.
灰色のコンクリートに満ちた建物たちの間を通りながら見える建物は、すべて灰色だ。数多くの灰色が私の目を苛だたせる。
昼休み、食堂へ向かう道だが、本当に食欲を失わせる光景だ。
保安局の男が一掃していった場所では、会話という花は咲かず、その状況は今も現在進行形だ。
疑いというものは、一度生まれれば消えない不治の病のようなものだ。 治すことのできない心の病など、もううんざりだ。
そんなものは前世で経験しただけでもう十分だ。そう思いながら自分の心をなだめる。
今日の食事は軍用パンで、
明日の食事は軍用パンで、
今週の食事は軍用パンだ。
私はパンが好きな人間だった。――過去形だが。
こんな固いパンを五ヶ月も食べ続ければ、 普通の人でも五ヶ月で精神病院に行かなければならないレベルの精神異常者になるだろう。
私が処理する書類の中には、時折前線部隊の補給に関する書類も一緒に上がってくる。
それらの書類を参考にすれば、この事態の原因提供者が分かる。
前線部隊にはこれよりカロリーの高い食事が提供されるというのは、当然の事実だ。
肉体的な行為が主な任務である彼らにとって、栄養の補給は重要な要素だ。
それに比べて、私たちのように後方にいる部隊の者たちは、上の人間にとってそれほど重要ではないということだ。
部署官が前に言うには、この事態が始まったのは七ヶ月前かららしい。
その時から戦況が悪化したのか、補給品の質がだんだん悪くなり始めたと言っていた。
だがこの国家はどんな国家か。
ファシズム的な要素をすべて持っている国家ではないか。
そんな情報が新聞の隅に載ることも、今後はないだろう。
副食として出てくるのは少しのジャムと代用コーヒーだけだ。この程度の付加物資もありがたいレベルだと、いつも部署官が言っている。
このような食事を木製のテーブルに運ぶたびに、足取りが重くなる。
軍靴の音が止まり、食事が始まる時間になる。
代用コーヒーの、
カフェイン含有量が0パーセントに近いような香りが私の鼻腔をかすめる。
軍用パンがぱさぱさと乾いた音を立て、
私は「食べる」という行為を始める。
私の前の席ではカタリナが代用コーヒーを飲んでいた。
その光景は、
代用コーヒーに深い風味があるのかと疑いたくなるほどに、古風な雰囲気を漂わせていた。
その気高さに応えるように、
食堂に設置されているラジオからクラシック音楽が流れてくる。
私もその流れに合わせて、
代用コーヒーの入ったカップを持ち上げる。
飲みたいとは思わないが、
軍用パンを食べた後だからか喉が渇いていた。
目を閉じて飲んでみる。
ヴァイオリンの音が流れるのを聞きながら、
代用コーヒーが私の喉の奥へ流れていく。
少しでもコーヒーらしい感じを出そうとしている味と行為だ。
私の右に座っているマリアは、クラシック音楽が終わるまで、
まるで誰かに見られているかのように規律正しく行動していた。
私の頭の中の「疑い」という感情が再びうごめく。
昼休みが終わり、また職場に戻る。
タイプライターの音が始まり、書類がめくられる音が連続して聞こえ始める。
ピアノの楽曲が始まり終わるように、仕事は素早く処理されていく。
そうして今日の仕事はすべて終わり、夕方になり宿舎へ戻る時間になった。
実際、仕事がすべて終わった後に部署官の確認がすべて終われば、
私たちはとても自由な余暇を楽しむことができるのだ。
音楽を聞いたり、社交の集まりに参加したり、
さらには近くのぶどう畑にぶどうを取りに行く者もいるほどだ。
このような平凡な日常は私たちに心身の安定をもたらす。
職場の中での強圧的で硬直した人たちも、
外で会えばみんな隣人であり、一日で親しくなることもできる関係になるのだ。
私は元々そのようなことに慣れていない性格なので、
ただ早く宿舎に戻って新聞や本を読む方だ。
特に本は私にとって非常に大きな影響を与える媒体の一つだ。
正直に言えば、国家が発行する新聞に検閲されていない情報が載っているという期待は持っていない。
新聞の一面には戦争の話ばかりがびっしりと書かれており、
三ページほどめくってようやく日常に近い話が出てくる。
だから二つのうち一つを選ぶなら、
本を選ぶだろ。
この世界の本を初めて読んだ時、私は本当に驚きを隠せなかった。
元の世界では見たことのない新しい物語がぎっしりと書かれているではないか。
童話から小説まで、今まで多くの作品を読み、今も読んでいる。
宿舎の個室で本を読んでいると、いつの間にか眠る時間が近づいていた。
宿舎は快適だ。
兵営に比べれば天国だと言える。
規則もほどほどで、点呼時間の後もあまり干渉されない。
特に女性の場合は個室が存在するという事実が本当に驚きを呼ぶ。
この世界に生まれて初めて、前生のように男ではなく、
女という性別に生まれたことに感謝した。
シャワー室で身なりを整え、
寝室に入ると様々な考えが私に近づいてくる。
私はかろうじてそれらを振り払い、眠りにつこうとしながら一日を終えようとしていたら、
「今日整理した地方都市の名前が……ビシャドルフ、グスタフシュタット、グーテンベルク、だったか……」
私の独り言がだんだん長くなっていた。
「次に休暇が出たら一度行ってみようかな。」
そうして前向きな考えで締めくくった一日だった。
――――
新しい朝の日が昇る。
朝は嫌いだ。
正確には「AM:05」に起床ラッパが宿舎全体に鳴り響くので、
最初の一ヶ月は本当に辛かった。
朝食の時間には軍用パンと代用コーヒーがまた私たちに挨拶をしてくる。
石のように固い軍用パンを代用コーヒーに浸してちぎって食べながら、
考えを整理していて気づいた。
カタリナがいない。
あの古風な雰囲気をまとっていた存在が、
見えない。
カタリナ・フォン・ビーバーベルク。
その美しい少女が。
貴族の家柄という言葉が最も似合うその少女が、
この朝の時間に見えない。
体調を崩して軍医に行ったのだろうか、と考えて、心を落ち着けて食事をすばやく終えた。
職場へ向かう足取りが普段より速くなったのを感じた。
扉を開けて入ろうとした瞬間、
私たちの部署の担当部署官が私の名前を呼ぶ。
「セリーネ補佐、少しこちらへ来なさい。」
彼の表情は少し高揚していた。
私は素直に彼に近づいた。
「中尉、何かご用でしょうか?」
「おそらく朝に気づいたと思うが……
カタリナは国家反逆罪で収容所に送られた。
彼女に関する話はしない方が君の身辺に良さそうだ。」
業務開始を知らせる鐘の音が、静かに鳴り響いた。




