Xデー 信号赤!
Xデー 午前7時
ジー。
低い音が一度だけ鳴り響いた。
「信号赤の反応あり!信号赤の反応あり!繰り返します。信号赤を検知しました!『母船のお印』です!」
ベビーホーガンの部屋が一瞬赤ピンクに染まった。
すぐに元に戻ったが、現場は慌ただしくなる。
「『母船のお印』を検知したので、記録します。」
ベビーホーガンの観察員が分かりやすくベビーホーガンの顔をピンク色で描いたイラストを手の平の大きさに作成。
パソコンのデータ上に記録した。
母船のコックピット内では、ベビーホーガンを出陣させる場所がアースであることを再確認する。
アースにある開発研究所の本社に向かうためだ。
そこには、あらゆる事態に対応できる機材や専門家の開発研究者まで全て揃っている。
今、母船はマーズ近辺にある。
アースまでの距離は、14万km。
母船を使えば14分で到着できる距離である。
「親方!やっとアースに向かえそうでね。あとは5分間隔で振動検知機があり次第さね。」
「遂に3日以内に来る時が来たのだ!」と
母船の機内にいる母船の設備スタッフの人達は盛り上がりを見せる。
さらに、20:00頃に5分間隔で振動検知機が反応するようになった。
開発研究所に連絡する。
「母船番号6060。キーはスピカ。場所はマーズ。
母船の振動探知機が1時間に5分間隔でありました。振動の強さも一定ですので、連絡しました。」
「分かりました。では、開発研究所にお越し下さい。」
開発研究所の受付の方から回答をいただく。
「母船、アースに出動します!」
カタカタカタ、ターン!
母船のコックピット内にいる操縦士が、運転席に座り、
キーボードを鳴らし、最後にEnterスイッチを押す。
マーズの地上で母船が変形する。
「近辺に障害物がないことを確認。エアカーモードに切り替えます。」
母船からアナウンサーの声が響き渡る。
電動垂直離着陸機、通称エアカー(大気の力を利用した空飛ぶ車)に変形した。
母船はマーズの星空の方向に飛び、アースへ向かうのだった。