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第53話 体操教室

 あれから治療院の依頼は続き、本日で最終日となった。医療スタッフは二人みつかり、お金もかからないという理由で今後はラルフのみが依頼を受けることになった。


 そして、俺はというと世界で初めて健康体操教室の講師をやっている。


「では肩のストレッチをします。 まずは肩を上げましょう」

 患者に話を聞くと、あの簡易的な体操が好評のため体操教室を開くことになった。


「今度は手を肩のとこに置いて、肘を回します」


「あっ、花屋のお姉さんそんなに肘をあげると痛いですよ」


「ケントくんたら! もう、私が可愛いお姉さんなんて」

 花屋の店員は俺の話を無視してぐるぐると回している。


「誰もお前も可愛いとは言ってないぞ。 むしろお婆ちゃ――」

 肘を回しながら肘で突っ込む姿に驚きだ。夫だからと容赦ない。


「はいはい、そこの二人サボらないでやってください」

 なんやかんやでトライン街でも馴染んでいいた。


「じゃあ、次は腰をほぐしていきますね。 まず手を足先まで伸ばし体を丸めます」

 椅子に座った状態で足を触るように体を丸めた。


「起こしたら今度は手を上に伸ばして伸びをします。 腰が痛くなる人は動かし過ぎないようにしてもう一度丸めます」

 何度も同じ動作を繰り返して筋肉の柔軟性を高める運動だ。


「あー、これ効くなー」


「腰は毎日痛いからね」

 みんなも同じような動きについて来れているようだ。


「はい、今日の体操はこれで終わりです。 自宅でもできる体操を中心にやりましたので、ぜひやってみてください。」

 自宅でできるセルフストレッチを指導して体操教室は無事に終えた。


「ケントは今日で終わりなんか? 元々冒険者って聞いたけど?」

 花屋の店主は妻から話を聞き来ていた。


 妻に誘われるがまま自宅で体操を始め、腰の調子が良くなったため、今回の体操教室に参加していた。


「そうなんです。 だから自分自身を鍛えないといけないです」

 治療院の依頼を受けてから中々冒険者ギルドの訓練場にも行けていないため、中々体を鍛えることができていなかった。


 死ぬほどマルクスに追いかけられたのが少し懐かしいぐらいだ。


「ああ、鉄槌のマルクスに教えをもらっているそうだな。 俺の現役の時からアイツは目立っていたからな」

 

「マルクスさん有名なんですね。 エッセン町の時には腰痛が酷くて今も毎日リハビリやっていますよ」

 自宅に帰ったらマルクスのリハビリをするのが日課だ。


 その分全ての生活費はマルクスが出している。


「リハビリとは何だ?」


「今の体操教室もリハビリの一環と言えばそうなんですが、リハビリって"元に戻す"とか"あるべき状態に回復させる"って意味なんですよ。 仕事だったり社会復帰だったり広い意味で使われている言葉ですね」

 花屋の店主は少し考えているが中々想像がつかないのだろう。


「とりあえずマルクスは復帰出来そうなんか?」


「本人が言うにはだいぶ戻ってきてるらしいですよ」

 すでにだいぶ痛みの訴えもなく体も筋肉がつき大きくなってきている。


「ああ、なら俺も――」


「あんたは引退したでしょ!」

 花屋の店主は元々冒険者だったらしい。

 Bランクまで上がる手前で体を怪我し、腰痛が酷くなってやめてしまったそうだ。


「俺ももっと夢をみたかったな」


「冒険者って怪我する人が多いんですか?」


「マルクスもそうだが大体三十歳を超えたところが分岐になるな。 名が上がっても怪我で戦えなくなれば依頼も失敗続きになるからランクが下がる。 そのまま自身の能力にあったところに転職するのが一般的だな。 まぁ、スキル【魔法】とかであれば別だけどな」


 基本的に前衛職を中心に引退する時期がはやく、後衛職であれば魔力優位の戦い方をするため冒険者命が長いとのこと。


 ただ、魔力も自然と減ってくるため長いことは活動できないらしい。


「じゃあ俺達は帰るからまたよろしくな!」


「ぜひマッサージの依頼もよろしくお願いします」

 ちゃっかり宣伝しながら花屋の夫婦を見送った。

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