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第25話 採取依頼

 あれからマルクスのリハビリは続いている。そのおかげか俺に対してやっかみの目をを向ける冒険者は少なくなってきていた。


「おはようございます」


「ケントくんおはよう! 今日は依頼休みじゃなかったかな?」

 依頼が休みの日も普段と変わりなく冒険者ギルドに来ていた。マッサージの依頼は週五日で行いその他は休みにしていた。


「今日はEランクになったので採取に行こうと思いまして」

 以前俺が住んでいた森での採取がEランクの依頼になっていた。薬草が分からなくても俺にはコロポ大先生がついている。


「私達がずっとFランクの依頼しか受けさせてなかったもんね。 でもEランクからの依頼は魔物が出るから気をつけてね」

 スターチスは遠くにいるマルクスを見ていた。


「今ケントくんに何かあるとマルクスさんがまた昔に戻っちゃうからね」

 マルクスの腰痛も軽減し普段通りの生活は送れるようになってきていた。


 しかし、現役の時のようにハンマーを振る力も弱く遠出をする体力もないらしい。それでも毎日冒険者ギルドに通うのもリハビリになっているのだろう。


「川より奥に行くと魔物が出てくるから絶対に奥まで行かないようにね。 念のために魔物避けのお香を渡しておくわ」

 俺はスターチスに魔物避けのお香を渡された。


 基本的に採取依頼を受ける低ランク冒険者は、ギルドから一律に魔物避けのお香を渡すようになっている。


 それでも動物による怪我や採取を欲張った子どもが帰ってこないなど被害は稀にあった。


 それはエッセン町や他の街に住んでいる人達に知られている常識だった。だからこそ証拠隠滅のためにケトがそこの森に捨てられていたのだ。


「そういえば何か武器は持ったのかしら?」


「一応短剣は持ちました」

 俺は鍛冶屋の店主から依頼のお礼として以前短剣を貰った。


 エッセン町に住んで色々な人に触れるたびに俺は町の住民達からは温かく見守られていた。


「では行ってきます!」

 俺は採取の依頼を受けて森へ出発した。 


――――――――――――――――――――

【E.リーフ草の採取依頼】

募集人数:常時募集

報酬:10枚1束で銀貨2枚

内容:清爽の森で回復ポーション作成のために必要なリーフ草を1束採取。

時間:依頼承認後3日以内


――――――――――――――――――――


――――――――――――――――――――


【E.マナ草の採取依頼】

募集人数:常時募集

報酬:10枚1束で銀貨2枚

内容:清爽の森で魔力ポーション作成のために必要なマナ草を1束採取。

時間:依頼承認後3日以内


――――――――――――――――――――


 ちなみに清爽の森ってところが俺とコロポが出会った森だ。名前はめちゃくちゃ爽やかな感じがするが、実際は奥に行けば行くほど魔物が出てくるから注意が必要だ。


「森に戻ってくるのって久々だね」


「そうじゃな! わしにとってはずっとここにおったから町の方が楽しいがな」

 普段からコロポは姿を隠して俺が町の中を移動する時は俺のポケットか服の中に隠れていた。


 口ではそう言っているが久々に自分で移動できるため、やはり森の方が生活しやすいんだろう。


「さあ、採取始め……うぉ!?」

 俺は採取をしようとしゃがみ込み草の茂みを見ていると何かが突然俺の上に乗っかっていた。


「ガゥ!」


「おお、お前か! 久しぶりだな」

 俺の上に乗って来ていたのは狼のボスだった。


「もふもふだー!」

 俺は久しぶりにあった狼をスキルを使いながらもふもふした。久しぶりの感触な俺もメロメロになっていた。



 すると何かに反応したのかどこからか次第に狼が集まってきていた。


「うわー、これじゃあ今日は採取できない……」

 気づいたらいつものように狼達が一列に並んでいたのだ。


「ガゥ?」

 そんな俺の様子を狼のボスは感じ取ったのか頭を捻っていた。


「お主、リーフ草とマナ草を知らんか?」

 それを見ていたコロポは狼に話しかけると狼のボスは茂みに戻っていった。


 俺はその間も狼達をマッサージしながらもふもふしていると、狼のボス何か咥えて帰ってきた。


「ん? これってリーフ草じゃないか」

 狼が咥えていたのはまさかのリーフ草だった。なんとコロポの言葉が狼に伝わっていた。


「ガゥ! ガゥ!」

 狼のボスは伏せをした状態で尻尾をバタバタと左右に振っていた。


 その姿は狼というよりはただの大型犬だった。


「森の奥じゃなくて近場にリーフ草とマナ草があるところを知ってる?」

 俺の言葉にまたコロポが狼に伝えると俺の服を噛み引っ張り出した。


「今からついて行くから待ってね」

 狼のボスは我に付いて来いと言わんばかりに歩きながら、俺が付いてきているのかキョロキョロ振り返りながら確認していた。


 その可愛さに俺は採取どころではなかった。

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