表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/280

第10話 指圧にやられました

 しばらくマッサージするとおっさんは息を荒げていた。女性なら可愛いが見た目は小さいが完全におっさんだからな。


「はぁ……はぁ……生まれて初めてこんなに気持ちいいのを体験したぞ」

 ちょっと雑にやったおかげか、小さいおっさんは乱れに乱れきっていた。


「どこにこんな需要があるのか……」

 俺はボソッと呟いているとおっさんは何か考えていた。


「よし!!」


「ん?」


「これからずっとお主と居よう――」


「遠慮しておきます!」」

 まさかと思った言葉が小さいおっさんから聞こえてきた。俺は最後まで聞くことなく拒否することにした。


「早いんじゃ! まだわしは何も言ってないではないか」


「どうせマッサージの良さにずっと付いてくるつもりだよね?」


「うぐ!? あっ……いや……そのだな……」

 俺にすっかりお見通しされていた小さいおっさんは動揺していた。


「まぁ、ここの森で生活するつもりだから別に良いけど――」


「な! ここにいる間で良いからな! ほんの先っちょだけでいいから……」

 先っちょだけでいいってどういうことだ。そもそもそれは女性に使う言葉であって男の俺に使うものではない。


「わぁ、わかったよ」

 あまりにもキラキラした眼差しを向けてくる小さいおっさんに俺は頷いた。


「やっほーい!!」

 小さいおっさんは喜んで俺の回りを周っていた。


「小さいおっさんは名前あるの?」


「名前か? 『コロポックル』っていう種族名はあるが名前なんて持ち合わせてないぞ?」

 小さいおっさんって呼ぶのも可哀想だしな……。


「よし、じゃあこれから『コロポ』って呼ぶか」

 俺が『コロポ』と名前を呼んだ瞬間にコロポの中心に光が纏い輝いていた。


 数分もしないうちにその光はコロポの中に入りケントの頭にアナウンスが流れた。


「妖精『コロポックル』を使役しました。それに伴い魔力量が増加します」


「えっ……」

 俺は脳内のアナウンスに驚いていると、小さいおっさんを纏っていた光は体に吸収され光は消えていた。


「はは、使役されるってこんなもんか。 ほれ、見た目も少し若返ったぞ!」


「いやいや、まだ小さいおっさんだからな! ってか使役ってなんだよ」

 見た目は六十代から五十代になったぐらいの変化しかなかった。


「ははは、使役はパートナーみたいなもんじゃ! これからもよろしくな!」


「おいおい、俺はもうちょっと可愛い妖精を使役したかったわ」


「ははは、それは残念やったな。 これからもあのマッサージを頼んだぞ! ほれほれ、はやくやらんか」


「くそ!」

 ケントは小さいおっさんのコロポを掴み、強めに指圧した。


「ああん、もっとそこを強く!」

 

 その日の森はずっとガラガラ声のおっさんの声が響いてた。


 ちなみに後で聞いた話ではコロポックルの使役は相手の鼻の中に自身の指を入れるらしい。


 先っちょだけでも良いってそういうことかと俺は納得した。

ブックマーク、⭐︎評価よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 「ちなみに後で聞いた話ではコロポックルの使役は相手の鼻の中に自身の指を入れるらしい。」 なんや、気持ち悪い。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ