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たださみしかっただけ  作者: 朝月
三章 警察
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No.4  作戦会議

 時間は少し遡り、エンとレイが事務所から食事処へ降りてきた時。

 食事処ではボードが展開されており、今朝桃源郷へ押し入ってきた三人の警察の名前や役職等が書いてある。

 そして、ラジオの様な機械が中央の机の上に置いてある。

 全員がそれを取り囲む様に待機しており、リルはラジオ――もとい盗聴器の受信機の音量調節をしている。

 エンとレイがその輪に加わると受信機からは礫の声が聞こえだした所だった。

 そして『死にたがりの死神(コーニーアム)』の名前が出た所でリルが口を開く。


「向こうにバレてるみたいだから君たちにも言うけど『死にたがりの死神(コーニーアム)』はミル君の事なんだ。ラストネームは偽名で本名は別にあるしね」


 おそらくあの人達はすぐにここに来るだろう。

 ミルを気遣ってやる余裕は無く、オブラートに包まず直球に話す。

 作戦を立てなければ全てが終わる。


「でもこのボードを見てもらうとわかる通り来てるのは地位が高くて強い人達だから実力行使は最終手段にしよう。皆、僕が合図を出すまでは大人しくしててね」


「ミルはいつから異名保持者だったの?」


 ソルからの質問にミルが肩をビクつかせる。

 ミルは異名がバレた時から様子がおかしく、焦点のあっていない様な目つきで地面を見つめている。


「桃源郷ができる前だよ。放浪してた所を僕がスカウトしたんだ。それで国からの招集とかあると動きにくいから身を隠すようにしてもらってたんだよ。そうしたら指名手配されちゃって出るに出られない状況になっちゃってね」


 とてもじゃないが答えられる状態にないミルの代わりにリルが答えるが、依然ミルの様子は異常のまま。

 それに気づいてハクがミルの足に擦り寄っているが反応はない。

 その様子に我慢できなかったかのかキルが話しかける。


「……大丈夫か?」


「――ッえ、うん! 大丈夫だよ!」


 話しかけられていつもの様子を取り繕うが、無理をしているのは一目瞭然。

 しかし今は構っていられない。

 ミルは少しすれば勝手にいつもの調子に戻るだろう。


「ミルちゃんはどうするの? 見つかっちゃったら無抵抗で言われるがままに捕まるって事?」


「いや、ミル君には否定してもらうよ。それで人違いでしたってならないと思うけど万が一があるかもしれないから一応ね」


「ねぇリル、大人しくするって事はミルが連れて行かれるのを黙って見てないとダメって事よね?」


「そういうことだね」


 レイ、フィーと次々にミルの身を案じる言葉が出てくる。

 しかしレイがそんな事を言うのは意外だった。

 先程直に対峙して何か感じ取ったのだろうか。


「フィー君は優しいから辛いと思うけどできれば問題を起こしたくないから我慢してね」


「わかったわ……」


 その言葉に力は無く、フィーは俯いてしまった。

 我慢できなくなって暴走しなければいいが……


「もし問題が起きたら俺に罪をなすりつけたらいいじゃないか」


 その様子を見ていたエンが口を開く。

 フィーは俯いていた顔を上げ、驚いた顔でエンを見つめる。


「俺も異名保持者だ、罪は軽くなる。重くても留置か短期間の懲役刑だろ」


「でも――」


「いいのかい?」


 フィーの言葉を遮り、エンに確認を取る。

 実際問題ミルの正体を誤魔化す事は難しいだろう。

 だったら異名保持者を主犯格にして警察に抵抗する。

 それが一番現実的だ。

 エンも肯定の言葉を放ち頷く。


「じゃあエン君が異名を名乗るのを抵抗の合図にしよう。じゃあ皆よろしくね」






 そして現在――エンが異名を名乗る。

 やっぱりこうなったか。

 固有武器こそ出してはいないものの、全員がミルを取り返す為に戦闘態勢になる。


――さてさて、警察のトップ三はどれ程の実力かな?

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