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たださみしかっただけ  作者: 朝月
二章 レイ
33/143

No.22 難しい話は適当に流すって決めてる(25/3/1加筆)

 ものくろーむ?

 エンのラストネーム?

 エン・モノクロームって呼んだら見た目のまんま過ぎて怒られそうだ。

 エンの方を見るとやっぱり怪訝そうな顔をしており、今度は眉間に皺が寄っている。


「――全部お見通しか。お前の言う通りそれは俺の異名だ」


「やっぱり! 異名保持者リストの『アングラの狂猫(モノクローム)』の特徴に似てたからそうかなって思ってたんだ。異名保持者が入ってくれるなんて心強いな!」


「特徴って言っても性別とランクと型だけじゃないか、普通ならまず分からないようになってる。リルお前何者だよ、本当にただの従業員か?」


「僕はただの従業員兼参謀だよ。天才だけどね」


「参謀か……ならそういう事にしとくよ」


「ちょっといい? 異名とかランクとかなにそれ? 魔界にはそんなの無かったけど」


 話に一区切りがついたようなのでレイが話に入る。

 このまま放っておいたらエンがリルに飛びかかりそうだったから、というのもあるが知らない言葉が飛び交いすぎて話についていくのが難しい。


「いやあるはずだよ。ただ現世から隔離されてるから普及してないんだろうね。異名は力のあるトートに与えられる通り名みたいなもの。城の関係者にスカウトされたり定期的に開催される大会で優勝したりすると貰えるんだよ。異名保持者は特典で法律を多少破っても許されるんだけど、招集命令には必ず従わなければならないからまあめんどくさい事なんだけどね」


 強かったら法律破ってもいいっていうのはどうなんだろうか。

 魔界は魔神至上主義だからわかりやすかったが、現世は何やら難しい事をしているようだ。


「王が厨二的なのが好きだからね。読み方は『モノクローム』だけど、書く時は『アングラの狂猫』って書くんだよ」


 全然違う読み方をつけるタイプのやつね。

 そういうのが好きな人は一定数いる。

 嫌いな人も一定数いるけど。

 でも現世ではそれが普通のようだから誰もそれをおかしいとは思わないのだろう。


「あとついでに説明しとくと、異名に加えて王直々に力を認められた四人には『朱雀』『青龍』『白虎』『玄武』っていう四獣の称号が与えられるんだよ。あと噂しか聞いたことないんだけど、四獣をまとめる『帝』っていうトートがいるとかいないとか、まあ誰も見たこと無いらしいけどね」


 ネーミングはまた王とやらの趣味だろう。

 それにしても聞いても無い事を教えてくれるあたりやっぱりリルはお喋りみたいだ。

 得意げに話している所が様になるのが何よりの証拠。


「あ、あとは公にはされてない裏制度。異名保持者や四獣を殺せば殺した者が異名や四獣の称号を与えられるって事になってて、昔で言う決闘制度みたいな感じかな。これでもし相手を殺してしまっても罪にはならないんだよね。だから異名保持者の人は突然殺されないように気をつけないとね」


 最後の方はすでに異名とやらと持っているエンの方を向いて忠告しているようだった。

 レイは天井を見上げる。

 覚える事が多すぎてお手上げ状態。


「ふーん。よくわかんないけどめんどくさいね」


「めんどくさいけど異名持ってたら、レーベンと対等かそれ以上の扱いしてくれる事もあるからラッキーくらいに思ってたらいいよ。それに四獣はもっとすごいんだよ、法律なんてよっぽどの事がない限り関係ないし普通の人は逆らおうとする事もない。それこそ好き勝手できるから。今ちょうど『白虎』の席が空いてるからチャンスは十分あるよ! どう? 『白虎・アングラの狂猫(モノクローム)』になるっていうのは?」


 リルがエンに手を差し伸べるが軽くはたき落とされる。

 一瞬、固有武器を構えようとしていた。

――ああなるほど、異名保持者だって知ってて勧誘されたから決闘制度とやらを警戒してるんだな。

 エンに苦笑いをするとそっぽをむかれた。


「あとはランクについてだったね。元々は奴隷階級だったんだけど、わかりやすいからレーベンが使い出したって感じかな」


 リルがどこからか紙とペンを取り出し、何やら書いている。

 書き終わるとレイに手渡して「こんな感じ」と見るように催促する。


 SS 獣人 ケイル ケイル

 S ケイル ケイル

 AA 獣人 ケイル

 A ケイル

 B 獣人

 C 通常型


 ↓ それに加えて


 Z 異名保持者

 ZZ 四獣


 つまりレイはAAランクでエンはAAZランクという事だ。

 明日になれば忘れてそうな気配がプンプンしてレイが目を細める。

 ケイル二つ持ちが最低でもSランクということはやっぱり珍しいのだろうか。

 記憶の中にいる二つ持ちを頭に思い浮かべる。

 あの人が隠してるくらいだし、多分皆隠してるのだろう。

 そういう人から言ったらランクというのは自分の手の内を明かすようで好かないだろうな。


「こんな感じで上に行けば行くほどトートとしての価値が上がるらしいよ。レーベンと関わる時に使う時があるから一応覚えておいてね。他に質問ある?」


 エンは安定の無視を決め込み、レイは顔を横に振る。


「じゃあ今は解散だね。長い話に付き合ってくれてありがとう。最後に僕たちの目的、それは桃源郷(この場所)を守ること、以上。ほら今日は君たちの為のお祭りだよ! 思う存分楽しんで明日からバリバリ働いてね!」


 フォミがグラスを二人分持ってきたので、手を伸ばしたがその手には何も手渡されず、リルの前に置かれもう一つはフォミの手に収まったままだ。

 あ、話終わったからあとはお好きにどうぞって事ね。

 エンもその様子を見て立ち去る。

 少し遅れてレイも立ち上がった。

 まだ宴は始まったばかりだ。

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