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たださみしかっただけ  作者: 朝月
二章 レイ
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No.7 辻褄の合う秘密

 気づけば霧が少しずつ晴れてきている。

 まだ油断はできないけどこれなら会話くらいはしても問題ないはず。

 でもすでに大量の毒が体を巡ってるであろう3人の容体は安心できない。

 早く空気の綺麗な場所で治療をしなくては。

 一刻も早く。

 その為にはどうするべきか。

 もうわかってる、わかってるけど。


「ここの人達本当しぶといね。普通だったらもうとっくに気絶してるよ。それともオレを倒す手筈でも整ったの? ねえソル」


「うるさい、話しかけないで」


「最初からずっとギャーギャー言ってたのに静かになっちゃって」


 霧が薄くなっていって焦っているのか武器を構えているのが見えた。

 体が重くまともに動けるような状態ではないがこのまま何もしなければ無様に殺されるだけだ。

 フィーを背にして立ち上がり武器を構える。

 お互いが走り出そうとした時、聞きたかった声が聞こえた。


「おい! 皆に何してるんだ!」


 キルの声で2人の動きが止まる。


「キル! よかった無事だった」


「あれキルちゃん――」


「ちゃんって言うな!」


 キルの安否を確認する事ができソルは胸を撫で下ろす。

 ハクには後で何かおいしいものでもあげよう。


「キルちゃん思ったより起きるの早かったね。薬が弱かったかな? それに見張りいなかった?」


 ちゃん付けを注意されたにも関わらず続けるこの悪魔はあまり人の事を考えない奴なんだろうか。

 槍を肩に置き、頬を掻いているレイを冷めた目で見る。

 キルも釣られたのか頬を掻きながら答える。

 目は明後日の方向を向いていて泳いでいる。


「あっえー……と。隙を見て逃げてきたんだ!」


「あはは、キルちゃん嘘つけないでしょ。大丈夫、ちゃんと居たかどうか知りたかっただけだから。でもあの子の事だから簡単に逃してくれたんでしょ」


「え、あ、違う!」


 今度は槍を地面に刺し、石突の部分に両手を置き頬杖を突いている。

 霧が深まってる訳でもないしただ体を動かしているだけのように見える。

 落ち着きがないというかなんというか。


「あは、いいね可愛い」


「キル、早くここから離れて。毒が撒かれてるしそいつキルに危害を加えるつもりだから。大丈夫、僕がどうにかするから」


 キルと合流してから雑談会のようになっていた空気に自ら亀裂を入れる。

 レイを睨みつけ固有武器を構える。


「俺に? それよりフィーを早く逃さないといけない。そいつの狙いはフィーだ」


「あ、そうそうキルちゃんにはフィーちゃんをって話したよね。でもキルちゃんが寝てる間に事情が変わったんだよ」


 槍を地面から抜き、構えたと思ったら突然翼を羽ばたかせキルの方へ飛んでいき、キルの目の前へ降り立つ。

 槍を地面に置き片膝をつき、キルの左手を掴む。

 その様はプロポーズを連想させる。

 まずい。

 レイがキルの手を取ると同時にソルも走り出す。


「キルちゃん、オレと契約して?」


「は?」


「キルちゃんがオレと契約してくれたら皆助かるし、オレもすぐ出て行くから、ね? いい提案でしょ?」


「俺がお前と契約?するだけでいいのか? それで皆が――」


「キル!」


 ソルが走る勢いそのままにレイ目掛けて武器を振り下ろす。

 咄嗟に羽ばたき数歩後ろまで飛ぶ。

 ソルの固有武器は獲物を追う事なくそのまま地面に突き刺さる。

 キルから遠ざけるのが目的でレイを深追いするつもりはなかった。


「悪魔型と契約したら絶対駄目、そんな事したら……僕みたいになるから」


 キルが目を丸くする。

 ソルの言葉を上手く飲み込むことができずにいるのだろう。


「やっぱりね。オレの話聞いても全然驚く素振りがなかったし、オレに対する異常なほどの敵対心! ソル、あんた契約者だね!」


「……そうだよ」

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