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たださみしかっただけ  作者: 朝月
二章 レイ
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No.3 悪魔に暴かれた秘密

「今は特別な方法で現世(うつしよ)に来てるんだけど、本来は契約しないとこっちにこれないんだよね。さっきは目的って言ったけど契約は過程で本当の目的は現世(うつしよ)に自由に行き来する事。それでその為に契約者を探しているってわけ。まあ悪魔と契約したトートは代償払わないといけなかったり、また契約した後の事がややこしくて説明が――」


「頭がおかしい人なの? それにそんな説明しなくていいわ」


 こちらの動揺をお構いなしに話を続ける悪魔を名乗る人間。

 どうしたもんかと迷っているうちにフィーが話を遮る。


「――私は……獣人猫型よ」


 目を伏せ俯いたままニット帽をゆっくり横にずらすと獣耳が現れる。

 片方の耳が見えた所で手を止め帽子を被り直す。


「だから。あなたのよくわからない話に付き合う筋は、ないの」


 強い言葉を選んでいるようだが、だんだん声が小さくなっていく。

 視線も地面を見るばかりで、語尾の方はほとんど周りに聞こえないほど小さくなる。

 それを聞いて偽物は困ったように頬をかく。


「えーマジで。ここ獣人多すぎじゃない? ていうかフィーちゃん尻尾は? 尻尾が見えなかったから通常型だと思ったのにぃー。遠くからじゃ目も見えないし」


「生まれつきないの……あんまり気にしないで」


「フィーの話はもういいでしょ」


 配慮も気遣いも何もない言葉を投げかけられ、フィーは武器を持っていない方の手で自身の服を握りしめる。

 そんな様子を見かねてソルが偽物との間に割って入る。


「あらあら仲間想いな事で。まあもしフィーちゃんが通常型だったとしても、詰め寄る気はもうなかったんだけどね。だって――」


「お前ッ!」


 段々ニヤケ顔になっていく偽物。

 思わず大声で粗暴な言葉を放ち、アンカーで斬りかかったが避けられ、距離を取られる。

 1番恐れていた事態に陥っていることに気づく。

 いや本当は最初から気づいていた。

 キルに変身された時点でもう手遅れだった。


「こんなに可愛くてグラマーな女の子が隠れてたんだから。しかも通常型だしオレの理想にぴったり」


 語尾にハートでも付いてそうな気色の悪い話し方。

 偽物は服のチャックを下ろし、上半身が露わになるように服を持ち上げる。

 暑いからサラシだけにするって言ってたのを無理矢理にでもやめさせておけばよかった。


「最初は気づかなかったから乱暴にしちゃったけど、変身してみたら女の子だったんだからびっくり。しかもなかなかの巨乳……よくサラシで潰せてたね。この身体堪能しようとしたらミルちゃん帰って来ちゃったからちょっと残念だったけど。っと、もうこれ以上何かすると本当に殺されちゃいそうだからもう戻るね」


 キルの身体を見ながら早口で話す偽物に、今度は致命傷になってもいいぐらいの殺意を込めて斬りかかるが、それもかわされる。

 すると、偽物の体は解像度の悪い画像のようにギザギザになりキルの色合いから別の色合いへと変化していく。

 ジャギーのような状態から戻るとそこにはくせっ毛の金髪の男が現れた。

 へそだしファッションで見るからにナンパな男だが、それより目を見張るのは背中に生えたコウモリのような黒い左翼。

 何故か頭の上には黄色い輪っかが浮かんでいる。


「改めまして、オレはトートの悪魔型のレイ。キルちゃんと契りを交わさせていただきます、二重の意味で」


 偽物改めレイは片方しかない翼を羽ばたかせる。

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