第32話 三篠森・N、親子の縁を切られる。
ご無沙汰しております。
父の件で進展があった。俺は親子の縁を切られた。……と俺は判断した。父はその覚悟はなく、「もう親子ではない」と言った! 俺が何を行っているかわからないだろうが、順を追って話そう。そして、これはたったの24時間で起きた出来事である。
・父に連絡せざるを得なかった事情
だいぶ前から、A日に父と医師から連絡が来る予定だった。A日に手術の許可を電話の口頭でとるときいていた。その後に自己輸血するための貯血、手術で2回行かねばならないという。
だから俺はA日に電話を待っていた。仕事中だけど上司に許可を取り、待っていた。父の主治医は午前しか診療していないのに午前も来ず、午後の2時過ぎにLINEで「今日はK医師と父から電話が来る予定だと記憶しておりましたがどうしたんですか?」と送信すると返信の内容は以下の通り
・手術の許可のために田舎に絶対に来い
・12月24日の9時30分に来い
・医師が高圧的でムカつく。変えようかとも思った
……。
じゃあ医者が目の前にいる時に俺に電話しろ!!!
12月24日―――ッ!? 年末もいいところ、俺に恋人や妻子がいたら行くと思ってたのか? ふざけているのか? 繰り返しムカつき、じゃあそれも医師が説明しろよクソッタレとマジでキレかけた。
この日まで一か月以上父と連絡を絶っていたので俺も気分が上向いてきたが、LINE一発でこの破壊力はすさまじかった。
この時点で吐き気や頭痛、瞼の痙攣や下痢を発症し、スマホが震える度にビクッとするようになったのだが……。
今までも書いてきたが、父を通すと医療関係者の主張や要求が曲解されて正しく伝わらない。それで何度も俺は……7回だ。7回も田舎に行っている。
詳細を知りたい。そしてクリスマスイブに行くわけない。その旨父に文面で送ったが反応がないため、電話をかけた。
まずクリスマスには行けないこと、そして1~3月に貯血や手術を行うとしても、その大病院があるのは大学もある地方都市であるため、共通試験や大学入試の時期は避けたいと伝えたところ父はブチ切れた。
「じゃあもう俺は手術しねぇよォ! 俺なんか苦しんで死ねばいいんだろォ! お前はそうやって駄々こねて人に迷惑かけて生きてろよォ!」
この父の駄々の先にどういう会話があって通話が終わったのかはあまりのショックと怒りで覚えていない。どうやって会話が終わったかはわからないが、「お前がダメならお前の妹の世話になるだけだ」みたいなことを言っていたのは覚えている。
今までも会話ではキレがちだったが、9月に退院して以降のキレやすさは懐かしのブラキディオスに匹敵する。いや、キレてすらいない。自分を制御出来ずに駄々をこねているのだ。
ここ数回の駄々は、
・株を再開させろ
・車のキーを返せ
・じゃあもう手術しねぇよ
といった怒りではなく、感情が高ぶったらすぐにこのテンションに意図せず到達してしまうという……。幼児退行のように思われた。
あまりにも俺はぶちのめされ、その後どうやって仕事をしていたか覚えていない。この日は本当に何も覚えていない。
もう会話が不可能であると深く感じた。
だが、妹は本当に忙しく、共に過ごす恋人もいる。
じゃあ俺が……最速でカタをつけておしまいにすべきなのか? クリスマスイブには行かないけれど。
ちなみに前回唐突に来いと言われたのは8月13日、お盆であり、なろうのプロフィールで開示されている通りに俺の誕生日であった。父は自分の都合のためならば、俺の誕生日だろうと、次男(俺の弟)の新盆だろうと、クリスマスイブですら呼ぶ。自己中。
まぁ話が逸れたが、翌日に俺が送ったLINEが以下のとおりである。固有名詞をぼかした上で、基本的に原文だ。
俺:
「来週水曜日に改めてK医師を受診してください。そして受診中、K医師が目の前にいるシチュエーションで私に電話するか、私に受診時間を教えてください。
このタイミングで父の電話を使ってK医師と話をします。
今までは医療関係者からの情報伝達が父を通すことで誤解、曲解され、正しく伝わらなかったため、直接私とK医師が話す必要があります。
もし父がそれは面倒だから嫌だというのであれば私はもう協力することが時間的、物理的に不可能です」
俺:
「それから、以前協力する際の条件として
『感情的に激昂したら協力を打ち切る』
と伝えましたよね?
それなのに昨日父は子供のように駄々をこねました。
3アウト制なので現在1アウトです。
弁解してもアウトの回数は減らないですし、お互い大人なので子供みたいな態度や恫喝はやめてください」
父:
「恫喝しましたか? 言葉が強くなったのでしょうか、貴方との会話は家族の気持ちで話したかもしれないのですが、これからはSさん(俺の姓。昨年の両親の離婚に伴い俺は母の姓に変えた)と話しているということを認識して話します。もう親子ではないと認識を改めます。それから来週の電話の件は考えて連絡します。いろいろとすみませんでした」
……親子の縁を切られちまったぜ。まぁいい……よくないが、まぁいいとして……。
結局父はブチきれて「家族ではない」と言ったのに、「家族が直接来院して同意が必要」なパートは結局俺にやらせようとしているのだ。吐き気を催す邪悪、ちなみにここまででちょうど24時間だ。
キィイイイイイイイイイイイイイイーーーーーッッッッッ!!!!!! ムカつきすぎて気絶しそうよォォォッォォォォオォォオx!!!!!
そうか……多分感情的になって言ったんだろうが、その言葉の重みがわからないようなグロテスクな74歳児のことはもう知らねぇ。
こちらの株や運転は自重してくれというこちらの願いはすべて激昂で拒否したくせに、自分の要求が通らないと家族の縁を切る言動すら感情的にとってしまうのだ。もう救うことが出来ない。
そして、その晩妹から連絡が来た。
父から仕事中に電話が来たそうだ。仕事中だと切ると、それにも関わらず二度も電話してきたそうだ。
つまり、「自分の治療のために必要な資源」であった俺が使えなくなったから、「スぺア」の妹のところへ行った訳だ。
ちなみに、この日は弟の月命日ということで家族ぐるみの付き合いがあった家のママ殿が来ており、ママ殿は俺の父の異常性をしっかり理解した上で俺の愚痴を聞いてくれ、さらに福祉従事者ということでアドバイスもくれた。
ママ殿曰く、当然俺を責める意思ではないが「介護のために片道4時間以上かけて7回も行くのは異常」だとのことだった。もう行く必要はなく、家族の同意のために必ず来院が必要と言うのもおかしいと……。家族のいない人、家族はいるけど全員外国に住んでいる人、コロナ禍のリモート、同意書の郵送……。考えられるケースや代替手段はいくらでもある。
その後、仕事終わりの妹と俺は話をした。まず前提としてもう俺たち二人は父に見切りをつけたから行く必要はないし行くこともない。俺は何度か行ってしまったせいで甘く見られ、無茶な要求をされている。一度も行っていない妹は同じようになってはいけない。
そういう訳で、一か月ぶりの連絡から家族の絶縁までのリアルタイムアタックは約24時間ということになった。
正直この回を書くに当たって父とのLINEを見返しただけで眉間のむずむず、瞼のぴくぴく、頭痛、吐き気が止まらず、意味もなく顔をクシャっと歪める変な癖がついた上に38度の発熱を起こした。
そして、俺は今日なんとか主治医に電話を繋げてもらった。
曰く、手術の許可に家族の立ち合いは必須。例外はない。コロナ禍でもリモートは使わなかった。例外は、ない!!!!!
とのことで、じゃあ家族のだれもが同意しなかったら? と聞くと当然手術はしないし治らないから、痛み止めを打つだけとのことだった。
一応代案として成年後見人を立てたらその人でもいいのか? と尋ねると、その場合は後見人でもいいよ、とのことだったが……。
その旨、医療従事者の母に伝えると
「今のあの人の状態で後見人がつくわけないじゃない。後見人ってのは……」
と専門用語で有難い講釈が始まったが、正直正しい話をしているであろう母にも俺は少なからずムカついた。
とにかく怒りが収まらない三日間であった。




