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携帯は魔法杖より便利です 第3部 親子  作者: 武部恵☆美
第6章 世界を超えた再会
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第58話 お参り

 このまま一緒に居たら、いつか私も殺される。

 あんな子と身分証を繋げてたなんて。

 みんなの分も切っておかないと……

 あ、母さんが危ない!

 今すぐ帰って……でもそうすると父さんを見つけに行けなくなる。

 それに帰ったとして、私になにができる?

 いや、モナカくんが居れば、そう簡単に手は出さないはず。


『エイル殿、聞こえるでありますか』


 ロローさん?!

 なにか問題でも……まさか!


『どうしたの』

『エイル殿?』

『なにかあったの?』

『エイル殿……なのでありますか?』

『なに言ってるの、当たり前でしょ』

『えっと、もしかして勇者語でありますか? 申し訳ないのであります。我が輩には理解できないのであります』


 あ……

 切断したから翻訳されなくなったんだ。


『ごめんなのよ。どうかしたのよ?』

『エイル殿! それが、ナームコ殿と会話ができなくなってしまったのであります。どうやら、イヤホン(翻訳機)の調子が悪いようなのであります』


 そうか。

 となると、私もナームコさんと会話できなくなってるのね。

 だからって繋ぎ直すわけにはいかない。

 リスクが大きすぎるわ。


『分かったのよ。うちも今から戻るのよ。少し待つのよ』


 ……あれ? 返事がない。


『ロローさん?』


 あ、ここ圏外だ。

 どうして……だって結界の中で圏外の場所なんて無いはずよ。

 え……ここ、何処?

 確か私は制御室の前で倒れて仮眠室に運ばれて……うう、まだ頭がクラクラするわ。

 私、何処を走ってきたのかしら。

 全然覚えてないけど、まだビルの中……のはずよね。

 でも、建物の中には見えないわ。

 森? いえ、(もり)かしら。

 なんとなく懐かしいような……あ、ここ、あそこだ。

 ばあちゃんちの裏手にある神社の参道に似てるんだ。

 なんでそんなものがこんなところに……

 でも、いい匂い。

 森林浴なんて、いつ以来だろうか。

 空気も美味しい。

 木漏れ日が暖かい。

 ……ビルの中の筈なのに、木漏れ日?

 しかも地中に埋まっているビルなのに?

 ビルの中じゃない?

 えっと……確かこっちだ。

 少し走って行けば神社が……あった!

 懐かしいな。

 やっぱり、あの神社だ。

 子供の頃、初詣に家族みんなで来てたっけ。

 木々に囲まれた、山中の神社。

 結局、なんの神様が祀られてるのか、知らないのよね。

 かなりくすんだ朱色の鳥居をくぐって中に入る。

 石畳の参道は、草が生え放題だ。

 こんなに荒れてたかな。

 石畳も、所々欠けている。

 両脇に苔むした石灯籠が一対立っている。

 誰がやったのか、ろうそくが灯っていた。

 初詣のときは、参道の両脇に屋台が並んでいたっけ。

 食べ物や縁起物、色々あった。

 賽銭箱にお金を入れようと思ったけど、この世界に現金は存在しない。

 あったとしても、異世界のお金じゃダメよね。

 えーと、確かまずは2礼して、柏手(かしわで)を2度打つ。

 最後に1礼をするのよね。

 って、こんな時に私、なにやってるのよ。


「ほう、忘れてはないみたいだな」

「! 誰!」

手を洗っていないので、ちょっと不敬かな

次回はちょっと情報量が多いかも知れません

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