第45話 犬たちの誘い
ああ、本当に夢のようだ。
フブキとは違う可愛らしさがある。
フブキは大型犬だ。
でもいつも出てくる犬は中型犬。
そして今日加わったのは小型犬だ。
大中小そろい踏み。
それぞれに可愛らしさが違う。
大型犬は、やっぱり乗れるっていうのが大きいね。
普通の大型犬だと、小さな子供が限界だろう。
でもフブキは俺が乗っても、大丈夫。
時子と一緒に乗っても、大丈夫。
100人乗っても……さすがに潰れるか、ははっ。
とにかくとても力強い。
そして今まで触れ合いが無かった所為か、やたらと甘えてくる。
それでも、俺よりエイルの方が好きらしい。
ちょっと妬ける。
フブキが夢に出てきたこともあったっけ。
でもそんなに多くないんだよね。
今日久しぶりに出てきた小型犬は……なんだろう。
前はそんなことなかったんだけどな、少ししか。
今日はやたらと俺の股間のにおいをフンフン嗅ぎ続けている。
ただ嗅ぐのではなく、顔を股の間に押し付けてフンフンと嗅いでくる。
頭を撫でようが、身体を触ろうが、握手しようが、尻尾を握ろうが、お腹をさすろうが、とにかく股間のにおいをフンフンと嗅ぎ回る。
そんなにくさいのか?
おかしいな。
ちゃんと洗っているはずなんだが……アニカが。
あー、今日はきちんと洗ってもらえなかったから、におっているのか?
参ったな。
夢の中にまでにおっているのか。
ヤバいな。
でもいつも出てくる中型犬は、嗅いでいない。
この子の興味を惹くほどにはくさくないってことだろうか。
最近この子の反応が薄い。
前はもっとじゃれてくれたんだけどな。
ちょっと前から避けられるようになって悲しかった。
頭を撫でようとしても、逃げられて触らせてすらもらえなかった。
でもまた寄ってきてくれるようにはなった。
それでも精々頭をこすりつける程度。
前みたいに飛びついたり顔を舐めたりはしてくれない。
それでもいい。
少しずつ、元に戻していこう。
この前出てきたやたらと馴れ馴れしいヤツは、最近出てこないな。
遠慮がないというか、じゃれ方が強引なんだよ。
この間はのし掛かられて、身動きが取れなかったからな。
ちょっと苦手なタイプだ。
そういえば、もう1匹小型犬が居たっけ。
あの子は股間だけじゃなくて、身体全身を嗅ぎ回ってたな。
そのくせ触られるのは嫌なのか、触ると唸るんだよ。
あれは悲しかった。
1年くらいずっと出てきてくれていたのに、もうずっと出てこない。
なんでだろう。
コーヒーブレイク的なお話しでした
次回は朝の定番です




