表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/22

カラド村防衛戦

 ハラスメント防止コード。他プレイヤーが自身に物理的に接触するのを防止するシステム。これに抵触した場合接触してきたプレイヤーはその悪意の度合いによって動きを封じられ接触されたプレイヤーは接触してきたプレイヤーを監獄送りにするかを選べる


 つまりナンパ目的とかでアバターに触れたら監獄送りにするからなシステム。フィールド等では判定が甘くなる。PKしづらくなるからね


 この機能は設定によって全解除か指定した対象のみ解除かを設定できる。つまりプレイヤーAがプレイヤーBに対する設定を全解除にした場合プレイヤーBはプレイヤーAの胸や股間等に触れてもハラスメント防止コードは機能しない


???「私は何時でも触れてオッケーだよお姉ちゃん!寧ろリアルでもウェェルカァム!もっと私の大切な場所に触れて!さあ!さあ!さあ!!」

「お、これ良いかも。索敵スキルが欲しいってお姉ちゃん言ってたし買っちゃおっと」


 私は今お姉ちゃんがソーガさんから受けたカラド村防衛戦に参加する準備として道具屋で麻痺矢やポーションとかを買ってついでにスキルオーブも吟味している。結果【敵意感知】二つを買った。【休息】や【瞑想】とか惹かれるスキルはあるんだけど二つとも発動中は行動できないのが辛いよね


 後道具屋の途中で寄った素材屋で麻痺攻撃をしてくるモンスター【パライズスパイダー】の素材が売ってたのもラッキーだね。お姉ちゃんなら麻痺効果を持つ武器が作れるかも?


 そうしてアイテムとかの補充も終わりお姉ちゃんとフローティアちゃんと合流して中央区の転移門を潜った



「ソーガさん、そろそろ助っ人の正体を教えてくれませんか?」


 私は【弓兵】のウィアン、趣味で配信者をやっている。私は今ギルドの配達クエストの配達先になっているカラド村で発生した防衛クエストを一緒に受けたプレイヤーソーガさんとソロモさんが呼んだ助っ人さんをカラド村のギルドで待っていた。ちなみに現在配信中


「メッセ送ってから三十分ぐらい経ってるしそろそろ来るとは……お、噂をすればってやつだな」


 ソーガさんとソロモさんの視線の先を見ると三人の人影が見えた


 ・ん?あれって

 ・もしかして金銀天使姉妹!?

 ・やっぱりな

 ・姉妹の娘までおるやんけ!


 コメントをチラッと見てみると有名な人らしい。私は全く知らないけど。いや娘?クリオンに結婚システムなんて無かったと思うけど……?


「お呼ばれしたから来てやったぜソーガ。ところで隣のお嬢さんはどちら様?」


 段々と人影は近付いてきて漸くハッキリとその姿を捉えられた


 そしてその姿を捉えた瞬間に全ての言葉を失った。その姿があまりにも美しく言葉も紡げないほど見惚れてしまったのだ


 ただ佇んでいるだけで周囲の目を釘付けにして魅了してしまう美貌は勿論のこと、その優しさを感じさせる目もきっとどんな高級なシルクよりも艶やかな銀髪もその人を形作る全てが私を魅了する

 本当に女神様がいるならこの人なのかもしれない。そう思ってしまうほどに


「おーい?もしもーし、大丈夫ですかー?」


「ひゃいっ!?」


 顔が近い近い近い!アバターだと分かってるのに美しすぎるよー!!それに声もすごく綺麗だしこんなの惚れちゃうよー!!ああでも同性だしお付き合いは無理か……ってそうじゃなくて挨拶!挨拶しないと!


「あ、えと!ウィ、ウィアンと申します!」


 ・これは見惚れてましたね間違いない

 ・あんなに可愛いなら見惚れるのも仕方ないよね

 ・百合の気配があると聞いて

 ・こいつ男だぞ

 ・男の娘×女の子……あり寄りのあり


 は?あえ?男?え、この人が……?


「あの、貴女って男性ですか!?」



 おおう、ドストレートに聞いてくるねこの薄赤髪のお嬢さん


「ええ、そうですよ。こんな成りですが立派な男です」


 証明として股間を触らせるとかは絶対にしないさせないからな。お嬢さんが呆然としてフリーズしてしまったのでソーガに説明を求めよう


「おいソーガ、状況を詳しく説明してくれ」


「いいぞ。俺達が暇潰しにダンジョンアタックしに行く途中でこの村がモンスターの群れに襲われてたんだよ。それでモンスター達を倒したらまあ流れで防衛クエストを受ける事になってな。人手は多い方が良いだろうからバロイル達を呼んだんだ。期間は三日間でその間襲ってくるモンスターから村を守り続ければクリアらしいぞ。ちなみにウィアンさんも参加者だ。彼女配信者みたいだしこの後もプレイヤー達がここに来るんじゃないか?」


 なるほどよくある防衛ゲームだな


「ソーガが居れば何とかなるだろうし寝てて良い?」


「いや待て何故そうなる!!?一方向から来るならともかく全方位を俺一人で対処するのは無理だぞ!?」


 ディザクロならともかくここクリオンだしな


「まずは簡易でもいいから壁を作って侵入経路を限定しないとな。そうすりゃそこにソーガ置いて丸投げできるし」


「バロイル達も戦ってくれよ……」


「お前の背後に陣取るから心配すんな。んで壁を作るのに使う素材は……近くに森があるしそこから持ってくるか」


「俺とソロモは村周辺の警戒をしておく。もう防衛クエストは始まってるしな」


「伐採する前にギルドで防衛クエストの参加申し込みを忘れないでね~」


 ありがとなソロモー。んじゃ方針も固まったしこの村のギルドに寄ってから伐採しに森に行きますかー!

 ……ところであのウィアンと名乗ったプレイヤーは固まったままだが放置でいいのかね?




 と言うわけでリアとフローティアと一緒にやって来たのは【クロンヘル森林】。推奨Lv16のフィールドだ


 そこで俺達は【銀級の伐採斧】を装備して【伐採】を取得&レベ上げしながら木を斬り倒している。装備とスキルのおかげか二発目にはスパッと伐れるのが気持ち良い!っと、フィールドの空気が変わったな


「バロイル、気を付けなさい。何か来るわ」


「分かってる。ちょっとした実験が終わったら一気に終わらせるぞ。──来たな」


 草木をベキバキと折りながら現れたのは全身が苔と蔦に覆われた熊みたいなモンスターだった。【カロリープラント・フォレストベアー】か。特異変異どっちだ?


『変異個体カロリープラント・フォレストベアーに遭遇しました』


「【鑑定】!」


【カロリープラント・フォレストベアーLv26】


 Lvだけで言えば格上っぽいな


「グウウオォォォォオ!!!」


 単純な突進。こう言うときは横か上に逃げるのが鉄板だが敢えて真正面迎撃を選ぼう。タイミングを見計らってー、ステンバーイ、ステンバーイ……ここだ!


「そらよ!」


「せいっ!!」


 リアと同時に放った蹴り上げが綺麗に熊の顎に入り状態異常(バッドステータス)スタンが付与される。クリオンにもスタンあって良かったわー。実験大成功って感じ


「こうなったらただのカモよね」


「だな」


 スタンして倒れて動かなくなった熊に各々の武器を突き刺す。相手が悪かったなカロプラフォレストベアー

 ポリゴン片になって散った後アイテムボックス内のリストを見れば【カロリープラント・フォレストベアーの肉】等々。あの熊の素材が入っていた

 熊肉って美味しいのかね?


「にしてもバロイル達みたいに異界の旅人と一緒にやると後処理が楽で良いわね。死体が勝手にアイテムになってくれるんだから祝福様様よね」


「ん?いつもこうじゃないのか?」


「当然じゃない。いつもあんな風に消えて素材になるわけじゃないのよ?ダンジョンだとあんな風に消えて素材になるけど。……ん?あれは……」


 釣られてフローティアの視線の先を見てみると土の塊からにょろにょろと蔦が複数生えてその先に人参をぶら下げ蔦を足代わりに歩く何とも異様なモンスター?野菜?が居た。え、なにあれ


「あれは【ランサーキャロットプラント】ね。狩りましょう」


「いやその前に聞きたいんだがこの世界の野菜って全部あんなモンスターになってるのか?」


「さすがに全部じゃないわよ。普通に畑で栽培されてるのもあるけどあんな風に野生の野菜モンスターも多いわね。ちなみにランサーキャロットプラントはあの鋭い人参が武器で低品質な鎧とか盾なら貫通するから気を付けなさい」


 え、なにそれ怖い。しかも野生の野菜とか訳分かんない……


「すごい、不思議で物騒な野菜だね」


 全く同意見だ。でも野菜もモンスターとして出てくるならもしやタマネギも……?いやいや、さすがに無いか。あれがモンスター化してたら凶悪すぎるだろ


「とは言っても結局少し暴れるだけの野菜だからただの雑魚よ雑魚」


 と言ってる間に一人突貫したフローティアが自身の武器【魔愴エンプレス・ヴァンス】で槍人参の土塊を破壊して一瞬で終わった


「そろそろ戻って壁作るか」


「そういえば木で壁を作るのって加工に【木工】スキルが要ると思うけどいいの?」


「一つくらい別の生産系スキル取っても大きなペナにはならないだろ、大丈夫だって」


 そうして伐採を切り上げてカラド村に帰るとタイミング良くソーガと複数のプレイヤーと思わしき集団が狼の群れと戦っている場面に遭遇した。背後から奇襲チャーンス!


 狼達は前方のソーガ達に夢中で俺達には気付かないみたいなので一気に駆け寄り一番後方の狼を踏んづけて跳躍。滞空中に矢を適当な一頭のクリティカルポイントに射って着地先の狼を踏んでまた跳躍


 そんな曲芸染みた射撃を七回繰り返すと他のプレイヤーの奮戦もあってそれなりに居た狼達は一匹にまで減ってしまいましたとさ、トドメ


「助かったよバロイル」


「どういたしまして。まあ俺が乱入しなくてもお前なら切り捨ててただろうけどな」


 フローティア曰くトレインボア二百体斬りしたみたいだしな。やっぱやべーよこいつ。まあ俺もリアもやろうと思えば同じことをできるだろうけどな


「あの!さっきの!跳びながら矢を当てるのってどうやってしてるんですか!?」


 結構興奮した様子でウィアンさんが詰め寄ってきた。どうって聞かれてもねえ、多少は計算してるがほぼ感覚と勘でやってるからなあ……


「バロイルの射撃を手本にするのは止めといた方が良い。こいつの腕の良さは感覚と勘で成り立ってるからな」


「いや多少は計算してるっての!感覚と勘便りなのは否定しないが」


 んなことより壁だ壁!木工持ちプレイヤーが到着したからか出来つつある壁作りに参加するため木工所に向けて歩き始めた

 ヤンデレは良いですね。ドロッドロの愛情を持って一途に行動するのすごい好き。実質純愛。私としては監禁系ヤンデレが特に好きですね


 それはそれとして設定を考えるのが少し楽しくなってきました。野菜モンスターの設定とかワールドエネミーの設定とか


 ……ワールドエネミーを倒すには力が必要です。しかしそれは本当に武力だけでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ