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ダンジョンアタック

価格は適当

「取り敢えずこんだけあれば十分か?」


 あのクソ迷惑な害悪プレイヤーをサクッとキルした後、作業場を借りて武具を作ってリアと合流して露店で売るとものの数分で完売し、手元には前回のと合わせて210万G程ある。成金ってこういう気分なんだな


「これでそこそこ良い立地の家が買えるね!お姉ちゃん!」


「確かに結構稼いだが良い場所買えるかは分かんないんだよなあ。お、ソーガからメッセだ」


 メッセの内容はフローティアの特訓が一先ず終わったから合流したい、という内容だ。こっちはもう少し時間かかるから周辺のモンスターでも狩っとけ、っと。送信


「んじゃ不動産屋行くか」


 中央区の不動産屋へゴーゴー!


「いらっしゃいませ。ようこそファリア不動産へ」


 中央区に店を構えるファリア王国でただ一つしかない不動産屋、ファリア不動産のドアを開けると身なりと愛想の良いメガネを掛けた紳士風の男が対応した


「お店も兼ねた住居が欲しいのですが、有りますか?」


「はい、勿論ございますよ。ご要望に合うものは……こちらになります」


 イスに座り店員から分厚いリストを二つ受け取って手分けして確認していく。一番高いのが1億G、安いのが10万Gと結構幅がある。できれば生産職ギルドがある北区画が良いな


「お姉ちゃん、こことかどう?」


 リアが指差した先を見てみると中々良さげな物件だった。場所は生産職ギルドの左斜め前辺り。見取り図を見る限り店舗スペースは十分だし住居スペースも広い。しかも二階建てだし小さいながら庭もある

 次に値段を見てみると500万Gと書かれていた。予算をオーバーしてるな!一応他の物件も見てみたがあまり買いたいと思えるものは無かった

 つまり買うのはこの物件になるのだが金が足りない。計算上は武具を後二十個程売れば足りる筈だ。しかし手持ち的に六個しか作れないんだよな


「すいません、また来ます」


 直ぐに店を出て作業場へ。悠久氷結晶を除くギヌンヘイム産の素材全てを使い大剣を六個作った。これを一個49万程で売って完売すればギリ足りるが銀級装備にそんな大金使うか?使わないだろ。つー訳で


「よしリア、ギヌンヘイムに行くぞ!」


「え~、大丈夫かなあ……」


 大丈夫だって、俺が守るしな


 まーたギヌンヘイムの麓までやってきてしまった。高Lvフィールドに一日で二度も行くとかバカかな?しかし金は命より重い……!とは言え前回と違って弓持ってるしリアも居る。今回はモンスターも狩ってレベ上げするぞ~!



 少し加減して剣を振る。お、今回はしっかり避けれてるな。だが二撃目までは気が回らなかったようで首元に当たる直前で止める


「はっ、はっ、はあ~。い、一応合格なの……よね?」


「勿論だ。手加減したとは言え初撃をしっかり避けれたんだからな。最初と比べたら大きな成長だよ」


 たった今フローティアちゃんの特訓が終わった。と言ってもまだまだ発展途上だし時間があればもっとやりたいと思う


「さてバロイルの奴にメッセ送ってと」


 バロイルに送ったメッセは直ぐに返信が来た。『こっちはもう少し時間かかるから周辺のモンスターでも狩っとけ』か。つまり自由時間……ならあれをやってみるか!


「フローティアちゃん、ソロモ!俺はこれからモンスターを大量に集めて纏めて狩るつもりだか二人はどうする?」


「私は休んでおくわ。たった今特訓が終わったばかりなんだから休ませて……」


「私は見学しとくね。ソーガ君のことだし手助け不要でしょ?」


 よく分かってるじゃないかソロモ。ニヤリと口角が上がるのを自覚しながら高台から上手く滑り落ちる


 俺達が居る場所はディスティア大平原。鉱人族が治めるブローイン王国の周囲に広がるフィールドだ。このフィールドにはモンスター百体斬りをやるに当たって格好のモンスターが居る


 それがあの薄青色の猪型のモンスター。トレインボアだ。初撃で倒せなければ周囲の仲間を呼び寄せて数の暴力で圧殺してくる厄介なモンスターだがその性質が今の俺にとって丁度良いんだ


「ほら!さっさと周囲の仲間を集めてこい!」


 トレインボアの背後からAGI30を活かした走りで高速で近付きその後ろ姿を蹴る


「ブモオオオオオ!!!」


 地面を揺らしながらトレインボアの群れが走ってくる。よしもうお前は用済みだ


「あいつの相手をする時ほどじゃないが昂るなあ!」


 最初に蹴ったトレインボアをポリゴンにして先手を取るため群れに突撃する。先頭の一頭の頭を踏んで跳ぶと同時にその首を落とし着地先のトレインボアの脳天を穿つ


 双剣の手数の多さと身軽さを多用して次々とトレインボア達のクリティカルポイントにダメージを与えポリゴンに変えていく作業にも似た虐殺を繰り返す


『称号【戦闘狂】を獲得しました』


『プレイヤーが初めて称号を獲得しました。ヘルプに称号についてを追加します』


 空が夕焼けに染まるほど時間も経ち、丁度目標数の倍の二百体目のトレインボアを倒して群れを壊滅させるとそんなアナウンスが流れた。ステータス画面を開いてみると右側のメニュー一覧のスキルの一つ下に称号と書かれたメニューが追加されている


 そのメニューをタップしてみると【戦闘狂】とだけ書かれた画面に移った。ふむ、特殊効果があるとかそんなんじゃないのか


「特殊効果とか何もなくただのコレクション要素ってだけか」


「ソーガ君。さっきアナウンスがあったけど称号を手に入れたのってタイミング的にソーガ君じゃない?」


「そうみたいだな。【戦闘狂】って言う称号を獲得したんだが特に効果が無くてガッカリしてたとこだ」


「あんな無茶な戦い方をしてるソーガにはピッタリじゃないかしら?」


 なんて称号の事を話していたらバロイルからメッセージが来た。ソロモにも来たみたいだな


「『中央区に集合』、ね。あいつまた何か変なもの見つけたんじゃないだろうな」


 高台から下りてきたソロモとフローティアちゃんを連れてバロイルのメッセ通りファリア王国の中央区に戻るためブローイン王国の中央区にある転送装置に向けて戻り始めた



 お、ソーガ達が来たみたいだな


「んじゃ早速行くぞ~」


「いや行くってどこにだよ」


「そいつは……着いてからのお楽しみだ」


 合流したソーガ達を案内役の俺を先頭に北区画に連れていく。そしてとある一件の玄関の前でそれを取り出す


「おいおいおい!?嘘だろ、マジか!?」


 ソーガの驚いたような声は無視してガチャリと取り出した鍵を差し込んで回し、解錠する。そうつまり、俺はこの家を買ったのだ!サービス開始一日目から自宅持ちって凄くない?ディザクロだと三ヶ月ぐらいかかったからな~

 それにワールドクエストも見つけてるし他のプレイヤーより二歩も三歩も先に行ってる気がするな!


「俺達はそろそろログアウトしないといけないからじっくりと見て回れないが基本的な家具は一通り揃ってるみたいだぞ」


「て事はベッドもあるのか」


「みたいだな。それとこれ、お前等に渡しとく」


 合鍵を三つ取り出してソーガ達に手渡す


「そうか。なら有りがたく使わせてもらうぞ」


「おう、好きにしろ」


 ソーガ達より一足早く四つある寝室の一室に向かいベッドに飛び込む


《リスポーン地点が更新されました》


 ベッドに寝たことによりリスポーン地点が更新されたのを確認したら直ぐさまログアウト


「ん~、いやー濃厚な初日だったな」


 ギアを脱いでゆっくりと両腕を突き上げ背伸びをして体を解す。クリオンの世界でメチャクチャ動いたとはいえ現実のこの体は寝たままだからな。長時間のプレイ後は軽いストレッチをしてから動かないと大変なことになるぞ。ソースは俺


「お姉ちゃんが特別なスキルを獲得したりいきなりギヌンヘイムに行ったり……本当に楽しい一日だったね!」


 ああ……そうだな。と今日の出来事を振り返りながら返事をして一緒に一階に下りた




 翌日早朝。朝食をパパッと済ませてギアを被ってログ☆イン


「あ!バロイルにリア!ちょっと、異界の旅人だったなら早く言いなさいよ!どれだけ揺すっても起きる気配が無いから心配したんだから!」


 寝室から出てリアと合流してから一階のリビングに降りてみれば何故かフローティアからそんな言葉が飛び出してきた

 異界の旅人……そういや俺達の立ち位置ってこの世界の女神によって異界から送り出された旅人、って設定だっけ


「悪い、そんな自覚全く無くてな。ソーガとソロモは起きてるか?」


「あの二人ならまだ寝てるわよ。それと簡単な朝食を作ってあげたからさっさと食べなさい」


 空腹値とか無いから本来なら要らないんだがそれを言うのは無粋と言うものだし有りがたく頂くとしよう


 モグモグとフローティアお手製の朝食を食べているとやっとソーガ達が下りてきた


「ようソーガ、ソロモ。フローティアが朝食作ってくれてるぞ」


「ホントに?ありがとう、フローティアちゃん」


 ソーガとソロモも席に着いてフローティアお手製朝食を食べ始めた


「そういやフローティア、聞き忘れてたんだがメガスタム・グラムの能力とか見た目って分かるか?」


「あいつの能力は死者を操る能力しか分かってないわ。そして見た目だけど、四足歩行のスカルドラゴンを凶悪な感じに大きくして背骨辺りにキラキラ光る水晶みたいなのが有ったわね」


 スカルドラゴンがどんなのか分からないが何となく骨で出来たドラゴンなんだろうなってのは分かった。聖属性の攻撃とか効きそうだな


 そんな風にメガスタム・グラムに着いて考えているとソーガが流れをぶった切ってきた


「なあバロイル、後でダンジョンに行かないか?」


「ん、ダンジョンか。良いぜ、ギヌンヘイムのダンジョンに行くか?」


「あそこは早すぎだろ!?そっちじゃなくてフロッグ湿地帯にあるダンジョンだよ」


 フロッグ湿地帯……ファリア王国とブローイン王国の中間辺りにあるフィールドだっけ。主に地属性のモンスターが出現するフィールドだったな


「推奨Lvは確か20だっけ。俺達には丁度良いな」


 なんせ俺のLvは11のままだからな!ギヌンヘイムのモンスターは固すぎた。クリティカルが確定で発生する頭部に攻撃を当てたのにHPバーが少しも減らなかったんだから仕方ないだろ


「私も行くからね!」


 フローティアは推奨Lvよりかなり上だが本人が行きたがってるならまあいっか


 朝食を食べ終え作り忘れていた防具や武器の耐久値を回復しポーションやスキルオーブの購入等をしてから移動し始めて約二十分後


「ここがダンジョンの入り口か。いかにもって感じたな」


 フロッグ湿地帯のダンジョンの入り口に着いた。辺りが沼だらけだからこの土で出来た入り口は余計目立つな


「よし、行くぞ!」


 こうして俺達はソーガを先頭にしてダンジョンに突入した

トレインボアAが呼び寄せたトレインボアB達もダメージ受けたら別のトレインボアC達を呼ぶ仕様は改善した方が良いと思うんですけど


次回 バロイル、メイドになる

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