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鍛冶とはつまりリズムゲー

男の娘×女の子のカップリングは疑似百合的な感じで百合扱いして良いのか悪いのか分かりませんね

 大森林から王国に帰る途中で偶然にもそいつ等に会った


「バロイルとリアちゃんじゃねーか?こんな所で会うなんて偶然だな!」


 気さくに話しかけながらやって来た男女二人組は初期装備の服とズボンに赤髪短髪の世間一般で言うところのイケメンの方は双剣を、水色長髪の世間一般で言うところの美少女の方は杖を背中に背負っていた。男の方はソーガ、女の方はソロモと言うプレイヤーネーム、間違い無い


「おお!こっちで会おうって約束したくせに俺達を放ってフィールドに行ったソーガにソロモじゃねえか!こっちでは初めましてだな」


「さっきぶりですねソーガさん、ソロモさん」


「うっ。あー、その、悪かったな二人とも。久しぶりのクリオンだからはしゃいじまってな……」


 ソーガもソーガの隣に立つソロモもその表情から反省してるのはしっかり伝わってるし、今回は許してやるか


「反省してるようだし、今回は許してやるよ。ただし、素材集めは手伝えよ~?」


「それぐらいならお安い御用だよ。それと一つ聞きたいんだけど。バロイル君はどの職業を選んだの?」


「俺は鍛冶師を選んだぞ。と言っても鍛冶をするのはこれからなんだけどな」


 なんせ鍛冶より前にフィールドに出るのを選んだからなあ……


「じゃあ素材を持ってきたら私達の装備を作ってくれる?」


「今はまだ低品質な物しか作れないだろうけど、それでも良いなら」


「良いよ良いよ!私達が使ってる市販の銅級シリーズよりは強いだろうし」


 ふむ?銅級シリーズ?……あっ!?


「ずっと……ずっと何か忘れてると思ったんだ。買い物、し忘れてた」


 その銅級シリーズ買ってたらジェネラルもワンキル出来たのかなあ……


「マジかよお前、初期装備そのままでフィールドに出たのか……」


「まあその初期装備でジェネラルゴブリンとか言うモンスターを倒したけどな」


「は!?初期装備で!?どうやったんだ?」


「簡単だよ。こう、暗殺術で心臓をサクッと」


 鞘に入れたままの剣で突き刺すジェスチャーをすると二人からドン引かれた。解せぬ。いやソロモはともかくお前にドン引かれる筋合いはねえよソーガ!ディザクロのストーリー上のラスボスをソロで攻略しやがったお前にだけはドン引かれたくねえ!!


「まあともかく!俺達は街に戻るがお前達はどうする?」


「バロイルも戻る途中だったのか。俺達も丁度街に戻る途中なんだよ。っとそうだ、俺達の武器の修復をしてくれないか?」


「修復?見たところ壊れてはないみたいだが?いやそもそも俺まだ鍛冶スキルのLvが1なんだが」


「そこは私が説明するよお姉ちゃん!修復って言うのは鍛冶スキルLv1で取得するスキルでインゴット等の素材を使うことで武具の耐久値を回復させるスキルだよ!」


 ほえー、そういう仕様なのか。スキル一覧から【鍛冶】をタップしてみるとその下に【修復】と表示された。ぶっちゃけ武具作れるって情報だけで鍛冶師を選んだからそこら辺は知らなかったなあ


「説明ありがとな、リア」


 お礼に頭を撫でてやると嬉しそうに目を細める。やっぱり家の妹は可愛いなあ!


「バロイルがシスコンなのはいつものこととして、もう良いか?」


「おお、街に戻るんだっけな。とっととギルドにクリア報告して鍛冶するか」


 ソーガとソロモを連れてまた歩き始める。駄弁りながら五分程歩いてギルドに着いたがなんだか受付嬢さん達が慌ただしいと言うか騒がしいと言うか


「すいません、妙に慌ただしいようですけど何かあったんですか?」


「ほんの数分程前にクウェイック大森林でジェネラルゴブリンが率いる大群の目撃情報が寄せられまして。ですので緊急クエストを発注したんです。しかしここ数年緊急クエストを発注したことなんて無いものですからこの騒ぎようで」


 クウェイック大森林、ジェネラルゴブリン……あー、もしかしなくてもあのジェネラルだろ


「そのジェネラル達なら俺とカリアで討伐しましたよ。他のゴブリンも纏めて」


 そう言うと受付嬢さんの目が驚きで見開かれた。そんなに驚くことかね?リア曰くガリオス渓谷なる場所には沢山居るらしいし


「……え?あ、では魔石等の証拠となるドロップアイテムとギルドカードをお渡しください」


 言われた通りアイテムボックスから瑠璃色の宝石みたいな魔石とギルドカードを取り出し渡すと受付嬢さんが奥に行ってしまった。あの魔石返してもらえる……よな?


「ま、適当なイスに座って待っとくか」


 各々が同意して近くにあったイスに腰掛ける。待つ間暇なのでこれからやる予定の鍛冶師についてスレを眺めて時間を潰していたらようやく受付嬢さんに呼ばれた


「バロイル様とリア様のジェネラルゴブリンの討伐が正式に認められましたのでゴブリン討伐クエストと合わせて報酬の5万2千G(ゴールド)になります」


 カウンターに袋と魔石とギルドカードが置かれる。袋が置かれると同時にジャラッと言う金属同士が擦れ会う音が鳴ったな。予想外の収益を得たしこれで銅級鍛冶槌と片手剣を買える!防具は……今はいいか


「っとそうだ。生産職ギルドってどこにありますか?」


「生産職ギルドでしたら反対側の区画にありますよ」


 反対側か。受付嬢さんに礼を言ってカリア達を連れて早速歩き出す


 道中で必要な銅級シリーズを買ったり鉄鉱石やポーションやスキルオーブを買ったりソーガハーレムを妬んだチンピラに絡まれたりしたが特に何事も無く無事に到着した。やっと鍛冶が出来るんだな。まずは作業場を借りるために受付に行かないと


「すいません、鍛冶の作業場をお借りしたいんですけど」


「おう、いいぜ。使うのは四人か?」


 受付に立ち、俺達に答えたのは今にも千切れそうなピチピチのギルド員制服を着た筋骨隆々のおっさんだった

 肘や肩等に岩石みたいな紋様があるって事はこの人は鉱人族なのか。確か鉱人族の特徴がこのおっさんみたいに紋様があることだったな


「いえ、俺一人です。こいつ等はパーティーメンバーです」


「そうかそうか。お前さんは鍛冶は初めてか?必要なら鍛冶の基本を教えるが」


「知り合いから教わってるので大丈夫ですよ」


 スレからの情報が大半だがソーガからも少し教わったので嘘ではない、嘘では


 受付のおっさんから作業場の場所を教えてもらってその通りに行くと結構広い部屋があってそれなりのプレイヤーらしき奴等が打ち鳴らす金属音で溢れていた。その中の端っこにある金床の前に立ってアイテムボックスから鉄鉱石を取り出して置き、装備を鍛冶槌に切り替える

 確かこの鉄鉱石を叩けばリズムゲーみたいな感じでミニゲームが始まるんだっけ。ここはゲームっぽいな、まあリアルで鍛冶をした事がある奴なんて少ないだろうし妥当な措置か。そういえば


「なあソーガ、気になったんだがこれ魔石を置いて始めたらどうなるんだ?魔石って魔力の塊なんだろ?ならその不思議パワーで品質が上がったりとかしないのか?」


「え?魔石を?さあ、特に何も起きないか失敗扱いになるんじゃないか?βで鍛冶師をやったことはあるが魔石を使うとかそんなの考えたことも聞いたことも無いから何とも言えないな」


 そうか、やったことないのか。その答えを聞いて決意が固まりアイテムボックスからジェネラルの魔石を叩き付けて直ぐさま鍛冶槌を振り下ろす。ミニゲームの始まりだ!


 ミニゲームの内容はリズムゲーじゃなくてリズミカルなモグラ叩きだな。鉄鉱石が光ったらその箇所を直ぐに叩く、これを繰り返していくと鉄鉱石と魔石が徐々に目標の光とは違う淡い光を帯びていきやがて──


「これで終わりだ!」


 最後の一打ち。同時にホイッスルのような音が鳴って鉄鉱石が姿を変えていく。さあどうなる!?


『鍛冶のLvが上がりました』


『【分解】を取得しました』


『【魔力鍛冶】を取得しました』


『【魔力視認】を取得しました』


「うーん、見た目は何の変哲も無いアイアンインゴットだな?」


 なんか新しくスキルを取得したが後で確認するとして、このアイアンインゴットの性能を見てみるか


「魔石が鉄鉱石に混ざったように見えたんだけど特に変化無いね?」


 そうだな~、と返しながらアイアンインゴットの性能を見てみるも特に変な箇所は無かった。ちょっと残念だなあ


「特に変わった箇所は無し、と。ATK+1表記があるからこれで装備作ったらATKが上がるんだろうけど、ショボいなあ」


「ん?ちょっと待てバロイル、今なんて?何が表記されてるって!?」


 何故か急にソーガとソロモとリアがズイッと詰めてきた。なんだよ急に怖いな


「あ、ATK+1表記がどうかしたのかよ?」


「おいおいマジかよ!?あ、こっから先は出来る限り小声で話すぞ」


 かなり真剣な表情のソーガが説明を始める。なんか秘密の作戦会議みたいでドキドキするな


「良いか?まずインゴットに装備のステータスを上げる効果は無い。装備を作った後なら強化と言う形でステータスを上げることは出来ても素材の段階では無いはずなんだよ」


「ふーん、つまりこのインゴットは特殊と。つっても+1だからショボいぜ?」


「それはそうなんだが、もし他にもステータスを上げれる素材が判明して、その上昇値が高ければどうなる?他にはない圧倒的なアドだ!」


 確かにな。もし魔石に限らず魔力を含んだ素材を使えばこのインゴットみたいな特殊素材を作れるなら爆アドと言っても良いのか?とりあえずこのインゴットを使って銅級の片手剣を作ってみるか。初期レシピだし一回で成功するだろ


 アイアンインゴットを置いて表示されたレシピ選択画面から銅級の片手剣を選択っと。またさっきのミニゲームをこなしてはい完成


「【銅級の片手剣 ▷ATK11・STR2】だな。ソーガの方と違いはあるか?」


「こっちのはATKが11じゃなくて10だ。やっぱり素材のATK+1が適応されてるな」


 やっぱATK+1されてるな。しかしショボい。とは言え今使ってる装備よりは上だしリアにやるか


「この片手剣はリアにやるよ。鍛冶師の俺より剣士のお前の方が似合うだろ」


「お姉ちゃん……うん、ありがとう!」


 俺が手渡した片手剣を大事そうに両手で抱き締める妹を抱き締めてひたすら撫でる。やっぱり家の妹は可愛いなあ!!


「おーいバロイルー、俺達もジェネラル倒したからこの魔石使って武器作ってほしいんだけどー、そろそろ戻ってこーい」


 ったくなんだよ揺らすなよソーガ。人が妹愛でてる時に。まあいい、武器の制作だったな。とその前に


「さっきスキルを獲得したから確認させてくれ」


 YESと返事が来るのは分かってるのでささっとスキル一覧を開きスキルの確認っと


【分解

 ▷鍛冶Lv2スキル。装備やアイテムを分解しインゴットやその他の素材にできる】


【魔力鍛冶Lv1

 ▷素材に込められた魔力を引き出す鍛冶が出来るようになる。Lvに応じて効果・品質上昇】


【魔力視認

 ▷魔力を視認できるようになる】


「どれもスキル名そのままだな」


 さて確認もしたしソーガから魔石を、ソロモから杖を預かって特殊インゴットを一つ、普通のインゴットを一つ作ってそれを素材に双剣作って杖を修復して渡してはい終わり


「そうだお前等、今後Cランク以上の魔石をゲットしたら出来れば売らずに俺の所に来いよ?魔力を含んでそうな素材も同じな」


「うん、売るよりバロイル君に渡した方が良いのは分かったしね」


「同上。んじゃ俺達はまたフィールドに行ってくる。バロイルとリアちゃんはどうするんだ?」


「俺もフィールドに行く。魔力を含んだ素材を集めたいしな。カリアは?」


「私は……ちょっと単独行動。レベル上げしたくって。本当はお姉ちゃんと一緒にしたいけど一人の方が経験値の配分的に効率良いからね」


 リアが一人で行動したいなんて珍しいな。となると俺も一人か。大体リアが側に居るから一人の時間は少し懐かしいな


 さて、リア達が行っちまったし俺も行動を開始しますかね。目標は王城の奥に見える雪山、マップ上では炎氷山脈ギヌンヘイムと書かれている場所だ

【炎氷山脈ギヌンヘイム】ファリア王国を含む三国を囲む山脈の一つ。推奨Lv80のフィールド


 生産系初期職業は特定のスキルLv到達と指定の条件達成とプレイヤーLvを上げていけばやがて上位職に転職することができる。中には特殊な条件を満たすことによって別枠で就ける特殊職業(エクストラジョブ)があるとか

 戦闘系初期職業は特定のスキルLv到達と指定数のモンスター討伐とプレイヤーLvを上げていけば上位職に転職可能

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