天命消失 その4
メチャクチャハチャメチャ久しぶりの投稿です。実質初投稿です。かなり長い間やる気が無くなっていましたが少し回復したので書きました
これからは月に1話ペースでやれたらなと思います。やる気を無くすな未来の自分。では本編どうぞ
大爆発が起き、遂にその巨体が地に伏した
「ダウン来た!アタックチャンスだ!全員やっちまえー!!」
誰かの叫びがプレイヤー全体の雄叫びとなって戦場を包み、ボスのHPがガンガン削られる
どっからどう見てもアタックチャンスなのは間違いないが敢えて接近はせず中距離ぐらいの位置に大盾の【要塞装甲】を地面に突き刺し、その影から竜血樹外装による属性魔力弾をばら撒く
なぜボスが無防備な姿晒してるのに接近しないかと言うと、直感による警告が響いてるからだ。この感じの直感は大抵当たる。ソースはソーガの爺ちゃんとの稽古。それに未来視でもしてんのかレベルの直感を持つソーガが突撃してないのが何よりの証拠だろ
「【ローズストーム】!ちょっとあなた達、アタックチャンスなのにそんなちまちました攻撃で良い訳?」
「あのボスモンスターが怖くとも私がいるから大丈夫だぞ!私の盾はバロイル殿を守る為にあるからな!!」
「私とクランメンバーもちゃんと守りなさいよ!?」
「ボスとお前から嫌な予感がするからパス。お?なんかボスの体の模様……点滅してないか?」
あと少しでボスのHPが尽きる!と思った瞬間ボスの体中に巻き付くように描かれている黒い線が明滅を始め、それは加速度的に増していき
闇色の爆発と衝撃波を引き起こした
「この大盾に隠れて正解だったな。俺近接攻撃しか無いから行ってたら確実に巻き込まれてたぞ」
「うっわ……要塞装甲の耐久値が7割近く持ってかれてやがる。この装甲でこれなら群がってた前衛は全員死亡。生き残ったとして瀕死だろうな」
「確かに防御力が高いタンク以外消し飛んでるねー。近付かなくて良かった〜」
リアの実況通りボスの周りはまあ悲惨なもので、周りの地面は所々黒々としてほんの数秒前までその地面に立っていたプレイヤー達は殆ど居なくなっていた
「グルルオァァァ……アアァァァァア!!」
これが最終形態だといいんだけどな
◆
呪いに完全に侵食されたヘヴンディカロスを生き残ったタンクと後衛プレイヤー達が囲もうとするがヘヴンディカロスは弾幕をばら撒きながらフィールドを爆走する
「うっそだろ掠っただけで9割持ってかれるのかよ!」
「さっき死んだ奴等が戻ってくるまで多分10分ぐらいだ!それまで持ち堪えるぞ!」
自らを鼓舞しヘヴンディカロスに対峙し続けるもその数はどんどん減っていく。ある者達はその巨体に轢き殺されて、ある者達は魔力レーザーでジュッと蒸発され、ある者達は呪いに浸食され消滅した
しかしその暴走が突然止まる。およそ数秒の空白の後また動き始めたが、それは単なる暴走ではなく明確な意図を持った移動であった
「あれ……?なあスッチョンシャイン。俺の勘違いなら良いんだけどさ、あいつ、ファリア王国の方に向かってね?」
「今マップ見て確認したが確かにファリア王国がある方角だな」
「え?それってヤバくない?β版でクエスト失敗したら街が壊滅したってスレ私見たことあるんだけど」
この時、会話を聞いていたプレイヤー達の心情は概ね一致した
早くボスを倒さねえとヤベェ!!!と
とは言えヘヴンディカロスは既に遠く、足止め系スキルの射程外だ。どうしようも無い。8割のプレイヤーがファリア王国終わったな、と思った瞬間、ヘヴンディカロスの巨体が突如浮き上がり仰け反った
「は?」
◆
「小娘ー!!アリシティア様の命を受け、来てやったぞー!!!」
野太く五月蝿い声が再び倒れ伏したボスの近くから聞こえる。この声は!
「おっさん!おっさんじゃねえか!すげえ助かる!」
すごい白く輝く鎧に見を包んだ騎士っぽい格好をしたウルドロスのおっさんだ
ボスを一発でスタンさせるとか意外と強いんだなおっさん
「なんか強そうなおっさんがボスをスタンしてくれたぞ!!皆今の内にボスの足を折っちまえー!!!」
「おい小娘、以前言っていた大剣、パニッシャーと言ったか。あれを儂に貸せ。この剣では相性のせいで討伐に時間が掛かりそうじゃ」
ボスに群がるプレイヤー達を余所におっさんが手を伸ばす
パニッシャーを貸すのは良い、良いんだが
「貸すのは良いが持てんのか?」
「儂を誰と思うておる。ファリア王国最強の騎士であるぞ!常軌を逸した武具であろうと使いこなしてみせるわ!!」
おっさんが鎧越しでも分かる重厚な筋肉をアピールするようなポーズを取る。まあやるだけやってみるか。最悪おっさんにボスの足止めしてもらって俺が鋼鉄糸使って叩きこめば良いしな
アイテムボックスからパニッシャーを取り出す
「ほう、地面にめり込む程重いか!」
実体化させたパニッシャーをおっさんは少し重たそうな雰囲気を出しながらも軽々と持ち上げやがった
「うむ、よい!実に良いぞ!久しく感じていなかった重みよ!!これでこそ大剣よな!!」
「えぇ……んな簡単に持ち上げれるのかよ。はあ……んじゃやるぞおっさん!」
バカデカ大剣を携えたおっさんと俺の共闘が始まる
久しぶりの投稿は緊張しますね。一つ設定変更点として義妹ちゃんのゲーム内での名前を変えています
【ローズストーム】魔導設計図により制作された薔薇と風の複合魔法。肌に当たった際に微量の継続ダメージを与える複数回ヒット判定を持つ
あ〜、早くロボ出してェ〜〜!




